習慣化コンサルタントの古川です。
村上春樹さんのエッセイ
「職業としての小説家」を
読んでいて次のような一文があります。
小説を書くことについて、
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p244
またそこには「自己治癒」的な意味合いもあったのではないかと
思います。
なぜならあらゆる創作行為には多かれ少なかれ、
自らを補正しようという意図が含まれて居るからです。
つまり、自己を相対化することによって、つまり自分の魂を今あるものとは
違ったフォームにあてはめていくことによって、生ける過程で避けがたく生じる
様々な矛盾なり、ズレなり、歪みなりを解消していく
ーあるいは昇華していくーということです。
そしてうまくいけば、その作用を読者と共有するということです。
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あらゆる創作活動は自己治癒的な行為というのは
非常に深い本質を突いているのではないかと思います。
私もビジネス書を書いていて、間違いなく自己治癒的な
プロセスを感じています。
ターゲットの1人は間違いなく、あの頃の自分、
もしくは現在も存在する自分のあるパート。
そのパートが納得する、欲しがっているものを書く。
それと全く同じ悩みを持っている人が世の中に沢山いるなら
その分だけ読んでいただけるという結果があります。
スティーブジョブズのあの偏狭的なデザインも
彼の自己治癒的なプロセスだったのではないかと思います。
徹底的にシンプルに、美を追求するのは
彼の中にある何かを癒していたのではないかと。。
芸術は疎いのですが、
ゴッホが絵を描くプロセスも
ベートーベンが作曲をするプロセスも
自分の中にある自己治癒的な行為として存在していて、
それがあるとき創造物に魅力が出るのではないかと思います。
ということは、
いい創造、クリエイティビティを生み出したい時、
自分の心や魂が震えるもの、そして癒されていくような
強烈な体感覚からつくることが必要。
私はそれで納得がいきました。
ちなみにこの村上春樹さんの本、とてもオススメです!
職業としての小説家
https://www.amazon.co.jp/dp/4101001693