習慣化コンサルティングの古川です。
今日は高密度化の話です。
天皇陛下の執刀医、天野医師。
何度か、このブログでも紹介していますが、
私も連載している、プレジデントオンラインに
次のような記事が載っていました。
まさに手術も高密度。
時間をかければいいというものではないと
気づきがあります。
プレジデントオンラインから引用
http://president.jp/articles/-/16374?page=2
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患者さんの手術を回避したのは、35年間心臓外科医をやってきて、
尿管結石になったときとノロウイルスで寝込んだときの2回だけです。
その2回は、対象である患者さんに対してベストな医療が提供できず
判断力にも問題がある状態でした。
でも、多少疲れている程度なら、そのほうが早く手術を終わらせようとして
患者さんにも自分にも負担がかからないように工夫するので、
むしろそのほうがいいくらいかもしれません。
ある会社に依頼して、冠動脈バイパス手術の手術時間のデータを取ったのですが、
私が勤務している順天堂大学医学部附属順天堂医院心臓血管外科の約2倍も
手術時間がかかっている病院がありました。
手術時間が長くなれば、それだけ患者さんの心臓や体に負担がかかります。
「早い」、「安い」、「うまい」をキャッチフレーズに、効率的な手術をしている
ということは、患者さんにも負荷をかけず、一緒に働いている人にも
無理を強いないことにつながるのです。
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手術時間が2倍、でも患者への負担が大きく成功率も低くなる。
ちょっとぐらい疲れている方が、早く終わらせようとして工夫する。
これこそ、最善主義です。
よく高密度仕事術を実践していると、クレーム対応だから仕方が無かった。
間違えられない仕事だから仕方が無かったというコメントが上がってきます。
確かに共感できるのですが、そこで工夫を諦めたら終わり。
上記の例で言えば、丁寧に手術をしているけれども、
患者さんに負担がかかり、成功率を下げている。
丁寧につくったクレーム報告書。2時間かけてつくったけれども
上司は粗い誤字脱字だからけの箇条書きでもいいから30分で欲しかった!
ということはないでしょうか?
1時間半でクレームの火種が大きくなっている可能性があります。
本末転倒な仕事ですが、これは誰にでもあることだと思います。
なぜなら、仕事の目的や相手のニーズは無意識で掴めるものではないから。
常に想像して考え抜く。
そして、それを限られた時間と労力で最善をつくす。
全体を俯瞰することと、
プロセスを想像すること、
何より完成イメージに基準を設けること。
完成イメージは、必ずしも高ければいいというものではありません。
早いこと、かける時間を設定すること、目的・ニーズを満たすもの。
最善主義には創造力が必要ですが、
制限を設けて考える。
やはり、ここが肝ですね。