21.11.03 来島城[村上の姓を捨てた来島氏の本拠]その5 | ぬるま湯に浸かった状態

ぬるま湯に浸かった状態

城巡りを中心にしたブログです。
『ぬるい』ので入られる方はご注意ください。

来島城 レポに第5弾です。

 

 

その4のレポ

 

 

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見所となる遺構(土塁など)はブルー、名前のある場所(本丸など)はパープル

現存建築物(移築建築物含む)はピンク、再現建築物(模擬建築物含む)はオレンジ

跡地(櫓跡など)はグリーン、その他(銅像など)はブラックで表記します。

 

 

 縄張図

 

 

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丸い穴の中に海水が溜まっている画。

城に興味がないと「岩の穴に、海水が残っているだけじゃん」って言われそうですが

この日、この時間帯を選んで、この島にやってきたのはこれを見たい為なんです。

 

 この『穴ぼこ』を見るためにやって来たようなものです。

 

 

 

まぁそれは、流石に言い過ぎですが、あながち間違ってもないですね。

ちなみに、この穴。

人為的に掘られているんですよね。

 

 自然現象で開いた穴といえば『甌穴』もありますが、それとは一線を画します。

 

 

 

この様に、鏃で突き刺したような穴もあったりします。

 

 鏃で岩をここまで刺す事は無理でしょうけど。

 

 

 

尚、この穴の中には、貝殻とかあったりします。

 

 ただ、この穴は本当に人為的なものかは…。

 

 

 

では、これは何なのか。

そろそろ答えましょう。

 

 ここまでもったいぶる必要はないのだが…。

 

 

 

そう、これこそが 岩礁ピット です。

ここに柱を打込んで、その柱を使って、舟を繋留させていたそうです。

また、ここの柱などを使って、桟橋を造っていたなどとも、考えられ

その1で登場した想像図にも、その様に描かれています。

 

 香川元太郎先生のイラストにも、桟橋が設けられています。

 

 

 

この来島の周囲は、上から見てるだけなので、ハッキリとは言えませんが

水深が、いきなり深くなっている様に見えます。

という事は、舟が島の近くまで来ることができ、さらには停泊できるんですね。

 

 大型船舶が通過する海域ですから、深いのでしょうね。

 

 

 

海を見てみると、その潮流の激しさを、本丸などから見るより感じれます。

ただ、前にも言いましたが、この潮流は、大潮前後しか発生しませんので

この潮の流れが城を守っている訳ではありません。

で、その潮流の奥には、島々が連なっています。

一見、陸地が続いているように見えてしまいます。

 

 我が街の前にある瀬戸内海とは、全く違う光景がここにはあります。

 

 

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さて、ここで例のコーナー(例って何よ)をお送りします。

先だっては、村上通康の解説をしましたが、今回はその息子で、来島村上氏の

家督を継いだ『来島通総』を紹介します。

 

来島通総は、来島通康の四男として生まれています。

ただ、通総の母が、河野弾正小弼通直の娘という事で、父の死後、家督を相続

します。

 

父の通康がそうだったように、来島村上氏は河野氏の近かったのですが

通総は、早くから河野氏から独立するような動きをします。

河野通宣が、室町幕府に収めようとしていた公用銭を横領したりしているのです。

ただ、何故この様な動きを始めてかについて、通宣が隠居後に河野氏の家督を

相続したのが、河野伊予守通直なのですが、異説はありますが、彼は

村上通康の子なのです。

伊予守通直の母は、毛利元就の娘が嫁いだ、宍戸隆家の娘である事から

通康が死去後に、毛利氏の意向で通宣に再嫁する事になったのです。

従って、通直の異母兄弟が、河野氏の家督を継いだのです。

これにより、母が弾正小弼通直の娘と、河野宗家の血筋を引く、通総は

伊予守通直の存在を脅かす存在となり、毛利氏を後ろ盾にしだした河野氏

そして、毛利氏にも煙たがられる存在になったのでしょう。

逆に、通総自身も河野氏の家督を継げなかった事による、伊予守通直に対しての

恨みがあったのかもしれません。

 

同じ頃、能島村上武吉は、反毛利氏の動きを始め、小早川隆景による能島攻めに

因島村上氏と共に、加わっています。

また、1576年の第一次木津川口合戦にも毛利方として参戦しています。

 

しかし、織田と毛利の戦いが徐々に織田有利になってくると、羽柴秀吉の誘いに乗り

織田方に身を投じます。

秀吉は、能島、因島の両村上氏にも毛利氏離反を促していたようですが

こちらは突っぱねられています。

通総の河野氏からの離反に際し、一族の村上吉継村上吉郷などは、河野氏方に

残っており、来島村上氏は分断する事になってしまいます。

通総の離反後、河野氏は毛利氏と共に、来島城を攻めます。

その攻撃に対して通総は耐える事ができず、秀吉のもとに逃げ込みます。

ただ、彼の兄である得居通幸鹿島城に籠り、河野氏の猛攻に曝されますが

頑強に抵抗し、守り抜いています。

 

秀吉に早くから味方についた、通総は、秀吉に重用され、『来島』と呼ばれた為

村上姓を捨て、この後『来島』姓を称するようになります。

本能寺後、秀吉が四国征伐を行うと、小早川隆景の先陣として、伊予攻めに加わり

その戦功により、伊予風早郡(現在の愛媛県松山市北部)14,000石が

与えらえます。

ちなみに、来島城はその東隣である越智郡にあたります。

その後は、九州征伐小田原征伐にも参陣しています。

 

朝鮮の役が始まると、文禄の役では、福島正則の五番隊として参陣。

慶長の役では六番隊での参戦。

しかし、鳴梁海戦において先鋒を務めますが、潮流によって混乱した日本軍に対し

李舜臣率いる朝鮮軍の集中砲火を浴びてしまい、その中で戦死します。

彼の死後、福島正則の養女を娶っていた、来島長親が来島氏を相続します。

 

長親は関ヶ原に於いて、西軍に属し敗戦、所領を没収されてしまいますが

福島正則の取成しによって、辛くも大名として存続します。

ただ、所領は豊後森14,000石と転封されてしまいます。

その後、久留島と改姓。

久留島氏は同地の大名として、廃藩置県を迎えるまで存続しました。

 

 

鹿島城レポ

 

 

久留島陣屋レポ

 

 

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では、この城のレポへと戻りましょう。

といっても、岩礁ピット の画ばかりですが。

 

 この大きいな穴は判るのですが…。

 

 

 

先程も載せましたが、この小さな穴。

鏃で刺した様な穴と先程は書きましたが、正直、これも人為的なんでしょうか。

潮流によってできた、甌穴の様なモノという感じもします。

ただ、ほぼ直線状に連なっているんですよね。

だから、人為的にも、自然の仕業とも思えるんですよね。

 

 判る方いらっしゃたら、ご教授下さいm(_ _)m

 

 

 

こちらも見て頂けると判るでしょうが、小さな穴+細い溝がついているんです。

石垣用の石をこの岩を切り取ろうとした跡?なんて、考えてしまいますが

ほんま何なんでしょうかねぇ~?

 

 判らんもやもや

 

 

 

考えても仕方ないので、ここで、改めて岩礁ピットの画を数枚どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 ピットマニアの方、ご堪能頂けたでしょうか。

 

 

 

これは海蝕テラスか?と思いましたが、ここも満潮時は水没しそうな場所なので

違いますね。

 

 あっちまで行きたがったが…転倒すると海の中に…。

 

 

 

では、引き続き、岩礁ピット痕をどうぞ。

これなんか、縦に並んでいるんですよね。

 

 少し曲がっているようには見えますが、ほぼ直線上に並んでいます。

 

 

 

引き気味で撮ってみると、ここには数個のピットがありました。

 

 じゃなそうな穴もありますが。

 

 

 

こちらは綺麗に直線上に並んでいます。

 

 大きくはない穴ですが、綺麗に並んでいるピットは貴重です。

 

 

 

ここは少々、孤を描いた形で残っています。

 

 両端のピットはなかなかの深さでした。

 

 

 

ピットはまたその6でも登場するので、一旦終了。

最後は、遠景を見ていきましょう。

やはり、本丸から見る景色とは、違った印象を受けます。

 

 快晴で良かったですわ。

 

 

 

こちらは、来島海峡側。

この画には写っていませんが、来島海峡にある二つの島にも、さらに対岸の大島の

先端にも、来島村上氏の城があったとか。

ちなみに、この三城にも、ピット痕が残っていたそうです。

 

 現在はどうなってるんだろう。

 

 

 

船が航行していました。

遠目で見るのですが、確かに右側通行していますね。

 

 船底が青い船が、赤い船より右側にいます。

 

 

 

三時前。

まだ船で戻る時間までは1時間強あります。

 

 でも、せっかちなもんで、移動開始です。

 

 

 

そんなに遠くはないんですが…時間に余裕を持ちたい人間なもんで。

では、謎の直線の筋を見て、場所を移動します。

 

 海岸だけの画に終始しましたが…。

 

 

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次回も、同様になりそうなので、お楽しみに…もとい、ご了承下さいm(_ _)m

では、これにてその5を終了します。