令和6年3月23日
さて、今月から復帰したちいですが、4月から再び参戦できなくなるということもあってここぞとばかりに今週もボドゲ会を詰め込みます。とはいえ、今日は午前中に用事があったので午後からの開催で参戦はちい、やまの2人となりました。
☆逆統戦
○概要
作者:ESC
対象年齢:15歳以上
対象人数:1-4人
標準時間:120分程度
箱絵だけ見ると今時の擬人化ゲームっぽい印象もありますが、内容的には台湾を始めとする紅軍(いわゆる中国)の周辺国家と紅軍との対立関係をで扱ったデッキ構築系のゲームです。
①ゲーム開始時に担当国家を決定しますがこの時紅軍は必ず1人担当します。
②ラウンドの開始時にイベントカードをめくります。イベントは、紅軍以外を対象として指定された条件の可否でラウンド終了時にメリットもしくはデメリットをもたらすものがあります。
③手番になると、手札を使用しアクションを行います。アクションは資源を生み出すものであったり、組織の配置や移動を行うもの、敵対組織を破壊するものなどがあります。
④アクションに使用しなかったカードは支払いに使え、それにより新たなカードを購入することができます。
⑤手番の最後に手札とマーケットを補充します。手番順の最後には必ず紅軍が手番を行います。紅軍のみ、手番の最初に特殊なアクションを行えます。
⑥紅軍以外は条件を満たすことで時代の変わり目の効果を適用します。
⑦これらを繰り返し、20ラウンド経過時までに紅軍以外は紅軍の勢力圏内で14拠点の確保を、紅軍はその阻止により勝敗が決定されます。
〇プレイ経過
管理人が紅軍、ちいが満州、やまがモンゴルでゲームを開始します。
管理人は序盤から積極的にちいとやまの進路をふさぐように組織を展開します。ちいとやまは組織を瓦解させるカードの確保に苦戦しており、ちいが時折突破をして侵入してきたものの、勢力を拡大する前に除去されており、紅軍の防衛線で足踏みをさせます。
その後も、両軍の勢力圏の境目で推し引きがあり、後半にはモンゴルの妨害行動により多くの混乱(お邪魔カード)が混入したことで紅軍としては行動に苦労もしましたが、それでも防衛線は大きく崩れることなく守り切った紅軍の勝利となりました。
〇評価
アジア一帯に強力な影響力を有する紅軍とその影響下のもとで弾圧を受ける周辺諸国との対立を扱ったデッキビルド系のゲームです。
デッキビルドとしては奇をてらったところはなく、デッキのマネジメントをしながらカードのアクションを行い各エリアに組織を配置して影響力を広げていくこととなります。紅軍としては部隊を展開しつつ周辺国家の進路をおさえて如何に進行を遅らせるのか、反対に周辺国家としては考えなしに紅軍の勢力圏内に踏み込むと叩き出されてしまうので周辺国家同士の侵入のタイミング、デッキの状況などを踏まえてどこで踏み込んでいくかというのは考えどころとなっています。ちなみに、中国を除く各地の支配状況によって3段階に効果が強化される秘密援助カード(盤外が本拠地となる列強からの援助)があり、勢力によっては使いやすい(必要な支配条件を満たすことで効果を強化し易い)カードがあって、これらでその国家で打ちやすい手など差別化されているのも興味深い仕組みですね。
また、テーマ的にもそうですが、実際の活動グループが制作にかかわったという割には、ゲームとしてきちんとまとまっているというのもいいところかな。
一方で、各エリアにはどの勢力の組織が配置されることで勝利条件へ影響を与えるかというのが示されているのですが、これが9色の小さな円で表示されていて、色によって識別がしにくいものもありました。アジア全体をこのマップに収めたというのもありますが、この辺りの視認性の悪さというのはプレイ中気になりましたね。
また、紅軍1人に対して複数人の反紅軍国家が挑むという構造ではありますが、ラウンド中の手番は各勢力とも1回となっており、2人であっても4人であってもこれは変わりません。このため、紅軍1人に対して反対勢力1人だと当然反対勢力は厳しく、逆に3人くらいになると紅軍が厳しくなります(今回の紅軍の優位を見ると1対3くらいがちょうどいいかもしれません。)加えて国家の位置が似たような場所だと紅軍にとっては守りやすく、離れていると守り難いという位置によっての差もあるため、何人でやるか、周辺諸国をどこにするかによっては難易度が容易に変化し、このバランスの不安定さも気になったところです。
とはいえ、色々と政治的な背景も感じられるタイトルではあるものの、個人的にはゲームとしては面白いかどうかというのが重要でゲームとしてもなかなか楽しめるものになっていると思います。それにしても「実在の団体とは関係ありません。」といった注意書きは良く見かけるものの、「登場する~は全て現実であり、実在のものとは強い関係があります。」なんていう注意書きははじめてみましたね。
☆フェリニア
○概要
作者:ミハエルシャハト
対象年齢:10歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:60-90分程度
新たに発見された大陸フェリニアに向けて船をチャーターして商人を雇い交易所の建設を目指すボードゲームです。
①ラウンドが始まると現大陸の商店にディスクを配置します。この時、すでに他プレイヤーのディスクが置かれている場合はその上に配置します。また、個人ボードに配置し資金を獲得することもできます。
②全てのディスクを配置すると順番に商店の処理を行います。各商店はそこにある商品を1枚獲得でき、交換所では商品を交換したりボーナスタイルを獲得したりします。
③ディスクを上に置いているプレイヤーから処理を行いますが、コストは上にいるプレイヤーほど高くなります。
④商品の購入や交換を行ったとき、必要な商品が揃っているとそれを支払い、船にコマを置けます。
⑤コマが充足した船は対応する島のエリアへ出航します。エリアへ着いたコマは上陸し2枚のトークンを表にして、表向きのトークンに移動します。
⑥移動の結果トークンを獲得し、その場にコマは残します。
⑦船の処理が終わると次のラウンドの準備を行い新たなラウンドを始めます。
⑧これらを繰り返し、船タイルが補充できなくなるとゲームは終了です。トークンのセットコレクション、新大陸に配置したコマのグループによる得点を計算し、最も多くの得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。
〇プレイ経過
管理人が赤、ちいが黄、やまが青でゲーム開始時の様子です。向かって右の現大陸で資源を集め、左側の新大陸にコマを送ってトークンのあるエリアをおさえます。
次々と船が出航していき新大陸にコマが増えていきます。中盤あたりまでは誰もがトークンの種類と、ボーナス(コマを移動させる際に踏んだマスに描かれている資源)を優先にコマを配置していましたが、徐々にグループを意識した配置にシフトしていきます。
そんなこんなで…
船ボードの補充ができなくなりゲームは終了です。トークンのセットコレクションとしては五分五分という状況でしたが、島のグループにおいて唯一4コマのグループを作っていた管理人が一歩抜き出ての勝利となりました。
〇評価
未開の新大陸へ商人たちを派遣し、交易所を作り繁栄を目指すボードゲームです。大陸間に配置される立体的な船コマはフレーバー(実際に必要なのは船の上にあるタイルだけ)ではありますが雰囲気が出ていていい感じです。
さて、旧大陸と新大陸という見た目通り、ゲームとしても大きく資源を確保し開拓船へ商人を送り込もうとする旧大陸、送り込んだ商人でトークンの獲得やエリアの支配を目指す新大陸という2つのパートで出来ています。旧大陸においては複数ある商店へディスクを配置していき、商品の購入や交換などを行うワカプレの様な仕組みとなっていますが、同じ場所に複数のワーカーが配置でき、後になればなるほど先にアクションが行えるものの実行コストも高くなるため、高くても欲しいものを確実に得るのか、欲しいものが手に入らないリスクはあるもののやすくするのかという駆け引きが考えどころとなっています。支払いに必要な資金を獲得するためにもワーカーは消費するため、商人を効率よく派遣するためにどうアクションを選択していくかというのは難しいところです。
また、新大陸ではトークンを獲得するとともに、そのエリアに商人をそのまま配置することとなります。トークンのセットにしてもエリアのグループにしても得点が二乗になる仕組みなので集めれば集めるだけ大きく得点が伸びていきます。島にはコマを移動させる際に通るとボーナスをもらえるエリアもあるため、どこを優先するかというのは非常に悩ましいですね。
大きく気になったというところはなく、如何に効率よく乗船スペースを確保しどの要素を伸ばしていくか、全体的な流れがきれいにまとまっておりプレイし易く面白いタイトルになっていたと思います。
ここで時間となり、本日は終了となりました。