☆Holdfast:Atlantic1939-1945
○概要
作者:GrantWylie&MikeWylie
対象年齢:12歳以上
対象人数:2人
標準時間:120分程度
第二次世界大戦の大西洋、地中海といったヨーロッパ近郊の海洋を舞台にした枢軸軍と連合軍の激突をテーマにした積み木のウォーゲームです。
①ターンが始まると増援ユニットを配置するとともに、補給ポイントを受け取ります。
②手番は連合軍、枢軸軍の順番で実施します。
③手番になると、各ユニットを港から海域へ移動させます。最初の移動先が支配領域であればさらにもう1エリアの異動が可能です。輸送艦、潜水艦や陸上基地の戦闘機など一部のユニットは特殊な移動を行います。
④移動を行わず港で待機するユニットは、補給ポイントと港のレーディングを上限に戦力を回復させることができます。
⑤両軍が移動を終えた後、同じエリアに両軍のユニットがいると戦闘となります。
⑥戦闘は、潜水艦への対抗攻撃、生き残った潜水艦による攻撃、両軍の航空攻撃、両軍の水上艦による砲撃の手順を取り、最後の水上艦の戦闘のみどちらかが全滅するか退却するまで繰り返します。
⑦攻撃はそれぞれのユニットが目標を指定し、その目標に対してダイス判定で攻撃を行います。ヒットを出すと戦力が低下し、逃亡を出すとそのユニットは戦線から離脱します。
⑧全ての海域で戦闘を終えると、その時点で各エリアにユニットがいる海域をそれぞれが支配します。
⑨海域の支配状況に基づいて勝利点を獲得し、輸送艦以外はすべて港に寄港します。
⑩これらを繰り返し、8ラウンド終了時により多くの得点を獲得している側の勝利となります。
枢軸軍を担当します。枢軸軍の戦力は乏しいながら、ドイツ軍は北大西洋に、イタリア軍は西地中海に進出しそれぞれ勝利を収めます。ただ、連合軍は脆弱な巡洋艦に攻撃を主中止何隻かの沈没があったのはもともとユニット数の少ない枢軸軍にとってはは痛手となります。
2ターン目。最強の戦艦ビスマルクの登場とともに再び枢軸軍は攻勢に出ます。連合軍は初手の損害の修理に加え大西洋全域へ部隊を展開したこともあり1ターン目よりも各エリアの防衛戦力は手薄でドイツ軍が北海、バレンツ海の奪取に成功するとともに、イタリア軍は東地中海で連合軍の巡洋艦2隻、空母1隻を撃破し2隻を大破するという大戦果を上げます。
とこの辺りまでが、枢軸軍の絶頂期で、3、4ターン目には増援により連合軍の艦隊が増加するとともに、ここまでの損害を回復するため主力を温存したこともあって、各エリアで敗北しここまで優勢だった得点も一気に振出しに戻ってしまいます。
5ターン目。北海を巡る全力投入の一戦にドイツ軍が敗れたこともあり、ここで連合軍が大きく得点を伸ばします。
6ターン目にはブカレストから出撃し南大西洋の奪取に成功したことで反撃の足掛かりを作ったものの、7ターン目には北大西洋での決戦に敗北してしまいます。この敗戦によりドイツ軍の残存ユニットは4ユニットと完全に反撃能力を喪失してしまいます。
最終8ターンには残ったイタリア艦隊が東地中海で勝利するという意地を見せ地中海の覇権こそ握れたものの逆転には程遠く、得点を伸ばした連合軍の勝利となりました。
○評価
第二次世界大戦におけるヨーロッパ近郊の海洋を舞台にした積み木のウォーゲームです。
ターンごとに港からユニットを出撃させ各海洋の支配権を競う仕組みが特徴(管理人はプレイしたことがないのでどれくらいの差があるかわかりませんが「War at Sea」あたりが元となるシステムらしい)です。連合軍と枢軸軍(特にドイツ)はユニットの数だけ見ると大きく連合軍が勝りますが、反面連合軍の方が先に出撃を行わなければなりません。手薄なエリアを作ると後手となるドイツ軍の行動でやすやすとエリアの支配を譲ることとなるため、どこにどれだけの戦力を割り振るか、ドイツ軍にとっては連合軍の配置を見ながら最大の効率を上げるためにどこをどれだけの戦力で攻めるのか、積み木により戦力が隠匿されとりこの駆け引きは非常に考えどころとなっています。
いくつかルールにあいまいなところはあるものの全体的にルールの負荷は少なく、開戦当初から終戦までという大戦の全期間を扱ったタイトルにしてはかなりプレイアブルに楽しめるところもいいところですね。
ルールの部分以外では気になったところもなく、比較的手軽にプレイできる艦隊戦を扱ったウォーとして面白いタイトルになっていると思います。
後半に続きます。