自宅ゲーム会453 前半 燃えよ!姉川の戦い | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和4年10月23日

 

 さて、本日はちい、やまと3人でのゲーム会を予定していましたが、やまが急遽休みとなったので終日2人でのゲーム会です。とりあえず、朝一はウォーゲームからです。

 

燃えよ!姉川の戦い(ゲームジャーナル第34号付録)

○概要

作者:柿崎唯

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 織田徳川連合軍と浅井朝倉連合軍が姉川で激突した戦いを描いたウォーゲームです。

 

①ターンの最初にダイスを振りあって主導権を判定します。ターン数や前ターンの損害に応じて数値には修正が入ります。

②前ターンに突破した主導権側のユニットは指揮が高揚し戦闘に補正が入ります。

②混乱しているユニットが移動もしくは壊走を行えます。壊走は敵ZOC内にいることによる任意によるものと、あえて混乱することで壊走を行う自発的なものがあります。

③主導権側から移動し、その後非主導権側が移動します。敵ZOC内での移動には制限があり非主導権側は移動ができません。

④主導権側から攻撃を行いますが、指揮下にないユニットは攻撃前に指揮チェックを行います。ダイスによって損害判定を行います。通常は戦闘を行ったユニットもしくは受けたユニットはそのターン追加戦闘を自発的には行えなくなります。

⑤敵ユニットの撃破や退却による戦闘後前進は強制です。ただし、戦闘後前進をしたユニットはそれ以後攻撃を受けません。

⑥ターン中に発生した損害によっては裏崩れが発生します。裏崩れは混乱したユニットを対象に除去を迫るものと、接敵していない一般ユニットを混乱させるものがあります。

⑦指揮範囲内のユニットは判定により混乱から立て直ります。

⑧これらを繰り返し、両軍の各軍の総大将の撃破、もしくは規定のターン終了時の得点によって勝敗を判定します。

 

○プレイ経過

 織田徳川の連合軍を担当しますが、西では徳川と朝倉が、マップ中央では織田と浅井がそれぞれ姉川をはさんで向かい合う状態です。最初のターンは織田軍に行動制限がかかっており、磯野員昌を先頭に姉川を渡る浅井軍の奇襲からゲームは始まります。

 

 しかしながら、最初の浅井軍の攻勢は出目が偏り最前線の坂井勢を全く崩せぬままの足を止めることになりました。反対に朝倉の突撃は成功し、少数故の薄い防御線の背面に位置した徳川家康がいきなり攻撃を受けかねない状況となります。

 

 幸い家康への攻撃は失敗となり、精強な徳川軍は何とか防衛線を組み直すことに成功し、この後は数で勝る朝倉軍をがっちりと受け止めて戦線を維持します。しかしながら、反対に初撃を防いだ織田軍ですが、浅井長政が前線に到着するとその突破力の前に坂井隊、その後方に位置する池田隊はあっさりと切り裂かれてしまいます。唯一、池田軍の大将恒興は奮戦したものの衆寡敵せず最終的には流れに飲み込まれてしまいます。

 

 浅井軍の勢いは衰えず三番手の木下軍もその攻撃の前にはあっさりと瓦解します。ただ、ここまでに稼いだ時間を使って、柴田軍、森軍を左右に展開し、佐久間を進めて包囲網を形成しており、三方向からの攻撃の前にさすがの浅井軍も突撃の足が鈍りだします。

 

 さらに、佐久間軍の後方に信長の本体も到着します。しかも、このタイミングでようやく主導権が織田軍に移りこれはここで決着かと思われました…が、この織田軍の攻勢はほぼ失敗に終わり、反撃などにより柴田軍、森軍は半壊、佐久間軍にいたってはほぼ壊滅という結果となってしまいます。唯一、徳川軍はここまでの膠着からようやく朝倉軍を崩すことに成功します。

 

 再び主導権をとった浅井軍はここが勝負どころと信長に向けて突撃を開始します。この攻撃によりいよいよ信長の目前という状況まで迫られ、続けて主導権をとられるとかなり危うい状況ではありました。

 

 

 幸いにも続いての主導権織田軍がとることとなり、残存部隊で浅井軍を包囲します。

 

 さすがに長政率いる浅井軍は強く、包囲下にあっても頑強に抵抗を続けています。その一方で、徳川軍はようやく朝倉本隊のもとへたどり着き突入を敢行しましたが、後一歩のところで取り逃がします。とはいえ、朝倉軍の壊滅は時間の問題というところまで押し込んでいます。

 

 そしてここまで耐えてきた浅井軍でしたが、この後織田軍の主導権が続き徐々に守りを削り取って完全な包囲状態へ追い込みます。最後は佐々成政の突撃が成功して退路のない浅井直政が壊滅します。ユニットの損失だけでいうと圧倒的に浅井側が優勢でしたが、これによりなんとか織田軍の勝利となりました。

 

○プレイ経過

 織田徳川連合軍と浅井朝倉連合軍が姉川で激突、寡兵ながら魚鱗の陣で信長本陣目指して切り込む浅井軍とそれを止めようとする織田軍、その隣で対照的な戦いを繰り広げる徳川VS朝倉の戦いを描くウォーゲームです。

 多くのウォーゲームでは各ユニットが攻撃を行うというのは普通の行動として行えますが、本作においては指揮官の指揮下にない場合混乱のリスクを負う指揮判定に成功しなければ攻撃が行えないため、攻勢に出る部隊は指揮官を中心にある程度の密集隊形をとらなければなりません。加えて、主導権をとることによるメリットが非常に大きいのが特徴的なゲームで、非主導権側は敵ZOC内にいると移動ができませんし、攻撃を受けたユニットはそのターン中に攻撃をする権利を失い敵の攻撃が失敗しない限り反撃が行えないことも先制攻撃ができる主導権側が有利となっています。これらの仕組みによって、浅井軍は初期の魚鱗の陣のまま信長の首めがけて点での突撃を図ることになり、織田軍としては防衛線が中央で分断され有効な反撃が行えないまま中央突破の危機にさらされるという姉川の戦場を上手く演出しているという印象です。このあたりは、浅井織田両軍にとってその一矢が届くか届かないかという緊張感も感じられて良くできているところだと思います。

 また、敵将の討ち取りやターン中の損害が一定を超えることで発生する裏崩れというのも特徴的で、局所的な敗北が全体の指揮低下や敗走につながり結果として大きく戦局を変えることになりうる要素となっており、良くも悪くも面白い仕組みだと思います。

 まあ、その裏崩れという仕組みはかなり予定外の戦局変化を起こす可能性がありそのあたりは好みがあるかもしれませんが、全体的に大きく気になったところはなく、浅井朝倉の突撃に始まりダイスの振りによって次々と戦況が変わっていくゲームで、まさに「燃えよ!」のタイトル通りの熱い展開が繰り広げられる面白いタイトルになっていると思います。

 

 

 後半に続きます。

 

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