自宅ゲーム会 番外9 後半 函館戦争ソリティア  | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和4年2月6日

 

 午後になりましたが、引き続きソロゲームをプレイしています。

 

☆函館戦争ソリティア(BANZAIマガジンEX第9号付録)

○概要

作者:中黒靖

対象年齢:12歳以上

対象人数:1人

標準時間:60分程度

 

 旧幕府軍を率いて蝦夷に向かい蝦夷共和国の樹立を目指した榎本武明となって新政府軍による攻撃から蝦夷の地を守り抜くというソリティアゲームです。

 

①新政府軍の艦隊が到着する4ターン以降、ターンの開始時に艦隊を配置します。

②徴税を行います。この時、判定を行い失敗すると住民感情が悪化しますが、徴税額が大きいほど可能性が高くなります。

③資金を陸軍と海軍に割り振ります。

④ターンに応じた枚数のチットを引きます。

⑤旧政府軍が行動を行います。行動は「地上戦の実施」「艦隊移動(それに伴う海上戦)」「陸軍の再編成または海軍の修理」「外交による威信の向上」「襲撃」があります。各行動にはコストが必要です。また、戦闘はダイスによって判定を行います。

⑥襲撃は特定のチットが引かれてから実施可能になり、コストを支払い準備を行って青森か宮古湾に移動してから実施します。青森ではチットの除去、宮古湾では停泊中の新政府艦隊の撃破が行えます。

⑦新政府軍の行動はチットを引くことです。チットに応じた行動を行うか、チットに書かれた効果を処理します。

⑧交互に行動を行い、旧政府軍がパスを行い且つ新政府軍のチットが尽きるとターンが終了します。

⑨ターンの最後に威信の調整、旧幕府軍の陸軍、海軍維持のためのコストの支払いなどを行います。

⑩これらを繰り返し、最終ターンが終了しても敗北していなければ勝利となります。ゲーム中榎本武明が戦死するか、威信が0になると敗北となります。

 

○プレイ経過

 

 旧政府軍が函館を占領したところからゲーム開始となります。最初のターンは松前藩兵の残兵を蹴散らすところから始まります。

 

 無事に松前藩を追い落とし制圧完了となります。新政府軍の艦隊が到着するまではイベントの処理が中心ですが、2ターン目に襲撃に必要な甲賀源吾チットが来たので襲撃の準備を行います。

 

 3ターン目に実施した青森襲撃は渾身の出目で新政府軍のチットを一気に削ります。

 

 4ターン目。新政府軍の艦隊が近郊に到着しますが、まだまだ時間がかかりそうなので再び強襲を実施します。ピンゾロで強襲は成功しましたが、効果は今一歩。さらに指揮官の戦死となったので悩んだ末に甲賀源吾を失わせます。

 

 ただ、強襲のチット削減の影響も僅かはあったのか、新政府軍の到着までは時間がかかり5ターン目に入りようやく青森に到着となります。

 

 残り2ターンと比較的順調ではありましたが、6ターン目に新政府艦隊は守りの手薄な太平洋側へと展開します。

 

 鷲ノ木から上陸した黒田清隆に対しては土方が逆に海上へ追い落とすほどの奮戦を見せましたが、砂原方面に配置していた守備隊はもともとの戦力に乏しく防ぎきることが出来ません。とはいえ、大鳥と2度にわたって登場したカクレ台座によって何とか遅滞戦闘に成功し、五稜郭目前まで迫られたものの五稜郭への攻撃は行われませんでした。

 また、海軍の戦闘は絶好調で2度に渡る海戦に勝利したことで、新政府艦隊を青森へと追い返しこのターンにはそれ以上の上陸は許しませんでした。

 

 そんなこんなで最終ターンとなります。このターン、配置換えで手薄になった日本海側へ狙ったかのように新政府軍が上陸を仕掛けてきます。史実とは大鳥と土方の配置が逆になっていますが、結果もそのまま逆になり大鳥の守る二股口は突破を許してしまい、土方の守る木古内はしっかりと守りきる結果となりました。

 各戦線、海上ともに何とか抵抗を見せましたが、ターン後半になると新政府軍による2方面からの五稜郭攻撃にみるみるうちに威信も下がっていきます。資金も切れて最後には五稜郭陥落が先か、チットが尽きるのが先かという状況になりましたが・・・

 最終的にはチットの方が先に尽きたため旧政府軍の勝利となりました。ただ、得点的には終盤の五稜郭攻撃がかなり手痛く低めの3点という結果でした。 

 

○評価

 旧幕府軍を率いて蝦夷共和国を樹立し、新政府軍による反撃から蝦夷の地を守り抜くことを目指すソリティアゲームです。

 新政府軍は様々なイベントなども含まれたチットによって行動し五稜郭へ通じる5つの道を進軍してきますが、これに対して旧幕府軍も部隊を展開し如何に五稜郭に近づけずに撃退するかというタワーディフェンスのようなタイプとなっています。手持ちの部隊がちょうど5つなのでそれぞれの進路に配置することになりますが、部隊によって戦力に差がありどこに配置するかというところや、イベントによってはいくつかの防御設備も配置できるためこれらの組み合わせも大切となってきます。

 ちなみに、蝦夷という本州から離れた土地柄で新政府軍は海軍を用いなければ陸軍を上陸させることが出来ないため、陸軍の配置と同様に海軍をどこに展開して新政府海軍を迎え撃つかというのも重要です。ただ、史実において本格的な開戦前に沈没していた開陽を含めると海軍力は互角といえますが、海戦システムなどから開陽は沈没しやすく反対に新政府軍の主力艦甲鉄は特殊な条件を満たさない限り沈没しないため、海戦を繰り返すことで海戦力に差がつきやすくなっています。五稜郭への最短ルートである函館湾へは海軍の戦力差が少ないうちは攻めてこないため函館湾に固定配置して確実に守っておくか、それとも積極的に上陸阻止のために出動させるのかの判断は悩ましくなっています。

 また、資金についてのマネジメントも考えどころとなっており、初期の手持ち資金以外は住民からの徴税頼みとなっており、各ターンに獲得できますが多くを獲得しようとすると住民の反発を招きやすく、住民に配慮するとなかなか多くを集めることが出来ません。しかも、そうして獲得した資金は陸軍海軍のそれぞれに分配をしておかなければ活用が出来ないうえに、ある程度保持をしていないとターンの最後に維持費不足で部隊が損耗してしまいます。しかしながら、陸海軍は行動するたびに資金の消費が必要で、それを避けようとパスをするとそれ以後は行動が取れなくなり、新政府軍の一方的なアクションとなってしまいます。序盤はともかく、ゲームの後半になると新政府軍の行動(チット)の回数が大きく増えるため、これに最後まで対応できるようにすると莫大な資金が必要でどこかで見切りをつけなければならず、このあたりの判断は難しいところだと思います。

 大きく気になったところはなく、新政府軍の来襲に備え住民の反発を覚悟しながらも掻き集めた資金を何に投資するか、函館戦争にまつわるイベントや要素も盛り盛りで面白い内容になっていたと思います。  

 

 

 ここで時間となり本日は終了となりました。

 

後半に続きます。

 

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