自宅ゲーム会383 前半 The Fog of War | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和3年10月16日

 

 さて、今週はちいと2人でのゲーム会で、和訳が終わったのでプレイする気満々で楽しみにしていた本タイトルをプレイです。

 

☆The Fog of War

○概要

作者:GeoffEngelstein

対象年齢:10歳以上

対象人数:2人

標準時間:90-120分程度

 

 第2次世界大戦における欧州戦線を扱ったウォーゲームライクなゲームで、枢軸軍と連合軍の争いを描いています。

 

①セットアップを行いゲームを開始します。

②手番にはオペレーションホイールを回転させ、アクションを任意の順に任意の回数実行します。

③アクションには「オペレーションの作成、起動または解散」「作成済みのオペレーションもしくはディフェンススペースにカードの追加」「膠着にカードを追加」「情報アクションの実行」があります。

④オペレーションは攻撃目標となるエリア及び投入する戦力をオペレーションホイールに配置して計画します。6つあるオペレーションは手番毎にひとつずつ進み。2手番後からホイールが1周するまでの間の任意の手番に起動することができます。同じ手番中に複数のオペレーションを起動することも可能です。

⑤目標となったエリアではオペレーションに配置されているカードの戦力とエリアのディフェンススペースに配置されているカードの戦力を比べ戦闘結果を判定します。

⑥アクションを終えると情報アクションを実行できます。アクションフェイズ中よりも低いコストで実行できます。どちらの情報アクションでも諜報力をより多く投入することで妨害をすることが出来ます。

⑦情報アクションが成功となった場合、目標となったカード(オペレーションやディフェンススペースなど)の半分を確認することができます。

⑧手番の最後にカードを3枚になるまで補充します。どちらかが補充ができなくなると冬となり防御側に冬季ボーナスが入るようになります。

⑨両方のプレイヤーのデッキと手札が尽きるとターンが終了し、ドイツ軍は得点を獲得します。

⑩資源量と工業力から生産ポイントを獲得し、それらを使ってカードの補充や諜報力や工業力の強化、勝利点の購入(これはドイツ軍のみ)が行えます。

⑪このタイミングでのみディフェンスエリアに配置された戦力の回収が行え、翌年にむけたデッキの構築を行います。

⑫これらを繰り返し、ドイツ軍が規定点に達するとドイツ軍の勝利、連合軍がドイツ本土の両エリアを支配すると連合軍が勝利となります。ゲーム終了時までどちらも勝利できなければ、ドイツが勝利条件カードを公開し、該当の2エリア両方を確保していればドイツが、確保できていなければ連合軍が勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が枢軸軍、ちいが連合軍でゲーム開始時の様子です。連合軍がパリに戦力を集中させた場合、エジプト攻略もしくはスカンジナビア経由でのイギリス電撃戦などと考えていましたが、連合軍は多方面に戦力を展開したため、史実どおりパリへ進軍します。ドイツ軍の初期デッキに含まれる主力を集中投入した一撃でパリは陥落となり、フランス領は全て枢軸のものとなります。

 

 続くターン、スカンジナビアへ侵攻することでイギリス本土の防衛へ戦力を割かせておいて、主力はエジプトへ投入しこちらも陥落させます。逆に連合軍も旧フランス領への上陸を狙って来ましたが、上陸作戦のボーナスと幸いその頃には冬になっていたことで膠着となり、たまたまその直後にドイツ軍が上陸の基点となった海上エリア攻略を狙っており、攻め落としたことで上陸部隊の補給が切れなんとか防衛に成功します。

 

 

 3ターン目開始時の様子です。連合軍は諜報力で勝るドイツの情報を得ることができず、本土を守るかソ連を守るかという状況になりましたが、イギリス方面の防備を整えていたため、ドイツ軍の主力はソ連に差し向けます。

 

 ドイツの主力で前線を突破すると、後方にはほとんど守りがおらずモスクワ、レニングラード、スターリングラードの主要都市はあっさりと陥落します。このおかげもあって勝利点も大きく上昇し、続くターンである程度守れば勝てるという状況までもっていきます。

 

 しかしながら、そうして向かえた第4ターン。諜報力に勝る枢軸軍は情報アクションに成功し連合が計画する複数のオペレーションの情報を獲得したのですが、どれも投入戦力のみで目標エリアの情報を獲得することができず。やむを得ず、西部戦線を中心に防備を固めていましたが、完全に逆方向、ウラルを基点にオペレーションを開始されてしまい、手薄な東部戦線が突破されそのまま無防備なドイツ本国が陥落します。これによって勝利条件を満たした連合軍の勝利となりました。

 

○評価

 第2次世界大戦における欧州戦線を扱った戦略級のウォーゲームとなります。通常のウォーゲームであればエリアなりヘクスなりにユニットを配置しそれらを動かすことで戦闘を進めていきますが、本作では盤上にまったくユニットが存在せず(ボード上においてあるのは支配マーカーくらい)、攻撃側がオペレーションとしてセットしている侵攻目標及び投入戦力に対し、防衛側がその目標となるエリアのディフェンススペースにあらかじめ配置している戦力との数値を比べて戦闘を解決していくというのは特徴となっています。

 また、オペレーションをプロットするオペレーションホイールの仕組みも特徴的で、ホイール上に各手番ひとつずつ最大で6つまでオペレーションをプロットすることが可能となっています。手番毎にホイールはひとつずつ回転していき、最初の2つ(プロットした手番と続く手番)は起動できませんが、残りの4手番の間は任意の手番で起動できますし、さらには複数のオペレーションを同一の手番に起動することができるというのが面白いところで、いくら攻撃計画を立てたとしても実行までにはタイムラグが生じるという反面、タイミングを合わせて複数のプロットを実行していくことで前線を突破し守りの薄い後方へ一気に侵出することも可能となっています。とはいえ、それだけの間プロットを温存する場合、基点となるエリアが先に攻め落とされたり、途中の攻撃が失敗すると起動ができなくなってしまい、その手数と配置した戦力が無駄になってしまう可能性もあります。あわせて、防衛は防衛で相手の攻撃目標を見極めながら戦力を配置しなければなりませんが、一旦配置した戦力はターン終了時まで回収できませんし、防衛に配置した戦力は攻撃に使用出来ませんので、どこに配置するかそもそも戦力を配置すべきかというのも難しいところです。情報アクションによって一部が確認できるとはいえ基本的にはこれらを全て隠匿して行うためダミーも含めどのように戦力を使っていくか、お互いの動きを見据えながらの駆け引きが非常に考えどころとなっています。

 ちなみに、情報アクションで相手の伏せたカードを見ることが出来るのですが、基本的にその中の半分、しかも何を見れたのかが持ち主にはわからないという仕組みはなかなかいいですね。

 あとは、デッキマネジメントも重要な要素となっており、配備したカードを回収したり生産によってカードを追加することで毎ターンデッキを更新していきますが、各手番にはその中から手札上限3枚の範囲で使用することになります。多くのカードをデッキに入れればそれだけ複数のオペレーション立案が行えますし、総合的な戦力も多くなることになります。ただ、強力な戦力を持つカードが出にくくなるため、短期的には強力な戦力がそろえにくいという状況になりますし、どちらかのデッキがなくなった時点で冬となり防御側に補正が入るため、強力な戦力だけでデッキを固めしたいことだけしてあとは守るという短期作戦が悪い選択ではないのも難しく、どの程度の戦力を含めたデッキを構築するかというも悩ましいところです。

 全体的に特徴的な仕組みのオンパレードという感じの独特なゲームではありますが、ルール自体の難易度はそこまで複雑というわけでなく、計画的プロット&情報隠匿による相手プレイヤーとの駆け引きが非常に悩ましく面白いゲームとなっていると思います。大きく気になったというところはありませんが、強いていえば一瞬の隙が大突破につながる可能性もあり終始緊張がつきまとうので、この点が心理的に重たいというところはあるかもしれませんね(そこがいいのですがw)。

 

 

 後半に続きます。

 

 

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