自宅ゲーム会370 後半 戦国大名 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和3年8月14日

 

 午後になるとしょうが到着し、ここからは3人でのプレイとなりました。

 

☆戦国大名

○概要

作者:黒田幸弘

対象年齢:12歳以上

対象人数:1-8人

標準時間:30分程度~(シナリオによりけり)

 

 戦国時代の大名のひとりとなって自勢力の拡大を目的としたマルチ系のゲームです。

 

①シナリオを選択しセットアップを行います。

②ターン毎に手番順をランダムに決定します。

③吉凶札を配布し、イベントであれば処理を行います。

④資金を国に投資し、その国における勢力を上昇させることができます。その上で、国毎に勢力を計算して部分支配や完全支配といった支配状況を確定させます。

⑤支配地域に応じて収入を受け取ります。

⑥支配地域内の中立勢力に武将を派遣し服従工作を行うことができます。

⑦手番順に軍を行軍させます。行軍にはそれを率いる武将とそのための費用が必要となります。

⑧全プレイヤーの行軍終了後、国の中に複数の勢力が存在していると戦闘となります。

⑨戦闘には野戦や篭城している敵軍を即座に攻撃する強襲、時間をかけて陥落を狙う包囲が行えます。野戦や強襲においてはダイスにより損害を判定します。

⑩行軍と戦闘はひとつのターンに2巡繰り返します。

⑪戦闘を行わなかった武将は築城を行い、城の建設や強化を行うことができます。

⑫ターンの最後に武将の登用と兵士の徴兵及び再配置を行うことができます。

⑬プレイヤー間で同盟を結ぶことができ、同盟は行軍や合戦、支配地域の確認などに影響を与えます。

⑭これらを繰り返し、シナリオごとの勝利条件を満たしたプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 シナリオはプレイ人数に応じて色々用意されていますが、今回は大友、龍造寺、島津が九州の覇権を争う3人用のシナリオ「九州三国志」を選択し、管理人が島津(黄)、ちいが龍造寺(緑)、しょうが大友(紫)を選択しています。マップ上に配置されている白は中立勢力の要塞となります。

 

 

 序盤、各国とも支配圏の中立勢力を撃破し完全支配を目論みます。ただ、元々の国力が高く明貿易の拠点となる筑前に中立勢力が発生しなかったため易々と完全支配にもっていった龍造寺が他の勢力に勝る資金力で優位に立ちます。また、人材面においても、他の勢力が京極高知、鳥居元忠だの微妙な人物を引く傍らで小早川隆景を引くなど優秀な人材も確保していきます。

 

 一方で、高い経済力をもつ豊後を拠点にし、初期から最強の武力をもつ立花道雪を登用している大友家も一歩遅れながら近隣地域の支配を完了させ龍造寺に対抗するための準備を進めています。ただ、我が島津は最初に登用した鳥居元忠が完全支配に進めたばかりの日向で謀反を起こしたこと、さらに日向の謀反を鎮めた直後に本拠地薩摩で反乱が起きたことなどで大きく出遅れます。

 

 そうこうするうちに龍造寺が大友の豊前に侵入します。いくら立花道雪とはいえ多勢に無勢で豊前は龍造寺の手におちることになります。龍造寺は、勝利条件となる国力まで後少しという状況でした。

 

 ただ、その直後の登用において大友家は軍師真田雪村(総大将の武力を上げる能力を持つ)を登用します。立花+真田の能力はかなり強力で、このあと肥後に侵入してきた龍造寺軍を撃退、さらには反撃とばかりに筑後に攻め込み野戦において何故か龍造寺に組していた立花宗茂(道雪の義理の息子)を始め数名の武将を討ち取ったことで龍造寺の勢力は大きく弱体化します。

 

 立場が一転し大友有利な情勢の中、ここまで両勢力から放置されていた島津でしたが豊作が続いたおかげでようやく北侵できるだけの戦力が整ます。そこへ、タイミングよくひいた吉凶札のイベント判定に成功し大友の本拠地である豊前を守っていた京極高知が島津へ寝返り一気に勢力バランスが変化しました。

 

 龍造寺に主力を攻め込ませていた大友、相次ぐ連敗で多くの武将を失い君主の龍造寺隆信のみとなっていた龍造寺と寝返りのタイミングが非常に良く、どちらも有効な対応が行えないまま国力を減らすことになりました。

 

 最後は、この両勢力の手薄な国を攻め落とし、規定の国力を達成したことで島津の勝利となりました。

 

○評価

 戦国大名となって有力な家臣を募り富国強兵に努めて天下統一を目指す、ざっくりいえば「信長の野望」をアナログゲーム化したようなマルチ系のウォーゲームとなります。マップは南は九州から北は東北までほぼ全国を網羅しており最大16人でプレイ可能(ゲームには8人分のコマしか含まれていないので2つ必要)となっているのは凄いですが、シナリオに応じて今回のような3人など幅広い人数が対応できるというのはいいところですね。

 ちなみに、マップは国単位で分割をされていますが国を直接取りあうのではないというのが面白いところで、ひとつの国に複数の勢力が存在でき、国内での勢力によって支配状況が決まるとなっています。敵対勢力がいなければ比較的容易に支配に持ち込めますが、敵対勢力がいるうちはなかなか支配に持ち込めず収入などへも影響が出るため、地元勢力への調略は有効で、勢力を上手く調整しながら如何に自国の安定を図りながら敵国の支配を揺るがしていくかという駆け引きは悩ましくなっていると思います。

 また、国力からもたらされる資金が唯一のリソースとなっていて分かりやすくなっており、これを武将の雇用、兵力、築城、調略などに割り振っていかなければなりません。特に国力を超える規模の兵を編成しようとする場合に発生する追加コストや行軍に伴って発生する移動コストなど大規模な軍事行動をとるにはかなりの資金が必要で、これらをどのようにマネジメントしていくかというのは考えどころとなっています。

 あと、毎ターンの最初に吉凶札を引かなければなりませんが、良し悪しのイベントが混在で武将の裏切りや反乱の発生などタイミングによっては非常に大きな効果を発するものがあります。この辺りは好みはあると思いますが、大きく戦況が動くことも多く膠着を防ぐためのエンジンのひとつとしては十分ありだなという印象です。

 一方で、国の支配を安定させるために築城による城の強化が有効なのですが、レベルの高い城はそう簡単には落ちずどうしても膠着を招きやすくなってしまいます。一応、上記の通りそれを崩す吉凶札がありますが、これは引き運にもよるためこれだけだとそれが出るまでにやはり膠着がおきかねません。武将の内政能力の必要性がほかの能力に比べて薄いところもあって、それを補う意味でもレベルの高い城を作るために内政能力が必要(結果として築城の上限が下がったりや築城のペースが遅くなる)というバリアントは導入してもいいのかなと思います。

 その他、ルールなど慣れるまでは多く感じるところもありますが、全体的に大きく気になったというところはなく、とりあえず吉凶札のイベントに振り回されながらのマルチらしい殴り合いというか駆け引きがとても面白いタイトルになっていると思います。

 

 

 ここで時間となり、本日は終了となりました。

 

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