令和2年3月20日
前半はボードゲームをプレイしていましたが、2人ということもありここからはウォーゲームです。
☆日露大戦
○概要
作者:中黒靖
対象年齢:12歳以上
対象人数:2人
標準時間:90分程度
日露戦争における陸戦全体を扱ったもので日本軍、もしくはロシア軍を率いて戦争を勝利に導くことを目的としたゲームです。ちなみに、もともとは「ウォーゲームハンドブック2011」に付属していたタイトルで、ボンサイゲームズさんから再販されるにあたり海戦のユニットやルールが選択ルールとして追加されています。
①ターン毎にロシア軍、日本軍の順に手番を行います。ただし、第1ターンのみロシア軍の手番を飛ばします。
②手番になると手札の上限までカードを補充します。この時、士気を減少させて追加で上限のうわに1枚受け取ることも出来ます。
③手番プレイヤーのユニット全てを移動させ、戦闘を行います。
④戦闘は参加したユニットの戦闘力の差をもとにダイスによって損害を判定します。
⑤イベント等として戦闘や移動など特定のタイミングで使用するもの以外は戦闘後のカードプレイフェイズにカードを使用します。カードは書かれたイベント以外に、「攻撃支援(戦闘時に戦闘力の追加)」「強行軍(移動か戦闘のどちらかを追加で実施)」「戦略移動(鉄道、道路移動)」「輸送(日本の本土、ロシアのヨーロッパからユニットを移動)」「再編成(ロシアのみ除去されたユニットの復帰)」として使用することが出来ます。
⑥ターンの最後にそのターンに両軍とも除去されたユニットの数に応じて士気判定を行います。
⑦補給源へクスを占領するか、相手の士気を0にすることで勝利となります。ゲーム終了時までどちらも勝利条件を満たせていない場合ロシア軍の勝利となります。
※通常ルールの場合です。
○プレイ経過
管理人が日本、ちいがロシアでゲーム開始時の様子です。日本軍は盤外エリアに配置があるのみ(朝鮮半島からはすぐに出撃できますが)で、地点地点にロシア軍が配置されているという感じです。
最初のターン、補給源の近くにいるロシアユニットを一撃で粉砕し、士気を消費して追加獲得したカードも含め4枚全てを消費し各港にユニットを輸送しています。
2ターン目。中央と東のユニットはそのまま遼陽あたりを狙って道路を北上。西のユニットは南山のユニットを撃破し、そのまま旅順に向かいます。
3ターン目。旅順方面へは追加で援軍を輸送しておき旅順攻略に取りかかるところです。東側でも遼陽まで接近しています。ただ、遼陽の西にある海城にエリート兵が配置されており、微妙に攻めにくい状況ではあります。
旅順攻略は万全を期すため旅順守備隊のZOCを無効化して包囲し、4ユニットで攻めかかり陥落させます。あわせて、「旅順艦隊」が「機雷」(どちらもカードのイベントとして効果)で壊滅したこともあって、ロシア軍の士気は残り3と大きく下がります。
続くターン。旅順攻略部隊はそのまま苦戦する海城へ向かわせますが、距離と微妙に障害地形があって移動には手間取ります。この間、遼陽に攻め込むと思った以上にあっさりと遼陽を陥落させることに成功します。これでロシア軍の士気は残り2でこのまま押し切れるかと思いましたが・・・
ロシア軍の反撃から遼陽を守るには戦力が不足しており、遼陽は再びロシア軍の手に落ちます。
後方から増援が到着したロシア軍の反撃により、遼陽方面軍は徐々に後退せざるを得ないという状況です。その一方で、旅順攻略部隊がようやく海城付近に到着します。この2ターン、日本軍は士気判定は立て続けに失敗し、士気は2まで下がりロシア軍と並びます。
この状況で、南側は防がずにそのまま一気に補給源まで下がり、ここだけは何とか防ぐ構えを取ります。そして、営口(旅順艦隊がいなくなれば輸送が出来る)へ残り少ない本土のユニットを回して、補給源が落ちる前に西側から遼陽を攻略しあわよくば損害で士気を下げるという作戦に出ます。
ロシア軍も防衛ラインを敷いて日本軍を防いでいますが、日本軍はここで士気を減らして手札を追加し勝負に出ます。上手く行けばこのターンで遼陽が狙えたのですが、ロシア軍のイベントにより足が止まりそれは失敗となりました。ただ、この時の損害で士気判定に失敗したロシア軍も残りが1とぎりぎりのところです。
最後は、日本の補給源を攻撃してきたロシア軍を何とか撃退し、遼陽ではロシア軍に攻勢をかけて遼陽を奪取することに成功します。これを受けてロシア軍の士気が0となったことで日本軍の勝利となりました。
○評価
簡単なルールと手軽なプレイ時間という制限ながら奥深いゲームの製作をしていた翔企画SSシリーズの21世紀版を目指してゲームを制作されているボンサイゲームズさんのタイトルです。「300(「自宅ゲーム会178 後半の後半」を参照。)」を始めとするボンサイゲームズさんの他タイトル同様、ウォーゲームとしては手軽で、その場でルールを読んでプレイすることも容易、ゲーム自体も1時間程で決着がつくくらいの高いプレイアビリティは魅力のひとつなっています。
基本的なシステムは手番毎にユニットの移動及び戦闘というシンプルなものですが、そこに様々な使い道のあるカードという要素が加わっています。それぞれのカードをイベントとその他のアクションでどのようにの使い分けるかが考えどころとなっているものの、いわゆるカードドリブンとは異なりカードはより効率的、効果的な行動を行うための補給物資のような位置づけという印象です。ちなみに、毎ターン手番の開始時に上限まで手札が戻るということもあって、手番ごとには手札を全て使っておきたいところですが、例えば「旅順艦隊出撃(次手番の日本軍の手札上限を下げる)」に対する「機雷(無効化して士気を下げる)」のようにイベント効果には強力なものが多い反面、そのアンチカードというのも準備されているため対策としては保持しておきたいものもあります。全く手札がないという状況は相手からするとイベントを使いやすくなるということもあり、ターン終了時にどの程度保持しておくかというのはとても悩ましいところです。
また、相手の士気を0にするということが勝利目的となっており、期限内に日本軍は勝利条件を達成しなければなりません。南部から侵入する日本軍にとって西の旅順と北の遼陽、奉天が目標となり、西の旅順では初期ではそれほど戦力が配置されておらず、上手く進めば重要拠点の占拠と旅順艦隊を壊滅させることが出来ますが、その分北が手薄となり増援によって守りが固められてしまいます。北に向かうと、遼陽、奉天という重要都市だけでなく敵ユニットも多いので損害による士気低下や補給源の奪取も視野に入るものの、旅順が陥落しないと旅順艦隊の存在や鉄道による旅順方面を経由した戦略移動など心配なものもあります。実際はそれぞれに戦力を分配することになると思いますが、どちらに重点を置いてどの程度の分配を行っていくか、そしてロシア軍にとっては日本軍の動きにどのように対応していくかというも考えどころです。
大きく気になったところはなく、ルールの容易さや使用されるユニットの数のイメージからすると、カードやユニットの運用は思った以上に悩ましく、両軍ともにしっかりと駆け引きの楽しめるとても面白いゲームになっていると思います。
☆エクストラクターズ
○概要
作者:KarolySzigetvari
対象年齢:12歳以上
対象人数:2人
標準時間:60分程度
潤沢な資源を持つ惑星ドリアナ星系を舞台に、自立型無人兵器を送り込み侵略を狙うアヴロニアン星人と、装甲車両などを用いて侵略者の撃退を目的とするドリアナ星人の争いをテーマにしたウォーゲームです。
①プレイするシナリオと担当する勢力を選択しセットアップを行います。シナリオごとのポイントに応じて(決まっているシナリオもありますが)ドリアナ軍は使用するユニットの編成を、アヴロニアン軍は兵器の武装等を決定していきます。
②ターン毎にドリアナ軍、アヴロニア軍と手番を行います。
③手番にはそれぞれユニットの移動及び攻撃を行います。
④アヴロニア軍の兵器にはそれぞれ移動と攻撃の2種類に分けて3ターン分の作戦が設定でき、その作戦に基づいてユニットを動かします。ターンが経過する毎に徐々に作戦を公開していき、4ターン目からは公開されたサイクルを繰り返します。移動と攻撃を中止し作戦を割り当てなおすことも可能です。
⑤ターンを繰り返し、シナリオ毎に設定された目標を達成した勢力が勝利となります。
○プレイ経過
初プレイということで練習シナリオ「奴らは来た!」を管理人ドリアナ、ちいアヴロニアでプレイします。このシナリオはドリアナ軍はアヴロニア軍からの逃亡を目指し、アヴロニア軍はドリアナ軍の全滅を狙います。
ちなみに、最初はドリアナ軍でスタックを組み攻撃で倒すというのを狙ってみましたが、1スタックでは倒すことは難しく逆に返り討ちに。ということで、あらためて素直に逃亡することとしています。
手前に向けて逃亡するドリアナ軍です。降り注ぐアヴロニア軍の攻撃をくらって動揺したり足止めされたりしながらも、壊滅するユニットなしで半分くらいまでようやく逃げてきたところでしたが・・・
この辺りから順次被弾し除去されていきます。
壊走した部隊が南端に到達したものの、壊走による退却はカウントしないので惜しいところ。残ったユニットを撃破され、アヴロニア軍の勝利となりました。
○評価
※現在のところ練習シナリオしかプレイしていない状況で書いています。今後別シナリオをプレイして変更があればまた追記などがあるかもしれません。
装甲車両に支援された歩兵師団で構成されるドリアナ軍と無人巨大兵器を運用するアヴロニア軍という非対称な勢力による戦争をテーマにしたウォーゲームです。
ドリアナ軍の方は車両に向きなどの要素があったりするもののそれほど変わったところはありませんが、アヴロニア軍の方はAI操作ということでユニット毎に設定された作戦に基づいて行動するというのが特徴となっています。兵器たちの行動は3ターン分を設定しそれを繰り返して動くので、戦況を予測しながら作戦を立てておかなければ予定外のところに向かったり、対装甲、対非装甲の兵器を適切な目標に使用できなくなったりと、作戦の変更には一度行動を中止しなければならないということもあって、どれだけ強力であったも苦戦は免れません。このため、兵器の装備やユニットの位置などをもとに、どのような作戦を立てていくかというのは考えどころとなっています。ちなみに、作戦の中には「自爆(ユニットの除去と引き換えに周囲に強力な攻撃を行う)」というのもあり、装備を最低減しか載せず最初から自爆させるつもりのユニットを作るというのもありかな。
また、そういうシステムということもあってドリアナ軍が20ユニット近く(シナリオや選択したユニットによって増減がありますが)を運用するのに対して、アヴロニア軍は最大でも5ユニットしか使用せず、強力だけど少数のアヴロニア軍と弱いながら数の連携で立ち向かうドリアナ軍という対比も面白いところだと思います。
一方で、ユニットの性能(兵器ごとの射程距離による補正や移動手段など)などは細分化されており慣れるまでは常に一覧での確認が必要でこのあたりが少し手間というのはありますね。
ついでに、今回のシナリオだとアヴロニア軍は1ユニットのみでしたが、最大の5ユニット同時に作戦の立案などとなるとやはり大変で、時間もかかりそうな感じです。
というわけで、少し気になるところがなくはないものの、特徴の異なる2つの軍の戦闘というのがなかなか面白そうなゲームになっていると思います。
ここで時間となり、本日は終了となりました。