自宅ゲーム会238 後半 トゥパマロ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年11月2日

 

 さて、休憩を挟んで後半になりますが引き続き2人でウォーゲームをしています。

 

☆トゥパマロ

○概要

作者:BrianTrain

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:90分程度

 

 南米ウルグアイの首都モンテビデオを舞台に、1968年から1972年にかけて勃発した都市ゲリラのトゥパマロと政府との争いをテーマにしタイトルです。

 

①トゥパマロ、政府のどちらを担当するかきめセットアップを行います。政府側はダイスを振り、内戦が起こるまでのリミットを秘密裏に決定します。

②ターンの最初にダイスを振りランダムでイベントを発生させます。

③APを消費してトゥパマロは部隊の新設及び配置を行い、政府軍は部隊の新設及び訓練や配置、情報屋の配置を行います。

④作戦フェイズに入ると、トゥパマロプレイヤーから先に任務を行います。任務はトゥパマロが「プロパガンダ」「ストライキ」「強盗」「誘拐」「脱獄」「情報屋の抹殺」「脅迫」があり、政府側は「諜報」「非常線と捜索」「対応(トゥパマロのアクションへの反応)」をAPを消費して行います。

⑤両方が続けてパスを行うと作戦フェイズは終了です。侵入者や情報屋といった一部のユニット以外はボードから手元に戻します。

⑥次のターンのAPを各エリアからの支持とトゥパマロは戦闘員の数、政府は経済レベルに応じて算出し獲得します。

⑦政府側は税率を変更でき、率が高くなればなるほどターン毎に獲得できるAPは増えますが経済レベルの減少率は上がります。また、経済レベルを消費することでエリアの支持を上昇させることが出来ます。

⑧自陣営と敵陣営を支持しているエリアの差、トゥパマロ側のみ収監されている戦闘員の数に応じて政治支援レベルが下がります。政府の政治支援レベルが一定以下になると自発的に内戦を発生させることが出来ます。

⑨最後に政府側の陸軍、警察、政治家のモラルが条件に応じて変動します。モラルが一定値を下回るとその組織の危機が発生しイベントが起こります。危機が最初に定めたリミットに到達すると内戦が勃発します。

⑩内戦が発生すると、作戦フェイズで政府が任務を行う政府の政治支援レベルが減少しますが、トゥパロマ側の手元の安全ゾーンが安全ではなくなり通常のひとつのエリアとみなして作戦が実行できるようになります。

⑪相手の政治支援レベルを0にすることで勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。左のマップは9つのエリアに分かれており、これらのエリアに戦闘員を派遣します。右のトラックが色々あるボードでは、政治支援レベルやAP管理を行うトラックや、政府側の予備プール、トゥパマロ側の安全エリアなどがあります。

 

 とりあえず序盤は政府のユニットのランクが低く、トゥパマロ側への妨害もなかなかうまく行かないといった感じで、トゥパマロ側がプロパガンダや政府の要人を誘拐し政治支援レベルやモラルの低下を狙います。

 

 しかしながら全体的に任務判定のダイスが低調。各エリアにある5段階のトラックがそのエリアからの支持で、APの獲得や政治支援レベルの獲得と影響が大きいのですが、経済レベルと引き換えに上昇させられる政府に対して、トゥパロマ側はプロパガンダのダイス判定で6が出れば上昇1なら減少となっており、今回はプロパガンダの判定に1が出ることが多く、だんだんと政府側へ傾いていきます。 

 また、戦闘部隊は任務の判定によっては壊滅することがあり、それによって軍や警察のモラルが上昇するためなかなか危機が起きるようなモラルまで持っていけません。

 

 途中からは作戦を変更し、政府のAPの源のひとつである経済レベルをストライキにより下げることを狙い割と上手く進むのですが、上記のとおりエリアから受け取るAPが増加傾向でそれほど動きが鈍くなる様子がなく、どちらかといえば後半になって訓練されたユニットに戦闘員が捕まることも増えてきたトゥパマロ側が減少傾向という感じです。

 

 そんな中、エリート部隊による捕縛作戦により多くの戦闘員がつかまり、強固な警護に脱獄もなかなかうまく行かずといったところで、一気にトゥパマロ側の政治支援レベルが下がりだします。(収監された数に応じて減少。)

 

 政府側が残り少ない経済レベルを親トゥパマロエリアの支持改善に投資したこともあり、トゥパマロ側のAP不足も加速。負のスパイラルから抜け出すことは出来ず、政治支援レベルがなくなったことにより政府の勝利となりました。結局一度も危機が起こることがなかったのですが、ちいに確認すると内乱のリミットは10回だったとのこと、うん今回の調子じゃ無理w

 

○評価

 南米ウルグアイにおける政府と非政府組織トゥパマロとの対立をテーマにしたゲームです。トゥパマロ側は積極的にしかしながら主要な人物の正体を隠しながら政府のAPや政治支援レベルを下げるように活動し、政府はトゥパマロが安全エリアから活動に動き出したところを上手く捕縛したりばらまきにより各エリアの支持を集めることでゲリラの弱体化を目指すと、それぞれがらしいアクションによってモンテビデオ内で勢力を争うこととなります。特に、ストライキや脅迫といった強力な任務と主導権を持つトゥパマロ側はこれらをどう発動させるか、政府はトゥパマロの狙いに対応してどう防いでいくか、強力な任務や柔軟な防御線の構築ほどAPが必要となるので、その下地作りや獲得したAPをのマネジメントが考えどころとなっています。

 また、政府の各機関のモラルを減少させ危機を起こすことでトゥパマロ側の有利なイベントが起きるのですが、ゲーム開始時にランダムに決定されトゥパマロ側にとって非公開の回数の危機が発生すると内戦が勃発してしまいます。政府にとっても政治支援レベルの減少速度が高まるので一概にいいとはいえませんが、トゥパマロにとっては内戦が起こると安全ゾーンがなくなり戦闘員の捕縛の可能性が大きく上がるため大きく不利な状況へと陥る可能性が高く、このあたりをどう考えていくかというのも悩ましいですね。

 一方で、各エリアがどちらの勢力を支持しているかという影響はAP、政治支援レベルのどちらにおいても大きくなっているのですが、経済レベルと引き換えに上昇させることの出来る政府に比べると、トゥパマロ側はプロパガンダの任務で上昇させるしかない割にこの任務は出目の修正がないため完全にダイス運で上昇させなければなりません。しかも、出目によっては減少もあり、確率的にどちらも同じとなると容易に上昇させることは難しくなっています。また、トゥパマロ側の任務は結果として戦闘員の壊滅の可能性もあり(戦闘員の数もAPの要素)、運の要素が少なくない上に一度形勢が不利に傾くと建て直しが非常に難しいという印象で、このあたりのバランスが気になりましたね。

 あと、モラルは3つの機関のそれぞれで設定されていますが、政治家に比べると軍部や警察のモラルはトゥパマロ戦闘員の壊滅に加え経済レベルを投資することで上昇するためそう簡単に下がらないという印象です。両者は低下することで有効なユニット数は下がるものの影響はそれほど大きくなく、危機が起こった際に下がる政治支援レベルも政治家の危機に比べると見劣りするのであえてこれらのモラルを下げる必要があるかというといまいちなさそうなところも気になったかな。ちなみに、モラルを下げる主要手段である脅迫はクーデターと同じAPとなっており手順的にはクーデターが多少手間なものの効果の確実性ではクーデターの方が強いため、内戦のリスクも踏まえると脅迫の有効性がいまいち疑問というところもなくはないです。

 とまあ、まだ1回プレイしただけなので要検証のところもかなり多いですが、バランス的に色々と気になるところはあります。あわせてテーマ的にも日本においては(おそらく)かなりマイナーであえて興味をもってというのが難しいとは思うのですが、反政府及び政府それぞれのらしい駆け引きというのは感じられ、なんだかんだと楽しめたかなという印象のあるゲームでした。

 

 

☆小牧・長久手の戦い(ウォーゲームハンドブック2018)

○概要

作者:じんぼただとし

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 信長の後継者として順調に地盤を固める羽柴秀吉と、織田信長の息子である信雄、秀吉に対抗しうる勢力を保持する徳川家康の連合軍との戦いである小牧・長久手の戦いをテーマにしたウォーゲームです。

 

①ターン毎にきめられた数の命令チットを準備し、ランダムに1枚づつ引いていきます。

②命令チットを引き、該当の勢力がユニットをひとつ移動させます。これを命令チット長くなるまで繰り返します。

③命令チットがなくなると、毎ターン最初に命令チットが引かれた勢力が主導権側となり、戦闘の組み合わせを決定します。

④両軍のコマが隣接している場合は必ず戦闘を行わなければなりません。戦闘は参戦したユニットとダイスにより損害が判定されます。

⑤5ターンが経過した時点で支配している城と砦の数に応じて勝敗が判定されます。また、織田信雄、羽柴秀吉をそれぞれ除去すること、羽柴側のみ岩崎を支配してマップ外に突破する、清洲城を支配するといった条件により勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が織田徳川連合軍、ちいが羽柴を担当しています。ゲーム開始時は撮り忘れており1ターン終了時の様子。

 最初のターンは羽柴側がチット5枚というのに比べると徳川は3枚で守勢に回ることになりますが、先にチットを引けたので楽田砦(榊原康正がいる場所)をおさえ羽柴に備えます。

 

 2ターン目。楽田砦は陥落し榊原が討ち取られたものの防衛線の構築には成功。

 

 3ターン目。右翼側に回り込むように機動させる羽柴軍に、こちらも防御線を広げて備えます。ちなみに、手ごまが足りず岩崎の丹羽を北上させ防衛線の一角に配置しています。

 

 4ターン目。羽柴軍は中央を囮に両翼に増援を送ります。ターン前半の行動が多かった徳川は清須方面には対処したものの、反対側には多くを送ることができずといったところ。

 

 結果的には中央と左翼は押し戻したものの右翼が壊滅し穴が空きます。

 しかしながら、最終ターン先に動いたのは連合軍で右翼の前面に戦力を回し防御体勢を整えます。残り手番からすると規定の数の拠点を落とすことは難しく勝利かと思われましたが・・・

 

 羽柴側は残る勝利は突破しかないと荒地を通って徳川軍を迂回し南を目指し、そこからまさかの4回連続となる羽柴の手番で、追いかける間もなく一気に岩崎城を占拠されてしまいます。徳川の手番を挟んだものの1歩届かず、続く手番でそのまま南へ突破され羽柴軍の勝利となりました。

 

○評価

 チットプルによりどちらにそしてどの順番に手番が回るのかはランダムとなっており、その中でどのように戦線の構築や突破を図るかが考えどころのゲームとなっています。特徴としては手番毎に任意のユニットを選択して行動させることが出来、さらにターン内に1回など動かす回数の制限がないため、戦線を押し並べて進めていくだけでなく特定のユニットに行動を集中することで一気に機動し重要拠点に迫ることが可能となっています。このため、羽柴としては拠点をひとつひとつ潰していくのかそれとも重要拠点の陥落を目指すのか、反対に連合軍としては清洲の織田、岩崎の丹羽を拠点防衛のために残しておくか拠点を置いて戦闘に参加させるべきかどうか、相手の行動やチットの状況をみながらどう戦力を分配していくかは悩ましいところです。

 また、チットで主導権をとったプレイヤーが戦闘の組み合わせをきめることが出来かなり有利となるのですが、敵と隣接しているユニットは必ず戦闘を行わなければならないというルールのため、ユニットの配置によってある程度コントロールすることも可能で、戦闘の組み合わせを意識してユニットを動かすことも大切となっています。

 主導権が徳川に偏りすぎた場合、攻城戦が出来ないため勝利条件的に羽柴がかなり厳しくなるのではという心配はありますが、その他で大きく気になったところはなく、とりあえずウォーゲームハンドブックのコンセプトらしくシンプルなルールに両軍それぞれが9ユニットという少ないコマで非常にプレイアブルなゲームながら、きちんと考えどころがありなかなか楽しめるタイトルになっていると思います。

 

 

 ここで時間となったので本日のところは終了となっています。

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村