自宅ゲーム会235 後半 諸国民の戦い | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年10月21日

 

 「太平洋戦史」に続き時間があったのでもう1タイトルプレイしています。

 

☆諸国民の戦い(旧ゲームジャーナル62号)

○概要

作者:田島準

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 フランス皇帝ナポレオンがロシア遠征に失敗したことを契機に再結成された反ナポレオン連合と、それに抗うナポレオンとの戦いをテーマにしたウォーゲームです。「旧ゲームジャーナル」というのは現在の商業ベースの前に同人として刊行していたころのもののようで、それが62号というのはなかなかすごいですね。

 

①フランス、連合国のどちらを担当するか選択を行いセットアップを行います。

②ターンの最初に増援を各国に配備します。この時、連合国の参戦国の数に応じて国家戦意を上昇させたり、フランスの国家戦意を下げることが出来ます。

③ターンに応じた枚数のカードを各プレイヤーに配布します。

④手番になると手札を1枚プレイし、イベントとして使用するか作戦として使用するかを選択します。

⑤作戦として使用する場合はカードの作戦ポイントを使用し、「将軍の活性化」「国家戦意の上昇」「ユニットの徴募」「兵站の設置」「冬季損耗(連合軍のみ、ロシア国内にいるフランス軍に消耗を強いる)」「準備(後の手番において少ない作戦カードで将軍を活性化できるようにする)」のいずれかを実行します。

⑥敵対する勢力が同じエリアに侵入すると戦闘となります。戦闘になると将軍の能力、ユニット数、戦闘エリアの支配などに応じて戦闘カードを配ります。

⑦攻撃側がプレイした戦闘カードと同じものを防御側がプレイし、出来なければ防御側の敗北となりますが、防御側はダイス判定により攻撃に回ることができます。戦闘終了後に実行した戦闘ラウンド数に応じた消耗を両軍が受け、敗北側は追加の損害を受けた上で退却となります。

⑧ターン開始時の処理、イベントカード、首都の喪失、戦闘の敗北などによって国家戦意は上下します。国家戦意がなくなった国はただちに脱落して降伏します。

⑨手札が全てなくなると戦略フェイズは終了となり、ユニットの数、補給線の状況に応じて消耗判定を行った上で次のターンとなります。

⑩ゲーム終了までにフランスを降伏させることで連合軍は勝利し、降伏しなければフランス軍の勝利となります。また、連合軍の国家のうち3つが降伏するとフランス軍が、ナポレオンを撃破することで連合軍がそれぞれ勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人がフランス軍、ちい連合軍で、ナポレオンによるロシア遠征撤退からゲームは始まります。

 ナポレオンはフランスから遠くモスクワ手前に配置されロシア軍と対峙しており、西はスルトとマッセナがスペインでウェリントン率いるイギリス軍及びスペイン軍と対峙しています。

 マップ中央にはプロイセン軍とオーストリア軍も配置されていますが、この時点ではこれら両軍は中立で、国家戦意が上昇するまで参戦状態にはなりません。

 

 とりあえず、戦力を消耗しているナポレオンをそのままにしておけないため、最初のターンは一目散に退散。ポーランドで留まるべきかは悩みましたが、今回はライン地方まで下がり戦力の補充を図ります。

 

 2ターン目。東は未参戦国の戦意上昇とロシア軍の前進が中心となっておりオーストリアが参戦したものの本格始動は次のターンから。このターンの主戦場は西で、連合軍において最高の能力をもつウェリントンの攻撃にスルト、マッセナが相次いで敗北。フランス国内に退却し防御体制を取ります。

 

 3ターン目。西では引き続きウェリントンの攻撃を受けますが、両将軍の奮戦もあり何とか国内への侵入を阻みます。

 東では参戦したオーストリアにナポレオンが進撃し連戦連勝。しかしながら、かなり有利な状況で望んだ最後の一戦に敗れてしまい、オーストリアの脱落は次ターンまでお預けとなります。

 

 4ターン目。先の損害をネイの援軍で補填し再度オーストリアを攻撃し脱落に追い込みます。ただこの間にプロイセンが参戦し、ナポレオン不在の北部が攻撃を受けダヴーが破れています。

 

 5ターン目。プロイセン軍に対し、オーストリアを制圧したナポレオンが舞い戻りますが、ロシア軍まで到着し守るには戦力が不足。やむなく、西部戦線のマッセナを呼び戻し何とか国内への侵入を阻みます。

 

 6ターン。西部ではマッセナが抜けたことで再びウェリントンが進撃を開始、スルトが破れいよいよフランス国内に侵入してきます。

 ここで強行軍が手札にあったこともあって、東部ではマッセナをオーストリアを経由して迂回しベルリンへ突入させます。これにより補給の切れた連合軍の前線部隊の目が一旦はマッセナに向きます。

 

 この隙にナポレオンでウェリントンの対応をしようとしたところ、駆けつける前にスルトが大敗。フランスの国家戦意は大きく下がります。

 

 とはいえ、ここまで西部戦線で猛威を奮っていたウェリントンも、ナポレオンとの戦いに敗れ壊滅。スペインはフランス国内へ進軍できないため、西部戦線がようやく落ち着き、これでプロイセン、ロシアとの戦いに全戦力を投入できる、と思っていました・・・

 

 8ターン。開始と同時にフランス軍はスルトの大敗で下がった戦意の回復を行いましたが、ここでちいが戦役カードをプレイし、前線の3軍団を機動させマッセナの包囲、攻撃を仕掛けてきます。

 この退路のない戦いに敗れたマッセナ軍が壊滅。これによフランスの国家戦意が0となったことで連合軍の勝利となりました。

 いやあ、ナポレオンはさすがの大活躍でしたがその分他の将軍の不甲斐なさが、といったところでしたね。

 

○評価

 カードドリブンシステムにより諸国民の戦いを再現したウォーゲームです。ポイントトゥポイントがエリア制になっているものの、基本的なシステムは戦闘を含めほぼ「ハンニバル(「自宅ゲーム会102 2日目後半」を参照。)」を踏襲したものになっているため、システム的な評価はそちらを参照していただければと。その上で、単独では及ばない連合軍が如何に連携をとりナポレオンに立ち向かうか、包囲されるフランスは内戦の利と将軍の質(というかナポレオン)を活かしてどう対抗していくかというのが考えどころとなっています。

 また、戦闘によるユニットの損害が国家戦意の低下につながり、ひいては国家の脱落につながるとなっているのは特徴的なところで、両軍ともにどちらを優先することで勝利を目指すのかというのは悩ましいところです。なお、連合軍にとってはプロイセンやオーストリアを参戦させるトリガーの役割をもっており、参戦するまではフランス軍の攻撃を受けずにすみますが、フランス軍の準備が万端であれば参戦すると同時に攻撃を受けるの可能性があり、連携なしにナポレオンと戦うのは厳しいとあって、どのタイミングで両軍を参戦させるかというのは重要になりますね。

 ハンニバルと同様に戦闘が連続する際のカードの配り直しが手間というところはありますが、その他で大きく気になったところはなく面白いゲームになっていると思います。

 

 

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