自宅ゲーム会226 前半② 大東亜共栄圏 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和元年8月24日

 

 午前中の後半はこちらのタイトル。

 

☆大東亜共栄圏

○概要

作者:中黒靖

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:90分程度

 

 第2次世界大戦における太平洋戦線をテーマにしたウォーゲームです。標準時間が90分と(ウォーゲームにしては)短めな割に特定の戦域を扱ったものではなく1939年から始まる日本軍と連合軍によるキャンペーンとなっています。

 

①ターン毎にまず生産ポイントを受け取り、その分だけ自軍のカードの中から必要なものを選択し手札とします。日本軍は支配しているスペースから生産ポイントを獲得しますが、連合軍は自動的に受け取るポイントに加え、アメリカの参戦によってより多くの生産ポイントが獲得出来ます。

②日本軍はゲーム中に一度だけ連合軍に宣戦布告を行えます。また、日本軍が宣戦布告を行わなければ、そのターンにアメリカ軍が宣戦布告を行うことができます。宣戦布告をした軍は対象の国に2回の特別作戦(カードを使用せずの地上・海上・戦略移動)を行います。

③日本軍、連合軍の順(アメリカの参戦で逆になる)でカードを消費し作戦を行うか、パスを行います。両軍が続けてパスを行うとターンが終了します。

④プレイするカードに応じて作戦が実行されます。作戦には、「地上・海上・戦略移動」「開発(ユニットの生産)」「補充(減少戦力ユニットの回復)」「爆撃(航空ユニットによる攻撃)」といったものや、連合軍のみにある「CBI戦線(中国、イギリス軍の生産や移動を行う)」「リアクション(戦闘エリアへの増援)」といったもの、後は特殊なイベント系のものなどがあります。

⑤移動によって両軍が同じエリアにいると戦闘となります。戦闘は参戦したユニットがイニシアチブの順に攻撃しダイスで損害を判定します。

⑥作戦フェイズが終わると、両軍が自軍ユニットの再配置を行いターンが終了となります。

⑦あるターンの終了時に日本を支配しているとアメリカ軍の勝利となります。日本軍は連合軍のいずれか2国の本拠地を支配していると勝利となります。両軍が条件を満たせないままゲーム終了ターンになると、日本軍の支配スペースに応じて勝敗が決まります。

 

○プレイ経過

 管理人が日本軍、ちいが連合軍を担当しゲーム開始時の様子です。中国との戦争に突入している日本軍は比較的戦力が充実しており日本本土に精鋭歩兵や空軍そして海軍が控えており、中国にも陸上戦力を展開しているところです。対する連合軍は中国戦線における中国軍、東南アジアやオーストラリアに展開するイギリス軍、そして真珠湾やサモアに展開する米軍といった布陣ですが、ストック(右手前)の状況を見てもらえばわかるように戦力的にはまだまだといったところ。

 

 最初のターン、本土から空軍などを送り込み重慶を襲撃。中国軍は航空機を生産し配備までされていたものの、出目も良く何とか突破に成功し重慶を支配します。このまま昆明を潰しイギリス領のカルカッタを占拠すればあっさりと勝利になったのですが・・・

 

 防衛隊の送り込まれた昆明では出目が奮わず足を止められてしまいます。

 

 ここからは両軍が戦力を回復させながら争う、泥沼そのものといった感じで戦線は膠着します。

 そんなこんなで中国戦線へ多くの手札をつぎ込んでいた日本軍は海上戦力が初期からほとんど増えておらず、米軍もその手札のほとんどを中国戦線に投入しており、戦力の増強はそれほど進んでもいない状態です。

 

 そんな中今回宣戦布告を行ったのは連合軍(アメリカのみ)で、真珠湾で多少なりとも拡充を続けていた海軍を前線へ投入します。

 続くターン、日本は未参戦のイギリスへ宣戦布告を行い特別作戦も活用しタウンズウィルの攻略に軍を動かします。

 

 連合軍はサモアにいた米軍予備で迎撃に出ますが、空母を中心とした日本軍の艦隊に跳ね返され、そのまま日本軍はタウンズウィルに上陸。これにより日本軍が連合軍のうち2ヶ国それぞれで重要拠点を押さえたことにより勝利となりました。

 

○評価

 太平洋戦争における日本軍の作戦地域のほぼ全域を扱ったキャンペーン級のゲームで、西はインドから東は真珠湾までかかれたポイントトゥポイントのマップ上を日本軍と連合軍(米英中)が戦争の勝利を目指して争うことになります。しかしながら、ゲーム開始時に戦争状態となっているのは日本軍と中国軍のみとなっており、それ以外の米英とはゲーム期間中にどちらかが宣戦布告を行うことで参戦状態になりますが宣戦布告がなければそもそも参戦しないこともあるというのは面白いところです。

 ゲーム開始時に既に中国と戦争状態となっている日本軍としては欲をいえば米英相手に両面作戦を展開するより先に大陸の制圧を目指したいところですが、大陸方面に戦力を注ぎすぎると手薄になった太平洋方面を目指して米英軍が宣戦布告を行う恐れがあります。宣戦布告には通常の手番とは別に特別作戦がついてくるため戦況が大きく動く可能性はあり、それならばと米軍に宣戦布告し初期の優勢な戦力を活かして米軍主力をあらかじめ叩いておくのか、英軍に宣戦布告し東南アジアの資源地帯をおさえ行動力を確保しておくか、どの勢力にどのタイミングで宣戦布告を行うかというのは考えどころになっています。ちなみに、米軍側からも宣戦布告による先制攻撃は行えるのですが、あまり早くに宣戦布告を行うにしても初期の戦力では不十分ですし、米軍から宣戦布告をすると手札の補充も少なくなってしまいこのあたりの判断は難しいところだと思います。

 また、ターン毎の手札の獲得が生産ポイントに応じた枚数だけ各国のデッキから任意に選択するという形式になっているのも特徴的なところで、ターン内は選択したカードを使用してそれらのカードに書かれた範囲でのアクションを行うことになります。例えば相手が大陸戦線を重視しているのに、海軍に関するものばかりを購入した場合はその方面での戦況が厳しくなるなど、どのカードを獲得してどの方面に力を入れようとしているかお互いの補給(手札枚数)に応じた作戦計画のような駆け引きは悩ましいところです。

 大きく気になるところはなく、宣戦布告に伴うメリットとペナルティを考えながらどのタイミングでどの勢力に行うかの戦略的な判断や、どの方面に力を入れるのかカード獲得による駆け引きが悩ましく、太平洋戦争における可能性の追求が面白いタイトルだと思います。

 

 

 休憩を挟み午後に続きます。

 

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