自宅ゲーム会226 中盤 項羽と劉邦 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

 令和元年8月24日

 

 休憩も挟み午後になりましたがなかなかしょうが到着せず。ということで1ゲームをしながらのんびりと待つことに。

 

☆項羽と劉邦(ゲームジャーナル18号)

○概要

作者:池田康隆

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 タイトルどおり古代中国における項羽と劉邦の争いをテーマにしたウォーゲームで、中華統一を果たした秦を滅亡させた後、項羽打倒を掲げ劉邦が関中に侵攻したところからゲームは開始となります。ちなみに、本号は先般紹介した「戦国七雄興亡記張儀(「自宅ゲーム会225 後半」を参照。)」との2in1となっています。

 

①楚軍(項羽)、漢軍(劉邦)のどちらを担当するかを決定します。

②ターン毎にランダムに1人、新たな人材が参戦しますが、最初のターンのみ漢軍プレイヤーが人物を選択します。人物の一部は特殊な能力を持っています。

③両軍とも支配している補給エリアのポイントに応じてカードを引き手札とします。

④両軍がダイスを振り出目に応じて戦力を補充します。奇数ターンは自軍への補充ですが、偶数ターンは独立もしくは王族ユニットに補充となります。

⑤再度両軍がダイスを振り出目に応じて独立諸侯の友好度が変動します。

⑥最も策略値の高い武将を要する側が先手後手の選択を行い、順に手番を行います。

⑦手番にはカードを1枚使用し「イベントの使用」「ユニットの補充」「外交(友好度の操作)」「ユニットの移動」「継続戦闘」を行うか、パスを行います。イベントには必要な策略値が描かれており、その値以上の策略値を持つ武将がいなければイベントとして使用することは出来ません。

⑧移動によって相手勢力のユニットがいるエリアに侵入すると戦闘となります。戦闘はお互いに主将を選び、その能力とユニットの数によってダイスによる損害判定を行います。通常、移動から戦闘に入った場合は交互に1手番ずつ行って終了となりますが、継続戦闘を行うことで同じエリアの戦闘を行うことができます。

⑨両軍が続けてパスを行うことで行動フェイズは終了となります。

⑩これらを繰り返し相手君主の除去、補給エリアを7つ以上支配、7ターン終了時により多くの補給エリアを支配する、という3つの条件のうちいずれかを満たした軍の勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が楚軍、ちいが漢軍を担当しゲームを開始します。マップ手前が東側で楚軍の勢力圏ですが北部では旧国の王族たちが独立しており項羽自ら討伐に向かったところとなっています。漢軍は一番奥の漢中からまずは旧秦の首都である咸陽の攻略に取り掛かるところです。

 漢軍最初の人物選択はゲーム中最高の策略値を持つ「張良」を選択しています。

 

 最初のターン、楚軍はすでに攻め込んでいた臨シにおいて、ゲーム中最強の軍事値4を誇る項羽の攻撃により王族田栄を一蹴し無難な出だしとなりましたが、漢軍はハンカイが咸陽の攻略に失敗。咸陽は補給ポイント2を持つため、次のターンに2枚少ないというのはなかなかの痛手となります。

 

 2ターン目。1ターン目のイベント効果(次ターンの人物を選択できるというもの)により2ターン目には漢軍にショウカ(手札を1枚追加という特殊能力を持つ)が加入となり、独立勢力の動向としては、もともと楚軍寄りの友好度となっていた鯨布軍が楚軍の同盟者となって参戦します。

 漢軍はさすがにこのターンには咸陽を攻め落とし中央に向けて軍を進めますが手数不足は否めず、楚軍が北部の王族を順調に討伐したこともあって既に補給エリアを6つ支配とやや差がつきます。

 

 そして3ターン目。このターンはランダムに人物を引きましたが、引いた人物が「虞美人」。項羽の妻となる人物で、このゲームにおいては「ターン終了時に除去をするがターン中は同じエリアに存在する楚軍ユニットが行動済みにならない(ターン中1のみの使用だが除去しないという選択ルールもあり)」と強力な能力を所持します。

 ちょうど北部のキョロク、エツに軍を固めていた楚軍はこれらを束ねそのまま侵攻を開始。襄国の独立勢力張耳を蹴散らし、レキヨウに攻め込みます。この時点で韓信(項羽に対抗できる軍事値3をもつ)が登場しておらず漢軍はハンカイ率いる主力で迎撃をかけますが、やはり項羽は強く多少損害を受けたものの主力を壊滅に追い込みます。

 

 項羽を防ぐことの出来る適当なイベントがなかった漢軍としてはそれ以上の抵抗は出来ず、最後は楚軍の攻撃で咸陽を陥落させターン終了。8箇所の補給エリアを支配していることで、この時点で史実を覆し楚軍の勝利となりました。

 

○評価

 テーマは異なりますが、概ねのシステムに関しては「信長包囲戦(「自宅ゲーム会225 中盤」を参照)」と同様なのでそちらも参考にしてもらえればと思います。

 その上で、信長と異なりデッキは両軍が共有のものを使用しますが、実際には策略値で劣る楚軍においては強力なイベントが使い難くなっています。あわせて、ターンの最初にランダムに登場する人材という要素がありますが、全体的に漢軍よりの人物が多く、さらには最初のターンは漢軍が選択することになっており、これらによって最強の武力を持つ項羽と豊富な人材と策略を駆使して対抗する劉邦という対比が上手く再現されていると思います。

 大きく気になるところはなく、信長と同様にプレイアビリティも良好(プレイ時間はさらに短いですし)、項羽と劉邦及び周囲の人材のキャラクター付けもメリハリが効いており、テーマらしい調整がされているなあという感じでしっかりと楽しめるタイトルになっていると思います。

 

 

 ここでしょうが到着し残り時間は3人でとなります。

 

☆本能寺への道(ゲームジャーナル15号)

○概要

作者:池田康隆

対象年齢:- -

対象人数:3-4人

標準時間:- -

 

 織田信長配下の方面軍団長(徳川家康は違いますが)となり、支配エリアを広げつついずれかのタイミングで本能寺の変を起こし信長の後継者としての立場を獲得することを目的としたゲームです。

 

①勢力を選択してセットアップを行います。ゲーム開始時は全て信長に臣従状態となっています。

②勝利点の順に行動順を決定しますが、信長に反旗を翻した反逆者プレイヤーは任意の行動順を選択できます。

③山札からカードを引き手札とします。

④臣従大名はダイスを振り勢力の補充か追加のカードを獲得します。 

⑤各プレイヤーは手番にカードを使用して1アクションを行います。アクションには「カードイベントの使用」「自軍もしくは中立の軍団を補充」「織田本家軍団の再配置(京から移動させる)」「ユニットの移動」「継続戦闘」「パス」があります。イベントには必要な策略値が描かれており、その値以上の策略値を持つ武将がいなければイベントとして使用することは出来ません。

⑥移動によって相手勢力のユニットがいるエリアに侵入すると戦闘となります。戦闘はお互いに主将を選び、その能力とユニットの数によってダイスによる損害判定を行います。通常、移動から戦闘に入った場合は交互に1手番ずつ行って終了となりますが、継続戦闘を行うことで同じエリアの戦闘を行うことができます。

⑦信長もしくは臣従プレイヤー勢力を攻撃した場合は反逆者となります。

⑦手番を繰り返し、一人を除きほかのプレイヤーが脱落した場合は勝利となり、敵対する大大名が全て滅亡したときに信長が生きていると臣従プレイヤーの中で最も勝利点の高いプレイヤーが勝利となります。また、規定ターンを経過したゲーム終了時に信長が生きていると全員が敗北ですが、死亡している場合は最も勝利点の高いプレイヤーの勝利となります。ちなみにゲーム終了ターンは4-6ターンの間でダイス判定により決定します。

⑧勝利点は支配エリア及び信長や信長を除去したプレイヤーの除去、イベントによって決定されます。

 

○プレイ経過

 今回は3人プレイなので徳川勢力は使用せず、管理人が柴田勝家、ちいが明智光秀、しょうが羽柴秀吉を担当します。ゲーム開始時の戦力はそれほど差がありませんが、柴田は軍事値が高く、羽柴は策略値が高く、明智はその中間といった感じになっています。その他、京に信長自身、京及びその周辺に信長本家軍が配置されており、織田以外の勢力として上杉、毛利、本願寺(4人の時は北条も)が中立大名として配置されています。信長や本家軍は自発的に行動することがありませんが、中立勢力はイベントにより行動させることで別の臣従プレイヤーを攻撃させることが出来ます。

 

 序盤から最強の軍事値を持つ上杉謙信が背後から攻め寄せてきますが、柴田勝家自身が迎撃に出て見事に撃退・討ち取りに成功し後方の安全がほぼ確保されたことになります。

 

 最初のターンはそれ以外近隣に勢力を広げたくらいで大きな動きはありません。

 

 続く2ターン目。羽柴も後方の安全を確保しようと毛利討伐に出撃しますが逆に返り討ち。危うく秀吉自身が討ち取られるというところまで追い詰められます。明智はこれ以上隣接エリアが望めないことから瀬戸内に出陣しています。

 

 3ターン。増援により窮地を脱した秀吉ですが損害は痛み分け程度で毛利の撃破には至っていません。柴田と明智は京近辺に主力を動かしており信長撃破のタイミングを図っているところです。

 

 いよいよゲーム終了の可能性がある4ターン目となります。羽柴は引き続き毛利を切り崩せず膠着中です。明智としては本願寺を動かし京の制圧に動きたかったようですが、続く手番が柴田であったので次のターンに期待し京には攻め込まずに大和へ主力を動かします。そして、最終手番の柴田は本能寺の変を引き起こし信長の討ち取りに成功します。この時点でターンが終われば勝利でしたが、残念ながら次のターンとなります。

 

 5ターン目。当然明智は柴田の撃破を狙いますが、戦力を回復させた柴田は何とか防衛には成功します。ここまで泥仕合を繰り広げていた羽柴もようやく毛利を切り崩すことに成功し行動の自由を取り戻します。ゲームが終了すればこの時点でも柴田の勝利ではありましたが、再び出目に嫌われ6ターン目に突入です。

 

 最終ターン。近隣に明智の戦力が揃ってきており増援がくると不利となるために、先手をとって光秀自身の除去に動きます。ただ、ここに来てダイスが奮わず、何とか光秀を討ち取ることには成功したものの継続戦闘の繰り返しでもはや手札はなく、戦力も2のみとなってしまいます。

 

 ここに満を持して羽柴が乗り込み、戦力差はいかんともし難く柴田は壊滅。明智、柴田の脱落により羽柴の勝利となりました。

 

○評価

 信長の後継者となるべく本能寺の変を引き起こす機会をうかがうという設定が面白いウォーゲームです。2人用ではなく多人数に対応していますが、基本的なシステムに関しては「信長包囲戦(「自宅ゲーム会225 中盤」を参照)」や上記の「項羽と劉邦」と同様なのでそちらも参考にしてもらえればと思います。

 その上で、信長が生存していると全員が敗北となるのでどこかで討ち取らなければなりませんが、反逆者となることで自分自身が今度は得点源(京もエリア得点が倍ですし)となってしまうため他のプレイヤーから狙われることになり、ついでに臣従ボーナスもなくなってしまうため状況はかなり厳しくなります。このため、信長の討ち取りをゲーム終了間際にするとよさそうなのですが、4ターン以降ランダムなタイミングでゲームが終了するというのが難しいところで、様子を見ているとあっさりと4ターン目でゲームが終わってしまいうということもありますが、今回の管理人のように早期のゲーム終了を期待して反逆者になったものの結局フルターンすることになったということもあり、この状況下にあっていつ信長の討ち取りのための軍を動かすか、それとも信長を討ち取ったプレイヤーの討ち取りを狙うのか、タイミングと駆け引きが非常に悩ましいゲームとなっています。

 また、臣従プレイヤー同士が妨害を狙って直接戦闘をすることは反逆者になるため難しいのですが、その代わりに各プレイヤー勢力の背後には中立大名が存在し、それらを操って攻撃を仕掛けることで牽制することができるというのも特徴的です。あらかじめ討伐することで後方の安全を確保し不慮の事態に備えるというのもできますが、各ターン基本的には4アクションに限られるため中立大名の対応にどの程度の手数を割くか、そしてどう相手に手数を割かせるかというのは考えどころだと思います。

 大きく気になるところはなく、「信長包囲網」の基本システムが使われているだけあってマルチながらプレイアビリティは良好ですし、本能寺の変を狙うという特徴的な設定がきちんと面白さにつながっているタイトルになっていると思います。

 

 

 ここでウォーゲームは終了し後半に続きます。

 

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