平成31年3月10日
一旦休憩を挟み、引き続きちいと2人でのゲーム会です。再開後はまずウォーゲームから。
☆ノーリトリート
○概要
作者:CarlParadis
対象年齢:14歳以上
対象人数:2人
標準時間:360分程度(フルキャンペーンの場合)
第2次世界大戦の東部戦線をテーマに、1941年に開始されたバルバロッサから1945年のドイツ降伏までの独ソ戦を描いたウォーゲームです。
①各ターン毎にターントラックにかかれたイベントが解決されます。
②勝利判定を行い、サドンデスの条件が満たされている場合勝利が確定しますがそうでなければ通常通りにターンを行います。
③手番になるとカードを2枚まで捨て、そこから4枚獲得します。カードはイベントとして使用できる他に、様々なアクションの際に消費することで追加のボーナスが獲得できます。
④補給チェックを行い補給切れのユニットにマーカーを配置します。
⑤増援と補充を受け取ったり、ユニットのアップグレードを行います。
⑥ユニットを移動させます。通常の移動の他に鉄道による戦略移動もあります。
⑦手番プレイヤーがまず戦闘を発生させる地点を選択し、続いて相手プレイヤーも手札を消費して強制的に戦闘を発生させる地点を選択します。
⑧手番プレイヤーは戦闘が発生する地点に参加するユニットを割り当てます。その上で、任意の順番でダイス判定を行い戦闘を解決していきます。
⑨再度補給チェックを行い、手番の始めからマーカーがついたままのユニットは降伏して除去されます。
⑩もう一方のプレイヤーが同様に手番を行いターンが終了します。
⑪サドンデスが発生しなければ、選択したシナリオに応じたターンでゲームは終了となります。その時点でシナリオ毎に設定された条件を満たしているプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
管理人ドイツ、ちいソ連軍でゲーム開始時の様子です。今回は序盤のドイツ軍の攻勢をテーマにした最初のシナリオです。ちなみに、このセットアップはフルキャンペーンと同じ状況から開始となりますが、キャンペーンが28ターン行うのに対し、シナリオですることになると5ターンで終了となります。ドイツ軍の目的はシナリオ終了時のVPの獲得(都市の支配または敵ユニットの降伏などで獲得)か、モスクワとそれ以外の重要都市1つの占領、ソ連はドイツ軍の目的の妨害です。
ソ連軍に比べ圧倒的に有利な戦力を有するドイツ軍が史実であれば軽快に進軍するのですが・・・今回は各戦線でダイスに恵まれず、進撃は思った以上にゆったりとしたものとなります。それでも、もともとの戦力が豊富な北方は少しずつ前進するのですが、戦力に乏しい南方はキエフ近郊で膠着となります。
そうこうするうちに3ターン目の泥濘となり一旦足が止まるとともに、徐々にソ連の援軍が到着しています。南方は数でほぼ五分五分と前進するにはかなり厳しい状況となっていましたが、何とかソ連を突き崩します。
4ターン目は雪。北方も徐々にソ連軍が集まり進撃速度は大きく低下します。
5ターン目。大雪になりソ連軍が有利となる中、何とかスモレンスクまで進軍したところでゲーム終了。モスクワに到達しておらずVPも規定点に到達していないことからソ連軍の勝利となりました。
○評価
第2次世界大戦における東部戦線の全期間をテーマにしたウォーゲームですが、そのゲーム期間と戦線の広さに比するとゲーム開始時のドイツ軍が約15ユニット程度、ソ連軍は10ユニットに満たないくらいと、非常に少ないユニットで行われるウォーゲームです。少し前にプレイしたSSシリーズの「モスクワ電撃戦(「自宅ゲーム会183 3日目 後半」を参照。)」は、期間・戦線の広さとも今回プレイしたシナリオとほぼ同じですが、ドイツ軍を比較しても倍くらいはユニット数があるので、このゲームがどれくらい少ないかの参考にはなるかなと。このためこの手のゲームとしては比較的プレイ時間が短い部類には入るのですが、ユニットが少ない分SSシリーズ以上に手軽かというとそうでもなく、少ないユニットの分さまざまなギミックが組み込まれており、システムを理解することとそれをどう活用していくかはより難しくなっています。ただその中でも、カウンターブロー(相手のターン中に強制的に戦闘を発生させる)は慣れるまで使い方に迷いそうなシステムですが、上手く使うことで戦況に大きな影響を与える要素で面白いシステムだと思います。
ちなみに、カードを使ったゲームではあり、カード毎にイベントが設定されているところなど一見カードドリブンにも見えるのですが、通常のユニット移動といったコマンドコントロールに使われるのではなく、ユニットの増援等、カウンターブローの実行、鉄道移動といったものの実行に投入されるため、どちらかというとリソースという印象で、カードドリブンとはまた違った取り扱いになっているのは特徴的かな。毎ラウンド規定の枚数しかないので、それらをどの目的のために投入するかは考えどころとなっています。
一方で、やはりユニット数の少なさから感じる「手軽そう」というイメージからすると逆に細かい枝葉が多くなっている印象で、この辺りは気になったかな。
また、降伏したユニットがVPとなるのは分かるのですが、撃破された場合はVPとならないため、補給切れになったユニットは降伏前に殴れ(そして除去されろ)というところはややゲーム的な感じで気になりましたね。
とりあえず、システムを把握し使いこなすというところまでは少し時間がかかりそうなところはありますが、東部戦線全体を扱ったゲームとしては比較的プレイしやすくなかなか面白いと思います。
☆リフトオフ
○概要
作者:JeroenVandersteen
対象年齢:12歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:1人当たり30分程度
宇宙飛行のエージェントとなって必要な人材を確保しロケットの打ち上げを手配して、上手くロケットを打ち上げることで請け負ったさまざまなミッションを達成することを目的としたゲームです。
①各ラウンドの開始時に収入を獲得します。
②配布されたスペシャリストカードを1枚確保し隣のプレイヤーに渡すことを繰り返し、3枚の手札を確保します。
③3枚の手札からスペシャリストカードを使用し効果することを手番順に2巡行います。スペシャリストはロケットの改良や技術開発といったもの、資金の獲得など色々な効果を持ちますし、続くロケットの打ち上げをフォローする能力を持ったものもあります。
④いずれかのミッションカードの山からミッションカードを引き、自分の手元スペースに配置します。
⑤ミッションカードに適応した技術や資金等を持つことで打ち上げ(ミッションの達成)を行うことが出来ます。通常は各手番に1回のみですが、スペシャリストカードの効果で追加することが出来ます。
⑥打ち上げに成功することで勝利点やボーナスを獲得します。
⑦これらを繰り返し、スペシャリストカードの山がなくなればフェイズ2となります。スペシャリストの山札を再構築します。
⑧フェイズ2になるとより難易度の高いミッションの選択などが行えますが、ミッションの達成難度も上がります。
⑨フェイズ2でスペシャリストカードの山札がなくなるとゲームは終了です。この時点で獲得したカードに、ゲーム終了時にボーナスのあるカード、緑の技術カード、資金などから勝利点を獲得し、最も高い資金を獲得したプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子です。右手前が管理人の個人ボードで、収入やロケットの能力等を管理します。その隣にロケットのタイルがありますが、パラメーターは個人ボードで管理しているためほぼ見た目だけの存在となっています。
左の共有ボードは中央にミッションカードの山札がおいてあります。これらからミッションを獲得して達成を目指します。
技術を優先する管理人に対しちいはロケットの性能重視といったところです。技術はないものの安価に多くの重量を発射できるちいのロケットは次々と低レベルのミッションの打ち上げに成功していきます。管理人は技術を活かして優先的に上位のミッションを狙いますが、ロケットの能力不足をスペシャリストで補うといった感じでプレイしており、1枚あたりの得点は高いのですが効率は悪く、やや遅れます。
後半に入ると、管理人の収入が増え打ち上げペースも上がってきたので一時はちいを追い抜きますが、研究所を最大レベルまで上げたちいが再度追撃をみせ、何だかんだと大差のないままゲームは終了となります。しかしながら、ゲーム開始時に配られた目標カードの達成はかなりちいが有利で、思った以上の点差がつきちいの勝利となりました。
○評価
カードドラフトによりスペシャリストを選択し、ロケットの打ち上げ(ミッションの達成)を目指すゲームです。スペシャリストの選択はアクションの選択的なもので、このアクションによってロケットの打ち上げに必要なパラメーターを上昇させていくことになりますが、あわせてスペシャリストにはそれぞれ即時的にリソースを獲得するものや続く打ち上げ時にボーナスを持つものなど何らかのボーナス効果があり、効率よく打ち上げていくために、どのカードを保持するか、使用していくかというところが考えどころとなっています。
また、こうして環境を整えてミッションを達成することで各ミッションに設定されたボーナスも獲得できるのですが、ボーナスがない分高得点が得られるものや、勝利点が少ない分ボーナスが有用なもの、難易度の高いミッションになると特定の条件を満たすことで大きな勝利点を獲得できるものなどさまざまなものがあり、このあたりの取捨選択も悩ましいところです。
一方で、ロケットを効率的に打ち上げていくためには基本的にどのパラメーターも必要で、特定の能力のみに特化することは難しいという印象です。そのため、このパラメーターの上昇に関わるスペシャリストカードも汎用性が比較的高くなっており、結果的にドラフトによるプレイヤー間の駆け引きの要素が少なくなっていおり、この辺りはもったいないというかあえてドラフトをさせる意味があったのかなといった感じです。この部分以外はほぼ個人でゲームを進めるため全体的にソロプレイ感は強めで、このあたりも気になる人は気になると思います。
また、前半を土台に後半に獲得できる得点が大きく増えていくのですが、すること自体はゲームの最初から最後まで大きな変化がなく少し単調なところも気になりましたね。
ついでに、パラメーターが個人ボード、カード、タイルなどで分かれているため、無駄にパラメーター管理が手間になっており、この辺りはもうちょっと整理してほしかったです。
とりあえず、ハンス社&一見して目を引く独特なアートワークで興味を引くのですが、中身は思った以上に普通でつまらないわけではないのですがあえてこのゲームをというところも弱いかなといったゲームでした。
ここで時間となり、本日のゲーム会は終了となりました。