自宅ゲーム会178 中盤 討入忠臣蔵 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年12月27日

 

 引き続きちいと2人でのゲーム会です。ほぼウォーゲームな一日ですが、午前中の後半にしたシティオブローマに続き、昼休憩後も一旦手軽なゲームで息抜きをしてから本題を再開といったところ。

 

☆ビンゴリノ

○概要

作者:Elisabeth&GunterBurkhardt

対象年齢:8歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:15分程度

 

 ダイスを使って行うビンゴ系のゲームというかダイスを使って行うビンゴです。

 

①数字タイルをランダムに引き、4×4に配置します。

②手番になると1-5個の範囲で任意の数のダイスを振ります。

③全プレイヤーはダイスの目の合計と一致するタイルを1枚裏返すことが出来ます。手番プレイヤーのみはダイスを一つ減らした数の合計のタイルを裏返すことも出来ます。

④手番プレイヤーが1枚も裏返すことが出来なければタイルを1枚表にします。

⑤これを繰り返し、いずれかのプレイヤーが4列を裏返した時点で勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。見事に一桁前半(しかも準備中は気にしませんでしたが「1」が3枚というのはこの時点でやり直してもいいくらい悪い)ばかり・・・しかもペナルティ(裏返せなければ1枚表にする)を考えておらず、こんな配置にしてしまいます。

 

 暗雲立ち込める中でしたが、途中までは順調に進みます。まあ見たらわかる通り、この時点でも「1」3枚は残ったまま。

 

 結局この後1、2、3の攻略に苦戦しているうちにちいが4列揃えたことでちいの勝利となりました。

 

○評価

 概要に書いたとおりダイスを使ったビンゴという感じですが、特徴として任意の数のダイスを振れるというのはあり、突き詰めれば出したい目と期待値を基準に考えるものの、後半になってきてタイルが絞られてくると他プレイヤーの場も見ながらということも必要で、悩みどころとして悪くないと思います。

 また、手番プレイヤーであればダイスをひとつ引いてから裏返すタイルを選択できるという特典があるので、これを上手く使いどのタイルを優先して消していくかというのも考えどころになっています。

 ただ、その一方で気になるのはランダム分配されるタイルの当たり外れで、特に1桁前半というのはかなり外れ感があります。というのも、1個振りが確率的には成功率が高いもののダイスを減らして計算するということができず一発勝負なのでペナルティが痛く、なかなかダイス1個で挑戦というのは出来ませんし、このことから他プレイヤーも1個振りをすることがないため裏返すことができる機会がかなり限定されます。一応、2個振りで1個引くという手段もありますが、これは手番にしかできませんし、2個振りの期待値あたりのタイルが尽きると結局ペナルティの危険が出てくる(しかも2個振り期待値あたりは裏返す機会も多く尽きやすい)のであまりあてには出来ません。このあたりはもう少し調整がほしかったかなと。

 ついでに、ペナルティのおかげで状況によっては不毛に長引くこともありそうで、そもそもペナルティが必要だったのかというのが一番気になるところかもしれません。

 まあ、なんだかんだと工夫は見られるもののそれほど目新しいというものでもないですし、ペナルティについては逆にない方が・・・という感じでもあり、とりあえず良くも悪くもダイスを使って行うビンゴ以上ではないのかなといった印象のゲームです。

 

 

☆討入忠臣蔵(ウォーゲーム日本史第4号)

○概要

作者:中嶋真

対象年齢:- -

対象人数:2人

標準時間:- -

 

 四十七人を引き連れて吉良邸に討入を実行する赤穂浪士側と、討入から吉良上野之介を逃すことを目的とした吉良側による忠臣蔵をテーマにしたウォーゲームです。毎年年末にしようしようと思って3年目、ようやくのプレイとなりました。

 

①ゲーム開始時に初期配置を行いますが、吉良側のユニットはすべて伏せて配置します。

②ラウンドの開始時に倒されたユニットが増援として再登場します。

③赤穂側、吉良側の順に交互に1スタックごとに行動もしくはパスを行います。1回の行動でスタックは「移動」と「戦闘」が行えます。ラウンド毎に1回しか行動は出来ません。

④移動力は赤穂側が12ポイント、吉良側は無制限という違いがあります。

④戦闘はリーダーの戦闘力に応じてダイスを振り判定を行います。

⑤連続して両プレイヤーがパスをすると行動フェイズが終了となります。

⑥次のラウンドに向けてスタックの行動を回復させますが、回復するためには基本的に指揮官の指揮範囲にいる必要があります。伏せて配置されているユニットは条件なしに回復します。

⑦ラウンドを繰り返し、ラウンド終了時に赤穂側は吉良の討ち取り、吉良側は時間の経過か吉良の脱出という勝利条件を達成していれば勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が赤穂側、ちいが吉良側となりセットアップを行いますが・・・ただ、赤穂側は表門及び裏門側に配置されるユニットが決まっているのですが、ルールを誤っており管理人が適当に分配した形になっていますので、本来のバランスや設定からは少し違っていると思います。

 

 そんなセットアップミスにこの時は気づいていませんが、とりあえずゲームは開始です。

 まずは出方を伺う吉良側に対して、赤穂側は表門の塀伝いに設置された梯子を渡り屋敷に潜入し表門を開放します。表門を守る森を片付け、赤穂側最強の堀部を先陣に順次屋敷に突入を開始します。(いやまあ、実際は堀部は裏門組なので表門から突入したらいかんわけなのですが・・・)

 

 続いて裏門も突破に成功し、裏門からも順次突入。基本的には赤穂側が戦闘能力も高く順調に進撃が行われます。ただ、吉良側の主力である清水(ボード右上)、山吉(ボード右下)辺りから切り込まれた数名が倒されていますし、長屋(屋敷の塀沿いに設定された吉良側の増援出現ポイント)の封鎖に手が回っていないという状況ではあります。

 

 そんな2ラウンド目。なんと次間において堀部が吉良を討ち取るということがありましたが結果は残念ながら影武者(吉良は2ユニットおり、ゲーム開始時にダイスなどでどちらが本物かを設定しておく)。

 

 とはいえ、屋敷への侵入は順調に進みこのラウンドで1スタックを除いて全ての吉良側ユニットが判明します。この時点で本物の吉良が公開されていないため、この伏せられているユニットが吉良であることは確定し、残り2ラウンドで如何に討ち取るかということになるのですが、吉良側最強の清水が入り口を塞ぐ土蔵に逃げ込ませてしまい、その場所が問題となります。

 

 当然こちらとしては堀部や不和といった主力を送り込み清水を何とか退けようとするのですがダイス目が振るわず、不和が反対に倒されてしまうといった事態に。

 一方のちいは増援等の残りの戦力を他のユニットの足止めに送り込み、赤穂側の戦力集中を防ぎつつ清水に賭けるといったところ。

 

 不和が倒れた後も吉良側の足止めを潜り抜けたユニットにより清水への攻撃は行いましたが、全てはじき返され逆に損害を重ねる状況で、頼みの堀部も奮わず。結局、清水を突破することが出来ないまま刻限となり、吉良を守りきった吉良側の勝利となりました。

 

○評価

 赤穂浪士や吉良側の一人一人がユニットになっているというなかなか類を見ない(というより他にないと思われる)、忠臣蔵をテーマにしたウォーゲームです。ゲーム開始時は屋敷にこもる吉良側のユニットは全て伏せられており、目標となる吉良上野介がどこにいるのかが分からない状況で赤穂側が突入して探索をしながら討ち取りを狙うというのはアントライドの仕組みを上手く使っているなという感じで、忠臣蔵らしい雰囲気が出ていると思います。

 面白いのは吉良側の移動力が無制限というところで、赤穂側にとっては移動の障害となる木柵なども意に介せず屋敷のあらゆるところに移動することができます。吉良側は戦力の劣るユニットが多いので接敵しないようにして正体を隠しつつといったところですが、中には清水や山吉といった赤穂側の主力に引けをとらないユニットもいるため、これらが急進して門の突破を狙うということも十分可能で、正体の隠匿要素やこの移動力を上手く活かして赤穂側を翻弄したいところです。反対に数、質ともに上回る赤穂浪士側ですが、この移動力の差により単純な力押しで次々にユニットを突入させればいいかというとそんなこともなく、吉良上野介自身を逃亡させてしまうとそこまでなので各城門を安易に無防備にできず、逃亡を防ぐ戦力と突入させるユニットのバランスや配置を考えながらユニットを動かしていく必要があります。いくら吉良側の移動力が無制限になるとはいえ、赤穂側のユニット自体及びそのZOCはすり抜けることが出来ないため上手く包囲網を形成して行きたいところです。

 また、雑誌のコンセプト的に「ウォーゲーム日本史」の付録全般にいえそうですが、ウォーゲームではありますがルールはそれほど複雑ではなくプレイ時間もそれほど長時間にならないためプレイしやすいというところはいいところだと思います。

 一方で、せっかく1ユニット1ユニットの設定があるのですが、ゲームとしてはスタックを組み基本的には戦闘能力が高い人物が先頭に立って戦うため、能力の低い人物は損害を受けて除去される担当でしかないのは気になるというかもったいないというか。さすがに全員に個別の使いどころを用意しろとは言わないまでも、使用する武器による特殊効果をもう少し特徴付けてもいいのかなと。一応、現時点でも武器によって特殊な効果はあるのですがやや控えめで、特殊な武器を持つユニットの戦闘力が概ね低めに設定されているということもあって結局高戦闘力のユニット中心の運用になりやすい印象です。

 また、ラウンド毎に行動したスタックを再活性化するには身分の高いユニットの指揮下にいる必要があるのですが、全体的に身分のついているユニットが多く、分散してスタックを組むことでほぼ緩和され、制限としてイマイチ活きていないという印象です。このため、身分の高いユニットがスタックの下に入っていれば確認するのにも手間で変に煩雑化させるだけということもあり、個人的にはなくてもよかったのではと思います。

 と、若干気になったところを書いていますが、とりあえず何をおいても忠臣蔵というテーマのゲームを比較的(ウォーゲーム基準ではありますが)手軽にできるという点で存在感はあり、実際にゲームとしてもきちんと楽しめるいいゲームだと思います。次の年末もこれをプレイできたらいいですね。

 

 

 後半に続きます。

 

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