平成30年8月2日
残り時間も少なくなってきたので手軽なゲームを2本ほど行っています。
☆食べちゃうぞ
○概要
作者:KevinG.Nunn
対象年齢:7歳以上
対象人数:3-6人
標準時間:15分程度
食物連鎖のような動物の力関係をテーマにした、カードを選択し同時公開をするバッティング系のゲームです。ちなみに、このゲームにおける力関係の頂点に立っているのは何故かノミだったりします。
①全プレイヤーが同一構成の手札を持ちラウンドを開始します。
②手札の中からカードを1枚選択し、同時に公開します。
③動物ごとに設定された力関係により、直近下位の動物を捕獲します。この時力関係が弱い側から判定を行い、すでに捕獲している動物を捕獲したプレイヤーは、その動物が捕獲していた動物も一緒に捕獲します。なお、バッティングした場合、捕獲対象は平等に分配しますが割り切れない場合はスタートプレイヤーから順に優先権があります。
④直近下位がいない動物はそれより下位の動物がいても捕獲はできず、そのまま場に残されます。これらのカードは次のラウンドの捕獲対象となります。
⑤何らかの動物を捕獲し、他の動物に捕獲されなかったカードは捕獲した動物ともども得点となります。
⑥これらを繰り返し全てのカードがプレイされればラウンドは終了です。プレイヤー人数分のラウンドを繰り返し、最も得点を獲得したプレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
手札は全プレイヤーとも同じでこんな構成です。それぞれのカードには捕獲できる対象の動物や得点(星の数)が描かれているのですが、ミミズだけは最下位なので他の動物を捕獲することが出来ません。
この場合、イヌがネコを捕獲したのでどちらも得点として獲得できますが、ミミズは捕獲対象とならないためそのまま場に残ります。
前のラウンドに全員場バッティングし場にトリが4枚残っていた次のラウンド。スタートプレイヤーの管理人がイヌを1匹捕獲し、トリは残ったまま・・・こんなときもあります。
そんなこんなで1ラウンド目はこんな結果。スタートプレイヤーだった管理人は全然そのアドバンテージを活かすことができず最下位。左はカイで、奥がしょう、右がちいの獲得したカードとなり、しょうとちいが競りましたがしょうの勝利です。
続く2ラウンド目の1枚目はこんな感じでミミズを独り占めと幸先の良いスタートです。
この後も順調なゲーム運びで、初戦とは逆に管理人とカイが接戦となりましたが得点の高いミミズが多く、管理人の勝利という結果でした。
本来ならもう2ラウンド残っていますが、カイがここで帰宅となったのでここで終了。
○評価
場のカードを競るかお互いのカードを競るかの違いはあるものの、「ハゲタカの餌食(「他家ゲーム会 番外1」を参照。)」に近いプレイ感で、コミカルチックなアートワークが可愛らしいバッティング系のゲームです。各プレイヤーとも手札構成は同じなのでゲームを通じてどのタイミングで出すかというのは考えどころですが、それぞれの動物は直近下位しか捕獲できない上に直近上位には捕獲されるというところが難しく、どのプレイヤーがどんなカードを出してくるかを考えつつどの位置の動物をプレイするかの心理戦はかなり悩ましくなっています。ちなみに、うまく連鎖して場を一網打尽に出来たときの爽快感はなかなかで、この辺はハゲタカにはないところだと思います。
あとは、ミミズというそもそも捕獲されるだけのカードもあり、これらを場に残せる(他プレイヤーに取らせない)タイミングでプレイし次のターンに確保を狙うなど、基本的にはカードのプレイのつどの心理戦ではあるものの、次以降のターンを含めたカードマネジメントが求められるところも面白いですね。
大きく気になる点はないのですが、強いていえばバッティングの際にはスタートプレイヤーから順にとっていくというのが不公平であまりきれいな処理に感じないため、もう少しいい方法はなかったのかなというところはありましたね。とはいえ、とりあえず手軽なルールながら非常に悩ましい心理戦が繰り広げられ、カードのプレイに一喜一憂があると、とても面白いカードゲームだと思います。
☆ピラミッドのつくりかた
○概要
作者:MatthewDunstan&BrettJ.Gilbert
対象年齢:10歳以上
対象人数:2-5人
標準時間:30分程度
ピラミッドやオベリスクを手がける建築家となり、適切な資材を獲得し最も権威のあるネクロポリスを作り上げることを目的としたゲームです。
①ラウンド毎に場の神タイルの中から1枚を獲得します。神タイルは資材の獲得順を決定しますが、同時に後手のタイルを選択すればピラミッド以外の建設を行うことも出来ます。
②手番順に場の建設カードを2枚セットで獲得し場に配置していきます。ピラミッドには毎ラウンド必ず1枚の配置を行いますが、オベリスク、王家の墓への配置の可否は選択した神タイルによります。
③ラウンドの終了時には手札を1枚とし、残りは捨て札にします。
④これらを繰り替えし、ピラミッドが完成した時点でゲームは終了です。各建築物ごとに定められた得点、石碑のボーナスを合計し、最も得点の高いプレイヤーが勝利となります。
ここでカイが帰ったので残った3人で最後に1ゲームです。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子です。獲得したカードを手前に配置していくことになりますが、一番手前の伏せてあるカードは王家の墓でゲーム終了時まで公開はしません。
中央左にあるタイルが神タイルです。
ピラミッド以外は管理人が王家の墓重視、カイがオベリスク重視、ちいはどちらも程々といった感じでした。
途中経過の写真は取り忘れ、そんなこんなでピラミッドが完成しゲームは終了です。
得点計算を行うと、ちいは投入したカードを素材単位で比較する王家の墓が得点にならなかったことが響き最下位。ピラミッドと王家の墓で優位の管理人と、オベリスクで優位のカイとのトップ争いは同点。ルールを読んだ時点でタイ処理が見つけられなかったため、同率1位という結果でした。
○評価
「ピラミッド」のつくりかたとなっていますが、パズルチックにカードを並べる「ピラミッド」以外にも、他プレイヤーと投入した素材の種類と量を競う「王家の墓」、出来るだけ同じ素材でくみ上げる「オベリスク」といったものも並行して作成を行い、より多くの得点を獲得するゲームです。
各建物の素材となるカードは場に並べられ2枚セットで順番に獲得することになりますが、獲得順はどの神タイルを獲得したかによって決まります。面白いのは、この神タイルの獲得によって必ず建設を行うピラミッド以外のどの建物を建設できるかがきまるところで、より良い素材を選びたければ建てられるものが限られますし、他の建物を建てる場合は素材の選択肢が少なくなります。1枚だけですがカードは繰り越すことも出来るため、このあたりも上手く使いながらより良い素材の選択と、どの建物の建設を優先するかという判断が悩ましいゲームです。ちなみに、素材の中には石碑が描かれ特定の建物に投入した際にボーナスをもたらすものもあるため、これも石碑どおりの建物に投入するのか、素材を優先するのかという考えどころになっています。
コンポーネントはコンパクトで、またルールもシンプルでプレイしやすいとプレイアビリティは高いゲームで、システム的に大きく気になる点は思い当たりません。ただ、完成したピラミッドやオベリスクがいまいちそれっぽく見えないアートワークですとか、割と既視感のあるプレイ感など、あえてこのゲームをというところは弱いかもしれません。
これで本日のゲーム会は終了としています。