自宅ゲーム会146 最終日 前半 惨劇ルーパー 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年6月30日

 

 さて、翌日には芋が帰るため、最終日となる本日はちい、やまも参加して丸1日のゲーム会となります。とはいえ、やまは午後のみ参加のため、まずは朝一から来ていたちいを含めた3人でゲームを始めています。

 

 

☆サンノゼ

○概要

作者:studioTurbine

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60-80分程度

 

 カリフォルニア州サンノゼにある巨大な屋敷を舞台に、屋敷を増改築しながら悪霊から夫人を守ることを目的とした協力ゲームです。外箱が細長くあまり見ない形状ですが、中にはタイルやコマなどがぎっしり詰まっています。

 

①手番になると山札からタイルを引き屋敷に配置します。床にドアの描かれたタイルが配置されると新たな悪霊が出現します。また、部屋が完成することでボーナスとしてトークンや特殊効果を受け取ることができます。

②使用するトークンを宣言しダイスを振ります。

③振られたダイスの出目に応じて悪霊が移動します。

④ダイスの成功数+使用を宣言したトークンの数の合計でキャラクター能力を使用することができます。

⑤悪霊が婦人と同じタイルに侵入すると敗北で、全てのタイルを配置しきると勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。担当するキャラクターは管理人が「預言者(悪霊の操作が得意)」、芋が「大工(屋敷の拡張が得意)」、ちいが「警備員(オールマイティ&部屋単位で悪霊の拘束が行える)」となっています。それぞれのキャラには成長する条件があり、ゲーム中にその条件を満たすと成長し、新たな能力などを身につけます。ちなみに、預言者は婦人の2部屋以内に悪霊が存在するという条件のため、今回はたまたま満たした状態でゲーム開始となります。

 

 今回のゲームでは婦人を任意に移動させる能力は警備員のみしか持っておらず、大工は「完成した部屋の中のみ」、預言者にいたっては所持していないという状況なので、早々にクラスチェンジした預言者で悪霊を押し戻しつつ、徐々に婦人を移動させ引き離すといった感じでゲームを進めます。

 

 概ね計画通りにゲームが進んでいたのですが・・・

 

 突如目の前に出現した黄色い悪霊(悪霊は対応する色で婦人に一番近い部屋に出現)ですが、たまたまトークンの切れていた管理人が手番で、対処ができないまま見事に対応する出目を出してしまい、あっけなく敗北。この直前に、一瞬席を空けた芋が戻ると敗北していたというのがなんともといった結果でした。

 

○評価

 タイルを配置して屋敷を広げていきながら、自力では動くことすら出来ない婦人を悪霊の魔の手から逃すため四苦八苦するといった(一応)タイル配置系の協力ゲームです。だんだんと屋敷は広がっていき逃げるスペースも増えていきますが、屋敷が拡張するにつれ増えてくる悪霊たちは良くも悪くも婦人の近くに登場するため、今いる悪霊を遠くに引き離したから余裕といった感じにならず、ゲーム終了まで一定以上の緊迫感が生まれそうなのはいいところだと思います。

 また、各キャラクターに固有のアクションがあるものの、それぞれのアクションの実行のためには一定の成功数が必要で、通常のダイスでは(上手く2ダイスとも成功が出ても)2までしか成功数が発生せず、ダイス目によって悪霊が動くため、単純にこの成功数で出来るアクションだけではよほどダイス運が良くないと悪霊を引き離すことは出来ません。そこで必要となるのが成功数を増加させるトークンなのですが、入手には基本的にタイルを配置して部屋を完成させるしかなく、これにより部屋の拡張が単純に婦人の逃げ道を作るだけでなく、効率的にトークンを手に入れるために(部屋の種類によっては特殊効果もありますし)どう部屋を配置して完成させるかという考えどころにつながっているのは面白いところだと思います。ちなみに、タイミングタイミングでどのキャラクターの能力が有効かを考えながら、トークンを優先的に獲得するプレイヤーを選択したりという、協力ゲームらしい駆け引きも必要ですね。

 一方で気になるのは、コンポーネントの視認性で、タイルの四方には部屋、扉、壁があるのですが、慣れない内はこれらの見分けが少ししずらいです。また、意外と悪霊の出現に関わる床の扉も見にくかったり。デザインの関係もあると思うのですが、もう一つは各タイルの周囲に少し白い枠があるせいで、接続(タイルをつなげたときのつながり)が分かり難くなっているというのもあると思います。この辺りは、次々とタイルを配置していくゲームなので、もう少し分かりやすいデザインにしてストレスがないようであればよかったのかな。

 また、手番には使用するトークンを宣言、ダイスを振る、アクションの実行とすることが多く、特にダイスによってどの悪霊が動くかによっても使用するアクションは変わっていく可能性があり、意外と手番(というかすること)ごとに考えることは多いです。タイルを配置するという一見手軽そうなイメージからすると煩雑といった印象で、ダウンタイムやゲームのテンポは気になりました。

 あとは、悪霊が婦人の近くに出現することを上記で良くも悪くもと書いていますが、悪い方の意味では出現したタイミングと位置によっては今回のゲームのように過程をすっ飛ばして即死の可能性がある(いやまあ、対策をしてないのが悪いと言えば悪いのですが)のは、プレイ時間が思ったよりかかるため、もう少し調整が欲しかったと思います。

 ついでいに言えば、タイルのみっしり詰まったコンパクトなコンポーネントは悪くないのですが、実際に収納するにはかなりきつめでしっかりきれいに並べなければならず、片づけが少し大変でしたね。

 とりあえず、自分では動くことすらできない婦人を、タイル配置、トークンの獲得と使用、アクションという、手番の一連の流れを上手くつなげどう救出していくかというのは悩ましくなかなか面白いとは思うのですが、気になる点で書いたタイルのデザインや手番ごとの負荷などプレイアビリティ面は全体的に気になったゲームでしたね。

 

 

☆惨劇RooperR(5th)

○概要

作者:BAKAFIRE

対象年齢:15歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60-240分程度

 

 惨劇の脚本家であるゲームマスターと複数人の主人公側のプレイヤーを別れて担当し、ゲームマスターは惨劇の実行を、主人公側は脚本家の演出する惨劇の真実を解き明かすことを目的としています。

 

①使用するシナリオを選択し、主人公側は公開シートを確認します。

②ループを始める前に主人公側は相談時間を設け方針の相談を行います。(ゲームに入ってから相談が出来るかどうかについてはシナリオの制限次第です。)

②ゲーム中の1日ごとに、各プレイヤーがボード場のキャラクターやロケーションにカードを伏せてプレイします。脚本家は3枚、主人公側は各プレイヤー1枚で、計3枚を配置します。

③カードには主にキャラクターを移動させるもの、暗躍カウンター(特殊な敗北条件やキャラクター能力のトリガー)や不安カウンター(事件のトリガー)の配置、友好カウンター(キャラクター能力の使用)の配置、もしくはそれぞれを禁止するといったものがあります。一部上位互換のカードもありますが、それらは1ループで1回しか使用できません。

④カードを公開し、その行動を処理します。

⑤脚本家は各キャラクターの裏の役割に応じたアクションを行うことが出来ます。

⑥主人公側は、各キャラクターの能力を使用するために必要な規定数以上の友好トークンが配置されていれば、そのキャラクターの能力を使用することができます。

⑦シナリオで事件の発生が指定された日で、1日の終わりにその事件の首謀者に一定以上の不安カウンターが配置されていれば事件が発生します。

⑧シナリオごとに規定された日数内に主人公側の敗北条件を満たすか、主人公側を殺害(一部の役割の能力などで可能)すればそのループは終了となり、新たなループの開始となります。敗北条件を満たさずにそのループを終えれば主人公側の勝利となります。

⑨主人公側がシナリオごとに決定されたループ数の全てを敗北すれば最終決戦となります。最終決戦において、主人公側は登場人物の役割を全て宣言し、それに成功すればプレイヤーの勝利、失敗ならば脚本家の勝利となります。

 

○プレイ経過

※ゲームの性質上、シナリオの内容を知ってしまうことで著しくゲームの面白さが低下してしまいます。そのためプレイ経過にはシナリオ内容は極力分からないように記載していますが、今後プレイする予定の方は読まない方がいいと思います。

 

 今回は全員が初プレイなので一番簡単なシナリオを使用します。脚本家は管理人が、プレイヤー側はちいと芋(一人不足する分は共用という扱いにしています。)が担当です。

 

 ゲームの初期配置はこんな感じで、6人の人物が登場します。一番簡単ということで3日間、3ループという期限設定で3日目にのみ事件が設定されており、この3日間を重要人物を生き延びさせる&主人公側が死なないことで主人公側の勝利となります。

 

 ちなみに、登場人物は画像の通り表向きのキャラクターとしての個性や能力を所持しており、この能力は友好を上げることで主人公側が使用できます。一方、脚本家のみ把握している裏向きの役割というものがあり、この役割による能力は脚本家側が使用できます。主人公側が勝利するためには、この裏向きの役割を把握することが重要です。当然使用された能力から推理するのですが、もう一つ重要な手がかりに「ルールX」と「ルールY」があり、それぞれのルールによって登場する役割(ルールによっては特殊な敗北条件もあり)に制限があるため、一部判明した役割などからどのルールが使われているかを推測することも大切となってきます。

 

 1ループ目。初日、まだまだヒントがないためとりあえずキャラクターの友好を上げようと動く主人公側に対し、早速脚本家が特定のキャラクターを移動させたことで重要人物が死亡。あるキャラクターの役割がほぼばれた形ではありますが、1ループ目は終了となりますw

 

 2ループ目。初回の失敗を繰り返さないように移動させる主人公側に対し、別のキャラクターの能力で殺害を試み、2日目に重要人物が死亡。1ループ目とは異なる役割が含まれていることがほぼ判明した形ですが、どのキャラクターか正確に分からないようにキャラクターを動かしています。

 

 最終となる3ループ目。これまでの2ループで得た情報から主人公側も重要人物の殺害を防ぎつつ、事件についても対策を行っているため、管理人は主人公側の殺害を狙っていましたが、たまたま上手く移動がかみ合い初日と同じキャラクターの能力で重要人物が死亡。これにより全ループで主人公側が敗北、最終決戦となります。

 

 最終決戦においては2ループ目で判明した役割がどのキャラクターのものであるかというのが勝敗の分け目となりましたが、主人公側の宣言が失敗。結果、脚本家である管理人の勝利となりました。

 

○評価

 某有名パソコンゲーム「ひぐ○しのなく頃に」「う○ねこのなく頃に」(管理人は両方ともプレイ済み)がもとネタと思われ、ループする世界の中で発生する惨劇の真実を解き明かしくい止めることを目的としたゲームです。特徴的なのはもとネタがそうであったように初回のゲーム開始時にはほぼヒントがなく、数ループは負けることを前提に同一設定のゲームを複数回繰り返すことで、惨劇が何故起こったのか、それは脚本家がどんな行動を行っていたことによるものか、情報を収集し世界のルールを掴み、徐々に真実を推理していくことが必要となります。

 脚本家側としてはゲーム開始時から全ての構成要素が分かっていますが、簡単に要素が明らかになる状況を作っては規定のループ数を超えることは難しく、如何に敗北の条件を作り出せる要素を隠匿するかが考えどころで、その状況が何故起こったのか解答が一つとならないように立ち回ることが大切となります。反対に主人公側として重要なのは以前のループで起きた同一の状況を作らないことで、同じ状況を再現してしまうと得られる情報が少なくなってしまうため、如何に以前の惨劇とは違った状況を作り出し、脚本家側の情報を引き出すかというのが重要となってきますし、場合によっては積極的に敗北するような状況を作りルールや役割を判明させることも作戦となってきます。この状況の対比による両陣営の駆け引きが非常に面白いところだと思います。ちなみに、こう書くと非常にややこしそうに聞こえ、実際に考えていることはややこしいと思うのですが、処理としてはお互いが3枚のカードをプレイすることと、そのキャラクターや役割の能力発動だけで行っているので、これは分かり易く良く出来ているところだと思います。

 なお、主人公側として同じシナリオを2回以上プレイすることは難しいゲームで、ゲームマスターとしても同じシナリオばかりでは展開が似通っていてすぐに飽きると思うため、繰り返しプレイをするには新たなシナリオが必要となってきます。とはいえ、管理人が所持している第5版には最初から10本のシナリオがついており、ホームページでもそれなりの数が公開されていますので、遊びきるにはかなりの時間が必要で足りなくなるという心配はあまりないと思います。最終的には自作も可能なので、そういうのが好きな方にもいいんじゃないかなと。

 一方で気になるのは、ルール、キャラクター、役割、ロケーションなどが密接に関連しておりそこを解き明かすのが面白くはあるのですが、推理ゲームなので何故そうなったのかの可能性が推理できなければ面白いと感じないとは思います。このため、ある程度の要素の関連を把握した上で臨む必要があり、ゲームを楽しむためのハードルの高さというのはあるかな。ちなみに、全員が同じようなレベルなら初級シナリオから始めて徐々にレベルアップでいいと思うのですが、初回から経験者に混じって中級以上のシナリオで楽しいと感じるにはかなり厳しいです。ただ、反対に経験者が既にプレイしたと思われる初級シナリオをプレイしても面白とはいえないので、プレイ経験が異なる人が混じったときにどうするかというのが難しいところかもしれません。ついでに中級以上の難易度のシナリオになってくるとキャラクターの人数や日数、ループ回数なども増えてくるため、結果的にかなり長時間のゲームになると思われ、このこともプレイへのハードルを上げていると思います。

 また、手番ごとにすること自体は手軽なのですが、どうしても考えるところが多くダウンタイムが発生しやすいのはあります。特に1人のプレイヤーで行う脚本家に比べ、3人のプレイヤーで行う主人公側は手番ごとに相談も起きる(ループの最初にも相談時間を設けることになっています)ので脚本家の待ち時間は余計に発生しやすいといった印象です。ただ、脚本家としては自分の仕掛けた罠にはまって見当違いの推理をしている主人公側を眺めている時が一番面白かったりもするんですけどね。

 とりあえず、プレイまでのハードルの高さというのが難しいところではありますが、脚本家と主人公側のそれぞれの立場にたった駆け引きが面白く、推理ゲームとして非常に良く出来ているとは思いますので、推理系が好きな方にはハードルを乗り越えてでも是非遊んでもらいたいと思えたタイトルです。

 

 

 ここで午前中は終わり、午後からはやまが参加して4人となります。

 

 

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