自宅ゲーム会142 前半 帝国の夜明け 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年5月27日

 

 さて、前日は午前中のみとやや不完全燃焼といったところ(とはいえ、全然燃焼しないよりはましw)でしたが本日は午後からちい、カイ、やまの4人でのゲーム会となります。とりあえず、昼一に到着したちい、カイと3人でやまが到着するまで手軽なゲームから開始です。

 

☆ビザンツ

○概要

作者:エマニュエーレオルネラ

対象年齢:8歳以上

対象人数:3-6人

標準時間:45分程度

 

 ビザンツの市場で物品を買いつけ、適切なタイミングで売り払うことにより、より多くの利益を上げることを目的とした競りゲーです。管理人が所有しているのは、最新作の「パイオニア(「自宅ゲーム会133 中盤」を参照。)」で最近名前を聞くようになったという絶妙なタイミングでニューゲームズオーダーさんが日本語版として再販したバージョンです。

 

①ラウンド毎にセットカードを数字の大きい順に山札にし、場の中央にセットカードに書かれた枚数のカードを配置し競りを行います。

②場のカード全てに対して手札のカードの値で値付けをするかパスを行います。1人のプレイヤーが残るまで競りは続けられ、値付けをする場合、その前に付けられた値より高い値を宣言しなければなりません。

③場のカードを獲得すると、競りに使ったカード、獲得したカードのうち1枚を市場に移し残りとセットカードを獲得します。

④セットカードの数字に合わせて場のカード枚数を減らし、ラウンド中に既に落札したプレイヤー以外で競りを行います。

⑤これを繰り返し、全てのプレイヤーがセットカード(とカード)を獲得するとラウンドが終わります。この時、市場にあるカードについて、セットカードの数字が小さいプレイヤーから順に1種類を獲得します。

⑥獲得したカードは3枚一組をプレイすることで得点化が出来、3枚の中で最も高い数字が得点となります。

⑦ラウンド終了時に手札の上限を超えているものは破棄します。

⑧ラウンドを繰り返し、山札のカードがなくなったらゲーム終了で最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。3人プレイであれば最初のセットカードの数字は「6」なので場には6枚のカードが並びます。

 

 途中の様子ですが、競りが行われるにつれ市場(左側のボード)にカードが溜まっていきます。

 

 そんなこんなでゲームは終了し、画像は得点化したカード。序盤から中盤にかけてはちいが優勢といった状況でしたが、中盤以降に管理人が盛り返しゲーム終了時の得点計算では逆転しており、管理人の勝利。

 

○評価

 場のカードを手札で競り、獲得したカードが手札になるといった感じの競りゲーで、手札を使って手札を競ることになるため、如何に必要のない手札で必要なカードを獲得しセットコレクションを作っていくかというのが悩ましくなっています。ちなみに、セットコレクションは任意のタイミングでプレイし得点にすることが可能で、手札の上限もあるためある程度定期的に得点化をしていかなければなりませんが、あまり一度にセットコレクションを作りすぎると続くラウンドで手札がなく競りで不利になるため、どの程度を得点化するかというのもなかなか難しいところです。また、セットコレクションは3枚のうち最も数字の高いカードが得点になるというのは少し変わっており、これにより安価に獲得できる数字の低いカードを集めることにも意味が出ているのは面白いところかな。

 あと、特徴的な要素で市場があり、競りで費やしたカードや獲得したカードの一部は市場に送られます。こうして集まった市場のカードは、ラウンド毎に最も獲得したカードの枚数が少ないプレイヤーから1種類づつ獲得していくことになりますので、競りに負けたプレイヤーの救済という意味合いもあると思いますが、逆に手札によってはあえて狙うというのも作戦になっており、この市場とどう関わっていくかというのも考えどころになっていますね。

 その一方で、市場の要素によって競りに勝てなくてもある程度の手札が入手できてしまうので、やや競りの駆け引きや盛り上がりにかけるところがあるのは気になったかな。市場には数字の小さなカードが集まりやすいのですが、それらのカードの使い道もあるというところも影響しているかもしれません。

 とりあえず、競りに負けてもそこそこの手札を入手できるチャンスがあるため全体的なキツキツ感がなく、テンポ良くゲームが進むところはいいのですが、その分一競り一競りのジレンマが弱いところはやや物足りない印象のゲームでしたね。

 

 

 ここでやまが到着したので、本日のメインを開始します。

 

☆帝国の夜明け

○概要

作者:マーティンワレス

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:150分程度

 

 3つの時代に渡って移り変わる世界の中で、文明を発展させ大帝国の建国を目指すことを目的としたゲームです。

 

①時代の前後半毎にディスプレイボードにタイルを配置します。

②手番ごとに時代の前半はアクショントラックにコマを配置していくことでそのアクションを実行します。後半は既に配置したアクショントラックからコマを取り除きそのアクションを実行します。後半のみアクショントラック上のコマの位置に応じてコストが必要な場合があります。

③アクションには「進歩タイルの獲得」「領土タイルの獲得」「都市タイルの獲得」「帝国タイルの獲得(後述)」「通商(資源を支払い勝利点や資金を獲得する)」があります。

④「帝国タイルの獲得」を行うことで、自分のキューブをメインマップ上に配置することが出来ます。この時、既に配置されているキューブを取り除き配置し直すことも可能です。また、タイルに描かれた効果を使用して他プレイヤーのキューブを除去することも出来ます。

⑤アクションが終了すると、食料、収入、勝利ポイントを獲得した各種タイルやメインマップ上のエリアから獲得することが出来ます。都市タイルの一部には維持コストがあり、次のラウンドも保持するためには維持コストを支払う必要があります。

⑥勝利ポイントが少ない順に次のラウンドに手番を実行する順番を決めます。

⑦前後半の2ラウンドが経過し時代が変わる場合、次の時代へ進歩タイルや都市タイルを保持するためには維持コストを支払わなければなりません。また、メインマップ上のキューブをエリア毎に半分除去します。

⑧3時代が過ぎればゲームは終了です。最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子で、管理人が赤、ちいが白、やまが青、カイが緑です。

 左にあるのがディスプレイボードで、獲得するタイルなどを配置しています。メインボードは中央にマップ、右上が順番トラック、その下がアクショントラック、左のトラックが食料トラックとなっています。マップはエリア毎に色分けがしてありますが、地中海沿岸の白がゲーム開始時から使用できるエリア、ヨーロッパ北部や南米、インド辺りの茶色は2時代目から、ロシアや中国辺りのこげ茶が3時代目から使用可能なエリアとなっています。

 

 最初のラウンドはこんな感じで経過しています。アクションでは基本収入につながる「領土」や、マップにキューブを配置する「帝国」辺りが人気ですが、管理人は「進歩」でもアクションを行っており、技術大国を狙います。領土はキューブが多く手に入る山岳に加え、通常はあまり効率が良くないのですが進歩の効果で任意のリソースが獲得できる島を中心に集めます。特に島は技術のないほかプレイヤーにとってはあまり美味しくないため競合がなく、管理人にとってはゲームを通じて生命線となっていきます。

 ちなみに、アクショントラックは前半はこのように右(画像では奥)からコマを配置して行きますが、後半になるとこのコマを取り除くことでアクションを行います。この時、左側にまだ他プレイヤーのコマがある場合、コストを支払わなければならなくなります。

 

 最初の時代が終わった時点でこんな感じです。メインマップについてこの時点では微妙に管理人とやまが競る部分はあるものの割と住み分けている状況です。一応、多くの領地を持つ管理人が僅かながらにトップ。管理人はこの時点で6つの技術を持っていますが、時代を超える際のコストはかなり痛かったりします。

 

 続く、第2世代(おそらく大航海時代)。前半は山岳×2を中心とした領土から多くのキューブを獲得していた管理人が一気に領土を広げ、全体の半分ほどは支配下に置き優位に立ちます。

 

 後半(4ラウンド目)。さすがに前半で目立ちすぎたこともあり、残りの3人から集中攻撃を受け一気に領土を失います。しかしながらここまでのアドバンテージもあり、他の3者を引き離しています。ちいはここまで領土争いで後手を踏んでおりかなり出遅れた感じかな。

 とはいえ、管理人は資源地帯の多くは何とか保持しており有数の資源大国、さらに、領土からの収入などでもかなり資金を溜め込むことが出来たので、第3世代目は作戦を変更します。

 

 第3世代前半。重要拠点の保持はともかく、勢力拡大をあきらめた管理人に代わり、勢力を伸ばしてきたのはちいと、カイ。特にちいはこの辺りから、技術とメインマップの確保により一気に追い上げを見せます。

 そんな2人を横目に、作戦変更した管理人、同じタイミングで同じ作戦にシフトしたやまの2人は建物、その中でも大きな勝利点につながる脅威の建築物を取り合います。

 

 最終ラウンド、高得点となるこげ茶色の地域で総力戦と言わんばかりの争いが勃発したりもしましたが、何だかんだとゲームは終了。ゲーム序盤から計画通り立派な技術大国に仕上がり、それらの技術を活かしながら常に1位を走っていた管理人が、そのまま逃げ切り勝利。2位はこれまた終始2位につけていたやまがそのまま。序盤から中盤の劣勢を後半凄まじい追い上げで挽回し、2位まであと1点と迫ったちいが惜しくも3位。4位はカイといった結果でした。

 

○評価

 「借金」「鉄道」「重ゲー」のイメージのあるワレス氏による「借金」も「鉄道」もない「重ゲー」で、文明発展をテーマにしたワーカープレイスメント系のゲームとなります。とはいえテーマ&ワレス氏作というイメージからするとアクションは5種類しかなく、その多くがタイルの獲得に関するもので、それぞれ特殊なアクションや収入などが獲得できる「進歩」、定期的な収入につながる「領土」、建設や維持にコストがかかるかが直接勝利点につながる「建物」と、文明発展の要素は基本的にタイルの獲得という形になっており、かなりシンプルにまとまっている印象です。

 また、文明発展と並んで重要となるエリアの拡張についても「帝国タイルの獲得」という形で拡大出来る範囲、攻撃の機会が定まっています。この手のゲームにしては戦争の処理が非常に簡素ですが、単純なマジョリティだけで済ましておらず、それでいてスピーディーに(タイルによって回数も限られるため)収束を良くしているのは、これはこれでいい処理だと思います。

 面白いのはそのアクションの選択方法で、各時代の前半はアクションごとに回数に限りがあるものの任意のアクションを選択することが出来ると一見ほぼ普通のワーカープレイスメントです。しかしながら、後半になると前半に実行したアクションを再度実行することしか出来ず、例えば前半戦で「進歩」を選択していなければ後半にどれだけ欲しい進歩タイルが出てきたとしても獲得することができないため、前半は前半だけでなく後半に何が行いたいかというところまで含めて選択する必要があります。加えて、後半は自分のコマがあったとしても他プレイヤーのコマが前にある状態でアクションを選択すればコストがかかってくるため、前半に遅く実施したアクションほど後半になると先に選択しやすくなります。各種タイルは早取りなので、狙いのアクションは早く行いたいのですが、それが後半にも影響するためアクション順も大切な要素になってきます。ちなみに、これを利用してあえて手前にあるアクションの実施を後回しにすることで、他のプレイヤーに負担をかけるなどの駆け引きも発生します。こういった要素を考えながら、どのアクションをどの順に選択していくかというのはかなり悩ましくなっています。

 一方で気になる点としては、ゲームの準備でタイルを時代ごとに重ねたりしなければなりませんが、そういう作業をするにはややディスプレイが窮屈で数も多いため、一連の準備にやや時間がかかるかなというところがあります。

 また、上記の通りアクション自体は比較的シンプルではありますが、獲得できるタイルは多岐にわたりそれぞれがアイコン表記であるため、慣れるまではタイルの効果をその都度確認しなければなりませんし、アクション終了後の収入等の処理についても慣れるまでは確認が必要と、この辺の確認作業は少し手間かなという印象です。

 とはいえ、これらの点はこの規模のゲームなのである程度は仕方ないという範囲で大きく気になるものではなく、とりあえず変則的なワーカープレイスメントによりどのタイルを獲得して文明を発展させるか、シンプルにまとまった文明発展系としてとても面白いタイトルだと思います。

 

 

予想通り「帝国の夜明け」が長時間ゲーで、残り時間も少なくなったので後は手軽なゲームを行っています。

 

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