自宅ゲーム会139 後半 ボロディノ1812  | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年5月19日

 

 しょうとカイが帰宅し、残ったちいと2人で積木のウォーゲームです。

 

☆ボロディノ

○概要

作者:TomDalgliesh&CarlWillner

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:2-4時間程度

 

 「ユリウスカエサル(「ボドゲ紹介1」 を参照。)」などを製作したコロンビアゲームズのタイトル。この会社らしく積み木ブロックを使用したエリアタイプのウォーゲームで、ナポレオンのロシア遠征におけるボロディノの戦いをテーマにしたタイトルです。ちなみに、同じナポレオンの戦いをテーマにした「ナポレオン(「自宅ゲーム会94 後半」を参照。)」とは異なるシステムとなっています。

 

①ターン開始時にダイスを振って先攻、後攻を決定します。

②手番になると、まず司令部を活性化させます。

③活性化させた司令部の指揮範囲内にいる所属部隊は砲撃もしくは移動をすることが出来ます。指揮範囲外にいるユニットについては落伍判定(失敗すると兵力が減少)によって移動ができます。

④砲撃は砲兵のみが実行でき、隣接エリアに攻撃が行えます。

⑤砲撃を実行した砲兵以外は移動できます。この時、相手プレイヤーのユニットのいるエリアに侵入したら後攻の手番終了後に戦闘となります。

⑥活性化した司令部は1兵力を減らし、部隊のユニットが全て移動した後で行動を行います。ターンごとに任意の数の司令部を活性化させることが出来ます。

⑦戦闘はユニットのイニシアチブ順(ユニットごとに判断し、同様の場合は防御側が優先)に、兵力分のダイスを振り、戦闘力以下の目が出ればヒットとなります。どちらかが全滅や退却によりユニットがいなくなると残った方が勝利ですが、第3戦闘ラウンドで決着がつかなければ攻撃側は撤退となりますが、防御側は追撃が行えます。

⑧戦闘が終わると、両軍とも補給線の通っているユニットを対象に、補給ポイントを消費し兵力を回復させることが出来ます。

⑨これらのターンを繰り返し、ゲーム終了時に除去したユニット及び占領している要塞に応じた勝利点を集計し、得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 シナリオはボロディノの戦い前哨戦である「シュバルディノ塁の戦い」と本戦「ボロディノの戦い」及び両シナリオをつなげたキャンペーンがありますが、今回は「ボロディノの戦い」を選択し、そのゲーム開始時の様子です。手前の緑はロシア軍で担当は管理人。奥の青がフランス軍で担当はちいとなります。

 

 初期配置ですが、ロシア軍中央から左翼にかけての前線はバグラチオン率いる第2軍。後方、中央辺りに第1軍司令官のバルクライ及び総司令官のクトゥーゾフが配置されており、中央から両翼にかけて広く第1軍が配置されています。ちなみに、その中でも中央やや左後方に控える第5軍団は近衛となっており強力なユニットが控えています。

 

 一方、フランスは全体的に中央に厚い配置で、中央後方には非常に強力なフランス近衛兵団及びナポリ国王のミュラ率いる騎兵団+ジュノー(この中にあっては特徴がないw)が配備。前線はダヴー率いる第1軍団とネイ率いる第3軍団が中央に、左翼(ロシアから見れば右翼)はイタリア副王ウジェーヌ率いる第4軍団、右翼はポーランドのポニャトフスキー率いる第5軍団が配備されています。

 

 序盤、中央での砲撃による牽制から戦いは始まりますが、お互い出目はいまいちで崩すことは出来ず。

 フランスは左翼の第4軍団を前進させますが、それに対し、ロシアは右翼後方に控えていた第4軍団及び第1軍騎兵団をフランス軍左翼の外側に回りこませるように機動させ包囲を試みます。

 

 2ターン目が終わった辺りです。引き続き右翼が主戦場となっていますが、フランス第4軍団は正面で第2軍団が足止めし、その隙に周囲の大砲を集め砲撃を仕掛けます。それで十分対応できそうということもあり、右に大きく迂回させた2つの軍団は第4軍団の側面に攻撃をかけず、フランスの補給源までさえぎる敵がいなかったため好機と見てそのまま右奥へ向かわせます。

 

 一方、フランスの中央に陣取っていたダヴーですが正面の突破は難しいと判断したのか、左翼寄りに兵を進めています。

 

 続くターン、右翼に対面するフランス軍に対し砲撃で打撃を与えたところに、第2軍団、第6軍団を突撃させます。結果としては勝利でしたが、大きな損害を受ける前にちいが後退したため、ユニットの除去には至らず。ちなみにこの間、ロシアの左翼が反対にフランス第1軍団の猛攻を受け、支えきれずに後退しています。

 

 そんなことをしているうちに、右奥の補給源を目指していた部隊は無事補給源の確保に成功。ただ、ミュラの騎兵団が近くに集結してきています。ここで、これら2つの部隊をどう扱うか悩んだのですが、ここは囮と割り切り第4軍団をそのまま前進させ補給源の守りとし、先に補給源に到達していた騎兵団はフランス軍の隙をつき更に奥、マップ中央にある補給源を目指しタイミングよくなんと占拠に成功。

 

 さすがに4ポイントある補給のうち3ポイント(中央が2ポイント)が欠けるのは厳しと判断したフランス軍は、既に第4軍団の周囲に展開していたミュラはそのまま第4軍団に、中央に進出してきた騎兵団には近衛兵団を差し向け攻撃を仕掛けてきます。ロシアとしてはこの攻撃を数ターンしのぎつつ右翼から中央にかけての突破を計画していました。

 

 結果として、第4軍団に関してはミュラの騎兵団の攻撃で瞬殺、中央の騎兵団はもう少し粘ったものの、さすがに近衛兵団の攻撃には耐え切れず全滅。と思った以上にフランス軍中枢部隊が強力で想定ほど耐えることは出来ませんでしたが、それでも一旦中央の主力が後方に力を向けた隙をついて中央の部隊を前に進めます。

 右翼に関しても徐々に戦線を押し上げてますが、フランスは致命傷を受ける前に上手く後退しており損害としてはそれほど与えることが出来ていません。

 

 一方、左翼ではフランス第1軍団に対して第3軍団、第2軍騎兵団が相対していますが、初戦で受けた第3軍団の損害が大きく徐々に押し戻されている状況です。

 

 この時点ではまだ近衛兵団の主力にしてもミュラの騎兵団にしても後方に位置していたこともあって、再度中央と右翼で攻勢をかけます。と、主力をシュヴァルディノ要塞(画像左上、ロシア軍3ユニットで攻撃をかけている位置)の奪還に差し向けたのですが、なんとそこにいたのはナポレオンとモルティエ(近衛兵団の指揮官)のみ。しかも両ユニットとも部隊の機動によって兵力が尽きかけている状況と、かなりの好機で、ここで両者を討ち取ることが出来れば近衛兵団が麻痺すると喜び勇んで攻撃を仕掛けましが、結果としてはモルティエのみ撃破に成功し、ナポレオンには逃げられてしまいます。

 右翼についてもやはり致命傷を与える前に退却されてしまい、かなり押し込んだもののネイが率いる第3軍団に援護される位置まできてしまい、これ以上前に進めることは難しい状況となります。

 

 かなり残り時間も少なくなって来ましたが、中央と右翼はこれ以上の攻勢が難しい状況となってきたため、ロシアの近衛兵団である第5軍団を左翼に向け、第2軍騎兵団と連携してフランス第1軍団を狙います。

 

 そんな終盤戦。まず仕掛けてきたのはフランスで、ロシア右翼にミュラの騎兵団を進めてきます。突破を防ぐため第4軍団と相対していた部隊からかなりのユニットを引き抜いたこともあり、右翼は全体的に後退させ防衛ラインを引きなおします。

 また、中央ではフランス軍近衛を中心とした砲撃が激しく、シュヴァルディノ要塞の保持をあきらめ後退しています。

 

 右翼はお互いに膠着。中央はフランス軍が部隊を前に進めてきています。実際にはこの時点でロシアの中央は損害が著しくほぼ戦闘能力がない状態で、フランスが中央で攻勢をかければあっさりと崩れたと思われます。しかしながら、一応ユニットの数だけはいたのでフランスも用心して積極的な攻勢がないまま、中央も膠着となります。

 

 この時点のVPはフランスが勝っており、負けているロシアとしては何とかフランスに損害を与えたいところで、最後に近衛第5軍団を中心に左翼で攻勢に出ます。しかしながらこの一番でダイス目が奮わず失敗、逆に近衛が壊滅してしまうという結果でした。

 

 そして夜を迎えたことでゲームは終了となり、終了時はこんな状況です。見た目としてはロシアが押し戻したようにも見えますが、中央、左翼の損害が著しく張子の虎もいいところでしたね。

 ゲームを通じてロシアが討ち取ったのはモルティエ、第4軍の1ユニットと計2ユニットしか(その中にモルティエがいるところが良くわかんないですがw)討ち取っておらず、反対に10ユニット以上を撃破しているフランスの勝利となりました。前半戦の損害が勝敗を分けたといえますが、その結果としてナポレオンを壊滅寸前まで追い込み、モルティエを討ち取れたので作戦として失敗だったかという評価は難しいところです。

 

○評価

 積み木ゲームの書き出しはいつもコピペですが、基本的に積み木を使ったことによる戦場の霧や部隊の段階的な戦力表現、運の要素など概ねのシステムの評価については、「ユリウスカエサル(「ボドゲ紹介1」を参照)」、「ハンマーオブザスコッツ(「自宅ゲーム会68 中盤」)」と同様でなのでそちらを参考にしてください。

 ユニットの行動には、カードを使用せず各司令部を活性化させることで指揮範囲のユニットの行動を行う方法がとられており、自然と各軍団単位を中心とした行動をとるようになっています。この辺りは「コンバットインファントリー(「自宅ゲーム会127 中盤」を参照。)」と同様ではありますが、コンバットインファントリーと異なりひとつの軍団の活性化ごとに手番は変わらず、手番の際には任意の数の軍団を活性化し行動させることが出来ます。このため、手番ごとに全軍団を行動させることも可能なのですが、これもコンバットインファントリーと異なり活性化には司令部の消耗がついてくるため、ターンごとに全軍を行動させていては補給が間に合わず、いずれ自由な行動ができなくなります。限られた補給をどう使いまわし、ターンごとにどのそしてどれだけの司令部を活性化させるのかというのは悩ましく、戦局に合わせて行動させる部隊の数に緩急をつけながら軍全体をコントロールしていくのが面白いシステムだと思います。

 一方で気になる点として、両軍のバランスがいまいち、端的に言ってしまえばフランス軍が強すぎるのではないかというところがあります。というのもミュラ、ダヴー、といった中核を担う部隊のレーティングはロシアに比較し全体的に優れている上、何よりフランス軍の近衛兵団はこれらの軍やロシア軍近衛と比べても質、量ともに充実しており、ロシアのユニットでは安易に対抗できそうにありません。そして、単純なレーティングだけではなくフランス軍はロシアに比べ各軍団の規模が大きくなっており、軍団の規模が大きければそれだけ司令部を活性化させた際に動かせるユニットが多くなるため、フランスの軍団と同じ数のユニットを動かそうとすればロシアでは2~3個軍団を活性化さる必要があります。司令部の活性化には消耗が伴うため、結果として同じ数だけユニットを動かしているのに方や消耗が1、方や消耗が倍以上ということになり、両軍の基本となる補給ポイントは同じなので、これらがレーティングと合わさってロシアを大きく不利にしている印象なんですね。一応、フランス軍のユニットは除去された場合のVP損失(ロシアが得るVP)が倍というのがあるにはあるのですが、レーティング&軍団規模の差は補えていないかなあと。ただまあ、もともとフランスが勝った戦いなのでフランス軍有利が必ずしも悪いわけではないですし、ほんとに補えていないかは要検証ではあると思います。

 とりあえず、バランス面が気になったものの、システムは面白く仕上がっており、積木のウォーゲームとしてはなかなか楽しめると思います。

 

 

ここで時間となり、本日のゲーム会は終了となっています。

 

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