自宅ゲーム会132 中盤 属州統治ローマの力 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年4月3日

 

☆属州統治ローマの力

○概要

作者:千葉一葉(植民地戦争+α)

対象年齢:12歳以上

対象人数:1-3人

標準時間:20-60分程度

 

 古代ローマ帝国を支えた属州の総督となって任期中に大きな成果を挙げ、次期皇帝の座を目指すことを目的としたゲームです。手番プレイヤーが選択したアクションを全員が実行するという「プエルトリコ(プレイ済み、ブログ未登場)」のようなシステムが特徴です。

 

①手番プレイヤーがアクションを1つ選択し、そのアクションを全員が実行します。

②アクションには「討伐(個人ボードの蛮族を討伐)」「生産(民を個人ボードに配置)」「収穫(配置した民を回収し資源の獲得)」「賄賂(行政カードの獲得)」「行政(初期からある4種類と行政カードに応じたアクションのうち1つを実施)」があります。それぞれのアクションには、選択したプレイヤーへのボーナスがあります。

③全プレイヤーが手番を行うとラウンドが終了となります。次ラウンドはスタートプレイヤーを交代し、再び手番を行います。

④プレイ人数に応じた回数ラウンドを終了し、最後はボーナス付きのアクションを各プレイヤーが実行したらゲーム終了です。

⑤民、金、蛮族のいない集落、行政カード等から得点を計算し、最も得点の高いプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。個人ボードとなる属州はプレイヤーごとに異なり、管理人がキプロス、ちいがシチリア、カイがヒスパニアとなっています。それぞれ、初期の行政アクションや、各集落から獲得できる収穫物、集落同士のつながりといったものが異なっています。

 中央にあるのがラウンドを示すだけですがメインボード、その左が獲得できる行政カード、下がアクションを選択する際に選ぶアクションタイルです。

 

 管理人は討伐アクションにより奴隷を獲得(アクション選択ボーナス)し、奴隷を鉱山に送ることで金を獲得する作戦です。ちいは資源を生産しその資源から民を確保する作戦。しょうは資材から金を作り出す作戦といった感じでゲームは進みます。

 

 管理人は得点の高い行政カードを集めつつ、「浴場(他プレイヤーの選択したアクションを選択できるようにする)」でアクションの自由度を確保しています。また、この後「灯台(場に出ている行政カードのアクションを実施)」を獲得し、その効果で場の「集会所(行政アクションの2回実施)」「闘技場(奴隷を金に変える)」を活用し金を次々に量産します。

 

 そんなこんなでゲーム終了です。民を量産したちいもなかなかの得点ではありましたが、行政カードと大量に生産した金により管理人が大きく引き離しての勝利となりました。

 

○評価

 「プエルトリコ」と同じく、全員がアクションを行う役割選択の駆け引きを残しつつ、全体的に緩く軽量化したゲームといった印象です。

 とはいえ役割を選んだプレイヤーにはボーナスがありラウンド中は同じ役割を選択できないというのは同様であり、他プレイヤーが何を選ぼうとしているかを考えつつ、どの役割を選ぶかはやはり悩ましいところです。ただ、プエルトリコに比べると他プレイヤーが選択したアクションを実行できない(自分だけもしくは他人だけが得をする)という状況は少なく、どちらかといえば如何に自分の得点が伸びるようにアクションを選択していくかというところが大切かなといった印象です。

 面白いのは「行政」のアクションで、各属州にはゲーム開始時から4種類の「行政」アクションが設定されていますが、それ以外にも贈賄のアクションにより行政カードを獲得することでアクションを拡張することが出来ます。つまり自分の作戦に合わせた行政アクションを増やしていけるということですが、特に終盤になるとこれらを組み合わせることで、上手く得点に結びつけることも可能で行政カードの組み合わせというのは良く考えて獲得したいところです。

 一方で、中盤以降になって蛮族がある程度いなくなると「討伐」の重要度が下がり、反対に「行政」の重要性があがってくるので、アクションが5つと少ないこともあってやや役割の駆け引きというのが薄くなってくるようなところはあります。

 また、せっかく蛮族を討伐して全ての集落を開放しても、「生産」は全集落に同時に配置できますが「収穫」のアクションでは1集落(ボーナスで2集落)のみからなので、終盤になってもほとんど特定の集落のみで「生産」と「収穫」を繰り返すため資源獲得効率はほとんど変わりません。完全に下位互換の集落もあり得点面以外で集落を開放していく意味が薄く、この辺はややもったいないのかなと。

 この他、同人ということもありややコンポーネントが気にならなくはないですが、とりあえず、プエルトリコのシステムをベースに役割の駆け引きを手軽にしたぶん、どのように行政を活用するかという別の考えどころがあり、なかなか面白いゲームだと思います。

 

 

☆シュメール王国

○概要

作者:ディルクリーケンス

対象年齢:10歳以上

対象人数:3-4人

標準時間:30-60分程度

 

 古代シュメール王国における都市国家の支配権を争うエリアマジョリティ系のゲームで、時代の変遷やプレイヤーの行動により繁栄している(決算が起こる)都市国家が変わるのが特徴でしょうか。

 

①手番になると「商人の配置(コマの配置)」「商人の撤退(自分のコマの除去)」「商人の移動(自分のコマを移動させる)」のいずれかのアクションを行います。順番にアクションを行い、3巡したところでラウンドが終了となり決算が行われます。

②商人の配置」は配置したエリアが、「商人の移動」は移動先のエリアがそれぞれ影響力を上げ、「商人の撤退」は撤退したエリアの影響力を下げます。ラウンド終了時における上位3箇所のエリアで決算は行われます。

③決算が行われるエリアにおいてより多くの商人コマを配置しているプレイヤーが影響力カウンターを獲得します。

④6ラウンド行うとゲーム終了となり、その時点に所持している影響力カウンターにより勝利点を計算し(同種のものを多く持つほど得点効率が上がる)、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲームの初期セットアップが終わったところです。画像はマップを反対から見た形になっていますが奥に並んでいるのが各エリアタイルで、このラウンドは終了時に右から3つめまでのエリアの決算が行われることになります。より上位のエリアほど獲得できる影響カウンターの選択肢があります。

 

 

 最初のラウンドが終了したところです。最初の決算は左手前と中央手前、左奥の三箇所で管理人は上手く各決算に絡んでいます。

 

 第2ラウンドが終わり、第3ラウンドに入ったところです。最初の決算エリアに管理人とちいが力を入れていたこともあり、それを放置してそれ以外のエリアに力を入れていたしょうが、この辺りのラウンドでは上手く稼いでいました。

 

 中盤から終盤にかけてはちいがかなり上手く立ち回り影響力カウンターを集めていく展開です。ただ、中盤以降低迷していた管理人ですが、何とか2位に絡みつつ狙いの影響マーカーをピンポイントで集めていきます。

 

 そんなこんなでゲーム終了です。影響力カウンターの枚数で言えばちいが最も多かったのですが、セットとしては管理人が揃っており、何とかちいを上回ったことで勝利となりました。

 

○評価

 コマを操作することで決算の起こるエリアをコントロールすることができるエリアマジョリティ系のゲームです。決算の起こるエリアは並べられたエリアタイルが入れ替わるという形であるので単純に狙いのエリアを上げるだけでなく、上位エリアに送り込んだコマを撤退させ影響力を下げることで間接的に狙いのエリアを上げるということも可能というのは面白いところかな。エリアを独占することでそのエリアに他のプレイヤーが直接が影響力を与えることが出来なくなるため一見有利そうですが、逆に独占をしてしまうと自分でも直接的に上げることができなくなる(コマを配置したり、そのエリアに移動してきたりということができなくなる)ため必ずしも有利とは言えず、自分でコントロールできる余地を残しつつ他プレイヤーからの影響を防ぐのか、この辺りは難しいところですね。

 また、ランダム要素が毎ラウンドの影響力カウンターしかなく、基本的なプレイはかなりアブストラクトチックな感じで、コマを操作することで決算の起こるエリアはどんどん変わっていくため、如何に自分が有利なエリアで決算を行うか、如何に相手が有利なエリアを決算から外すか、ラウンド毎に3アクションしかないということもあり、一手一手がかなり悩ましいです。アクション数が少ないためそのラウンドだけの目先のことを考え過ぎると以降のラウンドでどうしようも出来なくなる可能性もあり、先のラウンドを見越したプレイも重要となってきます。ちなみに、影響力カウンターは特定の種類を集めることで得点が上がるのである程度絞って集める必要があり、他プレイヤーの狙いによっては2位でも必要な影響力カウンターを確保できる可能性はあるため、その辺りの見極めも必要になってきそうです。

 一方で、上記の通りほぼアブストラクト、コマの移動によりエリアの順位が変化するため一手一手がじっくりという感じで、全体的に地味というか渋いというかそんなプレイ感なところは好みが出そうです。

 また、1コマを動かすだけでエリアの順位は変わってしまうため後手番が有利なシステムとなっており、4人までの対応となっていますが、後手番の回数が不平等となる4人よりは平等に回ってくる3人の方がバランスが取れているような気がします。まあ、それだけならいいのですが、影響力カウンターがランダムで好手番のときにタイミングよく欲しい種類が出るかというところがあり、この辺はちょっと気になるかな。

 とりあえず、なんだかんだ言っても1ラウンド3手番×6ラウンドで終わるためプレイ時間は短くも、手番手番の中でどうエリアの順位を変動させるかが考えどころでじっくりとしたゲームですが、この渋さがあえば悩ましさを楽しめるゲームだと思います。

 

後半に続きます。

 

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