自宅ゲーム会114 後半 イントリーゲ 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成29年12月23日

 

 前半に引き続き4人でのゲーム会となりますが、残り時間はステファンドラ氏のタイトルを2本プレイしています。

 

☆バケツ崩し3D

○概要

作者:ステファンドラ

対象年齢:8歳以上

対象人数:2-6人

標準時間:20-30分程度

 

 動物園の動物たちによる、飼育員によってきれいに積み上げられたバケツをいかに崩すかを競うゲームです。「バケツ崩し(管理人は未プレイ)」というゲームのリメイクで、3Dとついているものの基本的なルールはほとんど変わっていないようです。ただ、もともとはバケツがタイルでしたが、3Dというだけあって立体的になりアクション要素が加わっています。

 

①初期手札を配布し、手札の確認を行ってから5色のバケツをピラミッド状に積んでいきます。

②スタートプレイヤーは手番順を時計回り、反時計回りのどちらかを選択した上でカードをプレイします。

③手番順に同じスートでより数値が高くなるようにカードをプレイし、カードを1枚補充します。

④出せない、もしくは出したくない場合パスを行い、自分のバケツの山からスートと同色のバケツを1つ取り除きます。

⑤これらを繰り返し、いずれかのプレイヤーがバケツを全て失ったらゲーム終了となり、その時点で最も多くのバケツを残していたプレイヤーが勝利します。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。概ね各プレイヤーとも得意なスートが下側に、苦手なスートが上側になっていると思われます。

 

 最初に「赤」のスートで敗北し、管理人のバケツが崩れます。ただ、ここからは比較的堅実にゲームを進めることができ・・・

 

 中盤の様子です。ちいの山(右)がかなり崩れていますが、センの山(見えませんが左)もちいとほぼ同等。一方で、やま(向い)は頂点のバケツを取り除いたのみで、この時点ではかなりの余裕がうかがえます。ただ、このあとはやまの敗北が続きます。

 

 その結果、一気にこんな感じです。ここらあたりから終盤といえ、お互いバケツの残りが心もとなくなっていきます。

 

 そんなこんなで、最後はちいがバケツを全て失ったことによりゲーム終了となり、他のプレイヤーの残ったバケツを確認します。結果、序盤から中盤にかけて早々にバケツを減らしていたセンでしたが、中盤以降はバケツを失う機会が少なく1個差で管理人とやまに競り勝っての勝利となりました。

 

○評価

 競りのようなカードプレイで、バケツを取り除くプレイヤーを決定するゲームで、いかに他のプレイヤーの山を崩すか、いかに自分の山の弱点となるバケツを取り除かれないようにするかが考えどころです。ちなみに、通常この手のゲームの場合、スタートプレイヤーから一方向で手番が回ることが多いですが、このゲームの場合はスタートプレイヤーが回る方向を選択することができ、これと競り値をどれくらい吊り上げるかを組み合わせることで、バケツを取り除かせたいプレイヤーへある程度誘導することも可能となっており、見た目に比して結構攻撃的なゲームと言えますね。

 初期の手札が配られてからバケツの山を構築しますが、この時点で自分が得意なスートと苦手なスートのバケツをどう割り振るかには頭を悩ませます。というのも、得意なスートを下に集めるのは定石かもしれませんが、いくら得意なスートとはいえそれは初期手札のみの話しで、ゲームを通して手札が入れ替わっていくことを考えると、ある程度複数のスートを混ぜておく必要があるといえますし、あまり偏った構成をすると苦手なスート、得意なスートを他プレイヤーに読まれることにもなるため、この辺のバランスは難しいところです。

 また、カードのプレイにあたっては手番ごとに3枚までプレイが可能なのですが補充は常に1枚となっており、積極的に攻勢に出ると手札切れになることもあり、攻め時や引き際の判断は大切になってきます。

 面白いのはプラスチック製のバケツによる「3D」の部分で、これにより予定外なところが崩れたりすることもあるため、バケツを取り除くときのドキドキ感は楽しいですね。といいますか、元版は平面上にタイルで並べて取り除くかたちとなっており、これだと下段を取り除いても積みあがったタイルで崩れるものは明らかで、想定外なこともなく淡々としたプレイになりそうな印象です。現状、元版の方がそもそも入手困難ということもありますが、この二択だと「3D」の方が楽しいと思います。

 気になる点としては、最下段のみとなった場合など、バケツを1個1個取り除くような地味な展開になりやすく、ラウンドを重ねる必要もあって、ちょっと収束の悪さがあるかなという印象です。全てのバケツがなくなった脱落者が出たらという終了条件ではなく、もう少し違ったものでも良かったような気がします。

 とりあえず、最初に攻撃的と書いていますが、全体的に緩いアートワークと実際にバケツを組み上げるという部分で緩和しており、終盤が若干気になるものの、総じて手軽に楽しめるゲームとなっていると思います。

 

 

☆イントリーゲ

○概要

作者:ステファンドラ

対象年齢:14歳以上

対象人数:3-5人

標準時間:45分程度

 

 中世イタリアの都市国家を舞台に、自国の有能な人材を他国に就職させ、それらの人材から得た収入で自国を富ませることを目的で、ほぼ全てが交渉によって進むゲームとなっています。

 

①手番になると最初に送り込んでいる人材から収入を得ます。

②他のプレイヤーから就職の依頼が来ている人材について、賄賂を受け取り自分の都市に就職させるもしくは就職を拒否します。就職先は収入の異なる4種類があり、人材も4つの専門職に分かれていて、各就職先に人材は一つ、各専門職は1人までという制限があります。なお、競合のいない新規の専門職は必ずいずれかに就職させる必要があります。

③新規の専門職や、競合のいる専門職について派遣したプレイヤー及び就職中のプレイヤーは賄賂を渡し就職を依頼します。就職中で、競合する専門職の派遣がなければ賄賂は必要ありません。

④賄賂を渡す際など、交渉については自由で特に制限はありません。また、全ての約束に拘束力はなく、約束を守る必要もありません。

⑤手番の最後に自分の人材を2名いずれかのプレイヤーの都市へ派遣します。

⑥これらを繰り返し、5ラウンドが経過したらゲームが終了となります。ゲームの終了時に最も資金を所有しているプレイヤーが勝利となります。

※都市の就職先の数や人材の数、ラウンド数などは版によって異なるようです。

 

○プレイ経過

 白が管理人、青がセン、緑がやま、黒がちいで、ゲームスタート時の様子です。この時点では各都市とも就職者はおらず、手番順に手元の人材を派遣していきます。

 

 序盤は各都市とも就職先に空きがあるため、その中でできるだけ高い就職先を希望しようと交渉が行われています。

 

 中盤に入って全ての就職先が埋まると、今度は雇用の維持を訴える側と新規就職を依頼する側で交渉が激しくなってきます。特に各都市における最高額の就職先についてはかなり高額な賄賂が飛び交うこともありました。が、一方で賄賂を受けとるだけ受け取って(ルール上賄賂の受け取りは強制ですが)、依頼を反故するケースも結構見られましたね。

 

  

 全体的には管理人はやまとセンのそれぞれと比較的友好的な関係を築き就職は有利に進んでいきましたが、中盤を過ぎたところで管理人が3万を超える高額収入を獲得したため、両者の態度が変化します。ただ、残り時間が少ないこともあって、この時点で充分な資金を持っていた管理人は、賄賂を最小限にして、無理に雇用を維持しせず資金を温存する方向で交渉を進めます。

 一方、ここで管理人の雇用を切り崩すように割り込んできたのがちいで、管理人が賄賂をケチっていたこともあり、少ない賄賂で就職を成功させます。

 

 そんなこんなでゲーム終了です。所有する資金を確認すると、管理人が14万に対しちい14万4千と僅かに後半に追い上げたちいが上回り、ちいの勝利。3位はやまで4位がセンという結果でした。

 

○評価

 交渉で進むゲームとして「チャイナタウン(「自宅ゲーム会41 3日目 後半」)を参照。」や「クオヴァディス(「自宅ゲーム会66 後半」を参照。)」などがありますが、シンプルなコンポーネントやルールもあいまって、それらよりもより交渉に特化しているという印象です。

 このゲームの何よりの特徴として「交渉の結果に拘束力がない」というのが交渉ゲームの中でもかなり異質といえるルールになっており、この要素は賛否両論あると思いますが、面白いのはこのことにより、義理と実利のどちらを優先するかというのが交渉ごとにかなり大切になってきます。当然実利を優先させたほうが一時的な収入としてはいいのですが、その一方で交渉自体はオープンで行われているため、不義理なプレイヤーには就職希望者が来なくなったり(賄賂をもらえない)、派遣切りにあったりと長期的に見た場合必ずしもプラスになるかといえばそうともいえません。この辺を踏まえての交渉における駆け引きはかなり悩ましくなっていますね。

 また、交渉が主ではあるのですが、その都市に就職していない専門職については空いているいずれかの職に必ず就職させてもらえたり、一度就職した人材は競合が来るまで離職することはなく賄賂の必要もないため、どの専門職をどのタイミングで派遣するかというのも重要になってきます。

 気になる点としては、交渉ゲームの中でもここまでルールに縛りがないとどうやったら稼げるのかという指針がたて辛く、難易度が高めというのはあります。

 また、上記の通り不義理がルール上認められていることもあって、間違っても初対面の人とのプレイなどはお勧めできないというところはあるかな。

 とりあえず、交渉系としては異質ではありますが面白いゲームだとは思います。ただ、ゲームはゲームとして割り切れるメンバーとでないとそもそものプレイが難しいかもしれませんし、全体的にかなり好き嫌いが出そうですね。

 

 

 ここで時間となり本日のゲーム会は終了しています。

 

 

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