自宅ゲーム会70 後半 クランク! 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成29年4月30日

 

 

☆クランク!

○概要

作者:PaulDennen

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:30-60分程度

 

 ドラゴンが潜むダンジョンから、アーティファクトを奪って帰ることを目的としたデッキビルド系のゲームです。

 

①手番には5枚の手札により3種類のリソース(スキル、ソード、ブーツ)を生み出し、それらを使ってデッキの強化や探検を行っていきます。

②スキルによってサプライのカードを購入します。サプライにはリザーブとダンジョンの2種類があり、リザーブは基本的なカードで購入してもなくなりませんが(在庫の範囲)、ダンジョンは購入するたびに山札から新しいカードが登場します。

③ダンジョンサプライではモンスターが登場することがあり、ソードによって倒すことが出来ます。モンスターはデッキには入らず、倒した場合その場で報酬が入手できます。

④ブーツによってダンジョン内を移動できます。

⑤ダンジョンでの冒険中に金貨を入手する(主にモンスターとの戦闘)ことがありますが、ダンジョン内にはマーケットがあり、アイテムを購入することが出来ます。

⑥カードの中には「クランク」が設定されているものがあります。騒音のことでそれを獲得(プレイ)した場合(カードのプレイやモンスターとの戦闘など)は、ボード上のクランク置き場にキューブを配置します。

⑦プレイした全てのカードを使用したら、手番の最後に新たに5枚のカードを引きます。この時に山札が不足すれば、捨て札をシャッフルし新たな山札とします。

⑧ダンジョンサプライにドラゴンマークの書かれたカードが登場した場合、ドラゴンの襲撃が起こります。クランク置き場にあるキューブを袋に入れ、現在のレイジトラックに応じたキューブを引き、プレイヤー色のキューブが出ればそれがダメージとなります。レイジトラックはアーティファクトの確保などにより上昇します。

⑨アーティファクトを確保(基本は各プレイヤー1個まで、アイテムによって増える)して脱出するか、ダメージを受けすぎてノックアウトした1人目のプレイヤーがでると、そのプレイヤーはカウントダウントラックに自分のコマを配置します。手番が回ると1つづつ進めますが、基本的に毎ラウンドこの効果でドラゴンの襲撃が起こります。5ターン後には強制的にダンジョンにいる全員がノックアウトとなります。

⑩ダンジョンからの脱出に成功するか、ダンジョンの浅い階層でノックアウトしたプレイヤーの得点計算を行います。深い階層でノックアウトした場合は脱落です。「アーティファクト」「獲得したトークン」「金」「デッキにある得点つきのカード」による得点を合計し、最も高いプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 管理人が赤、やまが黄、ちいが緑、こんな感じでゲームボードを準備します。

 

 ボード右手前が入り口ですが、アーティファクトを持って脱出する出口でもあります。その左隣がカウントダウントラック。左端のキューブが置かれているのがクランク置き場です。

 また、左奥がレイジトラックになりドラゴンの怒り具合が表されており、右奥が各プレイヤーの体力になります。体力エリアにキューブが置かれていますが、説明用においていただけで初期に配置はありません。

 そして、ボードの右隣、4枚の山(右上の1枚は1枚だけですが)になっているのがリザーブで、その奥の6枚がダンジョンサプライです。

 

 早速探索を開始する各プレイヤーです

 

 そのまま真っ直ぐの方向にもぐっていくちいとやまに対し、管理人は左から奥に進みます。

 3人とも順調に深層に突入しより深くもぐる体勢をとっていたところで、やまが急に10点のアーティファクトを確保し脱出に向かいます。 これに対し、ちいはもう1段潜ろうとしますが、管理人は手近なアーティファクトを確保し脱出に向かいます。

 

 先に脱出に動きしだしたやまですが、スキルやソード系のカード獲得を優先していたため上手くブーツが出ず。その一方で隣室へのテレポート能力を持つ杖やブーツ系のカードをしっかりと獲得していた管理人はやまを追い越して一目散に出口へ向かいます。そして、

 

 とりあえず、一番手での脱出となります。これに対し、やまはすぐに脱出できそうなものの、ちいはかなり距離がある感じです。

 ちなみにちいはソード特化みたいなデッキ構築のため、先ほどからなかなか動けず。管理人が脱出したことでカウントダウンに入ることから、結局深く潜るのをあきら近場のアーティファクトを確保し脱出に転じます。

 

 すぐそこにいた割には思ったより遅れてやまの脱出となります。一方、脱出に転じてからのちいは順調にブーツが出ていたようで、深層に潜るために購入していた「マスターキー(鍵のマークの通路を通れる)」も使用し最短距離で脱出を目指しています。

 

 毎ラウンドのドラゴンの襲撃を受けながらぎりぎりでちいも脱出となり、この度は全員が無事に脱出したことになります。

 

 得点計算に入ります。アーティファクトについてはやまが一番高いものを取っていたとはいえ、ほぼ3人ともどんぐりの背比べ状態で大差はありません。その他のトークンや資金で管理人が1歩抜け出していたことで管理人の勝利となりました。

 

○評価

 デッキビルド系のゲームで、普通のデッキビルドのようにカードをサプライから購入しながらデッキを育てていくのですが、その一方でメインボードのダンジョンを探索しつつ、アーティファクトの回収を行って、ドラゴンの襲撃によって倒れる前に脱出することを目的としていることが特徴ですね。

 「ドミニオン(を参照。)」のようにデッキの中に得点となるものを集めていくわけではなく(得点とならないわけではないですが、かなり少ない)、得点の大半はメインボード上のトークンやアーティファクトの獲得となります。また、モンスターの討伐などにより手に入るコイン(これもデッキ外のもの)の獲得は、アイテムの購入に使われる以外にも1コイン=1得点となるため得点源として大きいです。これらを踏まえて、探検を重視し深くもぐるや、討伐を重視し浅くもぐるなど、どの位置のアーティファクトを狙い、そのためにどんなカードを重点的にデッキに組み込むかが、デッキビルド系らしい悩ましさですね。

 そして、このゲームが面白いのはそのデッキビルドの要素に、チキンレース的な脱出の要素と「クランク」の要素が加わっているところでしょうか。

 脱出についてはアーティファクトを確保さえすれば好きなタイミング(当然出口まで行く必要はありますが)で行うことができ、誰か1人でも脱出するとカウントダウンが始まり5ターン目にはノックアウトとなります。そのため、逃げ遅れないように各プレイヤーの動向には注意を払う必要があります。

 また、そこにもう一つの要素クランクが絡んできます。クランクは、騒音をたてることを意味し、騒音をたてればたてるほどドラゴンが襲撃(その色のキューブを引きやすくなる)しやすくなります。スタートデッキにはクランクが増えるカードが含まれており、モンスターの討伐やダンジョンカードの中にもクランクが増えるカードはいくつも見られます。体力は回復手段がかなり限られることもあり、ドラゴンの襲撃でダンジョンにいればいるほどだんだんと体力が失われていくことになります。そうなると、ノックアウトは避けたいのである程度のところで脱出に向けて動く必要があります。また、脱出したりノックアウトしたプレイヤーがでるとカウントダウンが始まりますが、カウントダウン中は毎ターン必ずドラゴンの襲撃が発生します。ですので、脱出のタイミングは他プレイヤーの動向と同時に体力との相談となり、これらの要素も踏まえたデッキ構築が面白いゲームですね。

 気になる点としては、ダンジョンサプライのランダム性や、ドラゴンの襲来のタイミング&ドラゴンからのダメージのランダム性と、デッキビルド系にしてはデッキの引き以外の部分に運要素が多いことはあるかもしれません。ただ、管理人としてはテーマと内容(まあダンジョン探索なんてそんなもんだという感じw)がカバーしてくれており、逆にそこがあるからこそ盛り上がるゲームだと思います。

 

 

☆ローマ

○概要

作者:EladGoldsteen

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60分程度

 

 共和制から帝政に移り変わるローマにおいて、属州の統治や元老院への影響を強め、最も名声を集める一族となることを目的としたゲームです。

 

①各プレイヤーが4個のダイスを振り、合計の数字が最も低いプレイヤーから順に手番を行います。

②手番には手元のダイス1個を「軍事」「元老院」「闇市」の3つのトラックのいずれかに配置します。これを手番順に繰り返し、4個全てのダイスを配置します。

③各トラックで1人のプレイヤーは1つのエリアにダイスを配置することが出来ます。ダイスは空白のエリアの一番左に配置しますが、既に置かれている他プレイヤーのダイスと比較し自分の目が小さい場合、他プレイヤーのダイスをずらし、より左のエリアへ移動します。同じ数字の場合はエリアがずれないためその位置に配置します。各トラックのエリアは同数を除き左から昇順に配置することになり、各トラックにおけるカードの獲得はより左に配置しているプレイヤーから処理をされます。

④すでに自分のダイスが配置されているエリアにはダイスを追加しておくことが出来ます。ただし、元のダイスの目と同じかより小さい必要があります。3個目は2個目より同じか小さく、4個目は3個目より同じか小さくなります。

⑤軍事においては、ダイスの合計が戦力となります。属州の強さに応じて、この戦力分まで(複数可)カードを確保することが出来ます。属州カードを確保すれば、メインボードのその土地に自分のコマを配置して領土の目印とします。また、属州から産出される資源に応じて、市場トラックを上昇させます。

⑥元老院においては、ダイスの数が確保できるカードの数となります。元老院カードは、カードに指定された属州タイプ(属州カードには3種類のうちいずれかが記載)を消費し特殊な能力を使用することが出来ます。

⑦闇市においては、ダイスの合計が資金となります。資金に応じて闘技場カードを購入しますが、闇市のみ山札からも購入することが出来ます。

⑧カードの獲得が終わると、ダイスを戻し次のラウンドとなりますが、第3ラウンドには中間決算、第5ラウンドには最終決算があります。

⑨中間決算は市場トラックにおける各資源の位置に応じた得点、闘技場カードで役を使った得点のそれぞれを得ます。また、最終決算ではこれに加え、元老院カードの特殊効果及び支配した属州に応じたボーナスを得ます。これらの得点の合計が最も高いプレイヤーの勝利です。

 

○プレイ経過

 こんな感じで準備を行います。管理人は赤、やまが青、ちいが黄です。

 左がメインボードで、属州マップ及び市場トラックがあります。右の列が3種類のトラックになります。

 

 こんな感じでダイスを配置して行きます。管理人はダイスの合計が「11」と低く、初手番になります。ダイス目が低いこともあり、闇市は捨て属州2つの確保を狙い、軍事にダイスを集中させます。

 

 狙い通り属州2枚に加え、元老院を1枚獲得です。

 

 2ラウンド目も合計「11」と目に恵まれません。このラウンドは闘技場カードも獲得します。

 

 3ラウンド目も狙ったかのように合計は「11」です。しかしながら、元老院カードを使用して軍事トラックに配置したダイスを振りなおしたところ1が6に。ちょうどいいので、このラウンドも2箇所の属州を確保しつつ、中間決算をにらんで闘技場も確保します。

 

 中間決算を終えたところです。管理人とやまは資源から、ちいは闘技場で最高の役を作り得点をします。とりあえず、管理人が僅かですがリードといったところです。

 

 4ラウンド目にしてようやく真っ当な目になります。その分やまが9とかなり落ち込んでいます。管理人は、残りは闘技場を捨てほぼ属州に一点集中です。ちいは後半も闘技場狙いですが、闘技場関係の元老院カードをおさえているためダイス1個でも充分確保が出来ます。

 

 そして、最終ラウンド再び「11」と笑うしかありませんw

 何とか属州と、高得点の狙える元老院カード(元老院カードは終盤、ゲーム終了時の得点につながる効果となる)を確保します。

 

 ゲーム終了時の様子です。属州の数では他の2人に差をつけてだんとつです。後半のラウンドは闘技場に全く力を入れていませんでしたが・・・

 

 資源、属州支配から大きな得点を得たことで管理人の勝利です。ちいは最終決算時も闘技場で最高の役を作り2位、やまは元老院カードを比較的確保していましたが、属州とのタイプ違いで上手く運用が出来なかったのが敗因でしょうか。

 

○評価

 3箇所あるトラックから、どんなカードを集めるためにどのようにダイスを配置するかが悩ましいゲームではあります。ルールを読んだ時点ですが、ダイスの数字が低いほど行動が早いが効果が小さい、ダイスの目が大きければ効果が大きくまたダイスの追加も出来るけど行動が遅く、それだけのダイス目を活用できるほどのカードが残っていない可能性もある、とこの辺にジレンマがありそうな感じでした。また、元老院カードを集めることで、ダイス目をコントロールできるので、前半に上手く確保して後半につなげていくんだなと計画性も大事そうな感じです。ちなみに、ルールブックにはこのダイスプレイスメントシステムは「運の要素を押さえプレイヤーの判断を重視する革新的なシステム」となっており、確かにプレイヤーの判断も重要ですね。

 と、何となく微妙な空気を漂わせるような感じで書き始めましたが、このゲーム気になる点が多いんですよね。

 まず、4個のダイスの目がどうなるかは基本的に運です。序盤に元老院が使えないときでも(例えば全ての目が1でも)、ルール上降り直し等のフォローは一切なしになっています。一応、数字の合計が小さいほうが先手となり、同じ数字であれば先に置いた方が優先のため先手の恩恵は結構大きいのですが、ある程度数字があってこそ活きてきますので、ほんと1桁台だとこれくらいのフォローではかなり厳しいです。

 またそこで、小さいダイス目でも有効活用できればいいのですが、基本的にこのゲームは属州をそこそこ確保しないと勝負にならず、しかも属州の確保は3つのトラックで一番大きな数字が必要となるタイプ(1属州の確保に必要なのは最低で「5」、最大で「9」)です。なぜ属州かというと、属州の確保は資源、支配の2通りの得点計算だけでなく、元老院カードの使用にも必要になってきます。元老院は小さな目でも問題なくカードがとれる正にに小さいダイス目の使い先として打って付けなのですが、元老院だけ確保しても全く意味がないわりに、ラウンドが経過するごとに属州の確保に必要な数字は多くなっていきます。そのため、序盤に属州、元老院を揃えてある程度能力で操作できるようにしておかないと後半はかなり厳しくなりますので、序盤にダイス目が悪いとその時点で脱落といっていいくらいの影響があります。

 また、ならば比較的安価な闇市という選択もありこちらも比較的小さい目でも使いやすいのですが、闘技場は2回の得点計算でどちらもトップをとったとして最大12点と、主となるほどの得点にはなり難いです。とまあ、この辺のことが気になりゲーム中ももやっとした感じでした。

 とはいえ、全くつまらないということはなく、プレイ中はそこそこ楽しかったです。ただ、ルールブックで思ったほどの印象には全然到達していないですね。調整なのかルールの修正なのか、上手くすれば面白くなりそうな雰囲気なのでそこが残念でした。

 

 

 時間となったので、ここで4月最後のゲーム会を終了しています。とりあえず、かなり長い間ルールブックを読んで放置されていたドッグズオブウォーが出来た&面白かったのは良かったです。

 

 

「ボードゲームタイトル一覧」

 


にほんブログ村