1970年代から活動する
ブリティッシュHMバンドの重鎮、
ANGEL WITCHの5thアルバムです。
これ、聴いてビックリ、
本当に2019年のアルバムなの?と
疑ってしまうような、
80年代的作風であります。
僕は1stしか聴いたことがありませんが、
本当にあの雰囲気を再現しています。
未発表音源集と言われても
信じてしまいそうな、
ある意味驚愕の作品です。
まあさすがに未発表音源にしては
曲も演奏も出来すぎなんですが、
音や雰囲気はまんまなんですよね。
音質は今の基準で言えば
もちろん良くは無いんですが、
この音を今の時代に出せる人は
そうそういないと思います。
唯一のオリジナルメンバーで
リーダーのケヴィン・ヘイボーンの歌も
当時の雰囲気そのまんまです。
この何とも言えない
甘ったるさと言うか、
煮え切らなさと言うか、
NWOBHMバンドによくあった系統の
声なんですよね。
これもビックリ。
全体的にマイナー感、B級感が漂い、
とっつきにくさがありますが、
1曲目の「Don't Turn Your Back」、
2曲目の「Death From Andromeda」は
比較的分かりやすい展開で、
単純にカッコいいです。
でも僕はこういう曲よりも、
3曲目の「We are Damned」、
5曲目の「Condemned」、
6曲目の「Window of Despair」あたりの
実に煮え切らない、マイナー調の
NWOBHMの極みのような曲が
このアルバムの聴き所だと思います。
当時はこういう作品、バンド、
結構あったよなぁなんて思いながら、
2019年の作品なのに、
懐かしさを感じる素晴らしい1枚。
まあ不発の曲、フレーズも
あったりする訳ですが、
80年代HMマニアには
十分楽しめるアルバムです。
最後に日本盤ボーナストラックとして、
4曲目の「The Night is Calling」のデモバージョンが収録されていますが、
これは本当のオマケですね。
そもそも普通のバージョンがデモのような雰囲気なんで(笑)、
よく聴き比べないと分からないレベルであります。
まあそんな所も含めて、
憎めない、マニアックなバンドです。
まずは1stから聴くことをおススメしますが、
この作品もなかなかの出来です。
☆「80年代にタイムスリップしたような驚きの1枚」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!