夏の香り
君の香りがする


一緒に来たカフェテラス
今日は一人ぼんやり座り


向かい合った席で
君の顔をもっとちゃんと見ておけば良かった


もぉ二度と見れなくなるなんて
思いもよらず


並んで座った評判のラーメン屋
君の香りに緊張しまくりで


お腹空いてない?と言ったあの声は
今でも耳に残るのに




エンジン音がBGM
君が迎えにきて


二度目の食事は
残さず食べた


他愛のない世間話は
覚えてないけど


甘く優しいその声は
忘れる事なく心抉る


顔が見たくて
だけどまともに見られなくって


後悔だらけ
何故?素直になれなかった?


まだ帰らなくていいの?
なんて言ってみたりして


本当は帰って欲しくなくて
一秒でも長く傍に居たかったのに


あの頃はこんな風に
ずっと一緒にいられると思っていたんだ


君の香りが
今でもまとわりついて


忙しい私を
優しくそっと包むよ


まるで君が
見守ってくれてるようで


君の香りは
夏の香り


切なく過ぎ去った
ひと夏の幻



近くの公園
大きな木の下
ぼんやり空を見上げてた


連絡してみよう!
こんなにいいお天気クローバー
家にいるのは勿体ないって


ポケットから携帯を取り出した
その時、君から着信
何してる?って(笑)


まるで以心伝心
思わず笑ってしまうよ
だって


いつもそうなんだ
何故か二人は
同じタイミング


映画館で
バッタリ会った時
同じ映画を観にきていた


ファミレスで
友達と食事をしてた時も
君は友達ときてたね


何となく話すようになって
驚く事に誕生日まで同じで(笑)


ただのクラスメイトから
友達になって
たくさんの君を知った


夏風に乗せて
君へのほのかな想いを
届けたい


僕がまだ
知らない君を
もっともっと魅せて




晴れわたる
どこまでも青い空の下
君が駆けてきた


もしも君も
同じ気持ちで
居てくれたら


心の旋律に
恋の音符を並べて
二人で奏でたい


君のソナタ
僕のソナタ
1つの恋曲になる



出逢いはあの日。
急な雨に困ってた私に、
傘を差し出した見知らぬ貴方。


『返さなくていぃから。』
と、走り去った貴方の背中が
何故か目に焼き付いた。


同じ制服。
同じ帰り道。
見つけ出すのはのは容易くて。


『傘、ありがとう。』
晴れた日、声をかけた。


照れくさそうに、
貴方はまた走り去った。
『返さなくて良かったのに。』
と、言い残した背中からは
やっぱり目を離せなくて。




それから、
貴方を探すようになって
朝も帰りもいつもいつも
貴方の事を考えるようになった。


貴方の笑顔は輝いて見えて
私は優しい気持ちになれた。


会えて嬉しくて
だけど見つめるだけの変わらぬ日々。
こんなにも甘酸っぱい気持ちは初めてだった。



またある雨の日。
雨宿りをしながら、
貴方と出逢った日を思い出していた。


目の前に貴方がいた。
貴方は隣に立ち止まり、
また傘忘れたの?と笑った。


(覚えててくれたんだ。)


嬉しくて泣き出しそうな私に、
追い打ちをかけるような言葉が放たれた。



『あの日から
ずっと君を見てたよ。』


My first love is
present from rain.