バハマに本格的な野球総合施設がオープンへ | 欧州野球狂の詩

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日本生まれイギリス育ちの野球マニアが、第2の故郷ヨーロッパの野球や自分の好きな音楽などについて、ざっくばらんな口調で熱く語ります♪

 アメリカ・フロリダ州の沖合にある島国、バハマ。元イギリス領で、現在もイギリス連邦の構成国であるこの国は、国土の総面積が13,940平方キロメートルと、決して大きくはありませんが、同じ英語圏でアメリカがすぐ近くということもあって、非常に交流が盛んに行われている国の一つ。野球の世界でも、アルバート・カートライトとアントアン・リチャードソンという、2人の超有望株(リチャードソンはMLBデビュー済み)を抱えており、今後さらなる有望な人材の台頭が期待されます。


 そのバハマに、このたび野球場5面からなる大規模な総合施設が、オープンすることになりました。バハマ人史上初の大リーガーの名を取って、「アンドレ・ロジャーズ・ベースボールコンプレックス」と名付けられたこの施設は、近年バハマ国内では停滞状態にある、シニア年代の野球人気復活のため、バハマ野球連盟(BBF)が肝いりで立ち上げたプロジェクト。今回のプロジェクトの旗揚げを、地元紙「ナッソー・ガーディアン」は「バハマ球界にとっての、今年最初の『グランドスラム』だ」と伝えています。


 去る1月13日に行われたBBFの会見では、この施設は「クイーンエリザベス・スポーツセンター」の中に建設される予定で、メインスタジアムの他、補助グラウンドと内野守備練習用グラウンドがそれぞれ4つずつ、ブルペンと打撃ケージで構成されると発表されました。この施設では、普段はアカデミーが運営される他、国家代表、プロ、大学の各カテゴリーによる合宿にも対応するとのこと。各グラウンドには観客席も設けられており、メインスタジアムが5000人、補助グラウンドがそれぞれ1500人という収容人員になっています。


 会見に同席した、同国の青少年・スポーツ・文化担当相のチャールズ・メイナード氏は、「我々は、このプロジェクトの着工まで、あともう少しのところにいる」と語りました。「我々バハマ政府は、今回の建設プロジェクトに関与できることを、大変うれしく思っている。2006年に、新しいナショナルスタジアムの建設準備のために、アンドレ・ロジャーズスタジアムが解体されて以降、この国にはシニア年代を対象とした野球施設が存在しなかった。そのため、我が国のシニア層における野球は、特に夜間の試合において低迷を強いられることになってしまった」


 「ただ幸いなことに、我が国のジュニア年代における野球は、その間も変わらずに成功を収めてきた。今回のこのコンプレックスの建設で、その熱をシニア年代にも呼び戻し、もう一度活気を取り戻したいんだ。もちろん、この施設は国内のチームだけを対象としているわけではない。世界中のチームにバハマに来て、我々のトレーニング施設を使ってもらいたいね。我が国には、運よく非常に才能があり、野球選手として国際的に成功を収めた若者たちがいるが、そうした可能性を秘めているのは、何も彼らだけではないはずだ。このアンドレ・ロジャーズ・コンプレックスの誕生によって、我々はそうした選手たちが成功を収める手助けをすることができる。それは、野球というスポーツ全体の発展にも資するはずだ」


 今回の建設計画全体の予算は、現時点ではまだ明らかにはされていませんが、メイナード氏曰く、資金総額は現場担当者の資産では、かなりの高額に上りそうだとのこと。メイナード大臣とBBFのクレイグ・ケンプ会長は、今回のコンプレックス建設によって、バハマの野球界は長期にわたって、非常に多くの利益を得ることができるだろうと期待しているそうです。現在、ニュープロヴィデンス、グランドバハマ、ビミニ、エレウセラ、ロングアイランド、アバコ、イナグアの各地域でプレーされている、バハマの野球。毎年6月には、各地域のリーグ王者が集まって「アンドレ・ロジャーズ杯全国選手権」が開催されています。低迷しているシニア年代に、もう一度熱を取り戻すことができるか?バハマの今後から目が離せません。


ソース:http://www.thenassauguardian.com/index.php?option=com_content&view=article&id=21350&Itemid=50