ヨーロッパ選手権2012@オランダの開催都市が決定 | 欧州野球狂の詩

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 来年9月7日から16日まで、オランダで開催されるヨーロッパ選手権の2012年大会。ヨーロッパの国家代表王者を決定するこの大会の開催都市が、ロッテルダム、ハーレム、ユトレヒトに決まったとオランダ王立野球・ソフトボール協会(KNBSB)が発表しました。


 ホストスタジアムとなるのは、ファミリースタジアム(ロッテルダム)、ピム・ムリエルスタジアム(ハーレム)、そしてペーパークリップスタジアム(ユトレヒト)の3球場。ロッテルダムとハーレムは、ワールドポートトーナメントとハーレムベースボールウィークの会場でもあり、いずれもオランダ国内では屈指の設備を誇るスタジアムです。特にロッテルダムは、ホスト国オランダが全試合を戦うメイン会場となり、連日多くの観客が集まることが期待されます。このグループAではオランダの他、ベルギー、フランス、チェコ、ドイツ、イギリスの5か国が戦うことになっています。


 一方、ディフェンディングチャンピオンのイタリアは、ハーレムでのグループBでクロアチア、スウェーデン、スペイン、ギリシャ、ロシアと対戦。両グループの上位3チームが、13日からの2次リーグに進み、残る6チームが12日に順位決定戦を戦います。ここで、イタリアが順当にグループリーグを突破すれば、ここまでこの大会の金メダルを寡占し続けている、欧州2強同士の対戦は、2次リーグ以降で実現することになります。


 ところで、この3都市が開催地に選ばれた理由は、ずばりその立地。ロッテルダム、ハーレム、ユトレヒトの3都市は、それぞれ約50㎞離れていますが、これらを結んだ三角形の中には、ロッテルダムとアムステルダム、2つの国際空港が存在します。また、ヨーロッパには現在、国境を越えて運行されている国際高速鉄道がありますが、ドイツ方面からユトレヒトを経由する便と、フランス方面からロッテルダムを経由する便は、いずれも終点がアムステルダムとなっており、非常に交通の便に優れています(もちろん、オランダという国自体が、ヨーロッパにおける交通の要衝でもあるんですが)。


 昨日行われたKNBSBの記者会見には、大会統括ディレクターのフリッツ・マルダー氏と、おなじみKNBSBのテクニカルディレクター、ロバート・エーンホーン氏が出席。またVIPゲストスピーカーとして、ロッテルダムのスポーツ・文化振興課長、アントワネット・ラーン氏も出席しました。彼女はかつて、1998年にアメリカのシカゴで、MLBの試合を観戦した時の思い出を語ったのち、来年協会創設100周年を迎えるKNBSBをサポートできることへの喜びや、2015年IBAFワールドカップ(もしかすると、WBC予選になっているかもしれませんが)または、2017年WBCの1次ラウンド開催を視野に入れ、招致活動を行う意向も明らかにしました。


 ラーン氏が、アメリカの友人とともに初めて訪れたのは、ホワイトソックスの試合だったそうですが(その友人が、ホワイトソックスのファンだったとか)、その後デトロイトでのタイガース戦や、ブロンクスでのヤンキース戦などにも、観戦に訪れたそうです。また、今年行われたワールドポートトーナメントの、オランダ-キューバの試合前には、始球式の大役も務めました。この大会以降にも、トップレベルの国際大会招致に前向きだという彼女。今後、ロッテルダムは件の3万人収容スタジアムの建設事案も合わせ、非常に注目すべき街になりそうです。