私が所得税の初学の時に、とんでもなく賢い「天才くん」と1年間、一緒にTACのレギュラーコースの所得税の通学講義を受けていた。
天才くんは、既に簿財法は2年で合格していて、その年は、所消を受けていた。
天才くんは、
・毎回、講義を、先生の目の前の席で受講している。
・毎回、ミニテストは満点で、実力テストや答練は95点~100点(ほとんど98点か100点)
という感じなのであるが、かといって、先生に質問したりといったコミュニケーションは取っている様子は、なかった。
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私は、所得税の初学(税法そのものも初学)の時、たまたまオークションで購入していた過年度の答練(+テキスト)が、その年の答練とほとんど同じ(使いまわし)だったので、それを答練の前に解いたり、先行のWeb講義を見たりして、毎回その天才君と同じように、だいたい95点以上をとっていた。
(ただ、私の場合、理論暗記は答練の内容を事前に聞いて、それのみ暗記していた(理論を回していなかった)ため、本試験では撃沈した。)
講師は、おそらく天才くんと私が、答練の内容を事前に知っていると思っていたようで、「答練をきちんと利用してください(不正行為するな)」的なことを何度が言っていたのだが、私自身も、天才くんが本当にテキストなどの授業内容だけで、毎回満点近い点を取るのが不思議に思うこともあった。
(理論がマスターに載っていないものが出たり、計算も授業で扱っていないものが出たりした時も、彼はほとんど満点だった。)
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合格発表の時、インターネット官報で名前を調べたら、その天才くんの名前があったので、その時、やっぱり天才くんは、天才だったと思った。
(私は、簿記は合格したが、所得税はBだった。)
その天才くんが、その後のTACの合格体験記で、合格の秘訣として、次のようなことを書いていた。
・時間が許す限り、「テキストの読み直し」「トレーニング、答練の解き直し」を行う。
・理論と計算はリンクしているため、計算で講義に出てきたものは、次の講義までに極力覚える。
・理論は毎日、ありとあらゆる時間を使って繰り返し暗唱。
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私はその後、勉強するときは、その天才くんの合格体験記をよく見ていたのだが、計算に対応する理論を、いかに計算を習ったタイミングで覚えていくか、というのが、今となっては一番重要と思う。
また、テキストの読み直しが、勉強をやっていると意外に億劫になってしまうので、読み直す作業は大変だが、これが大事なのだと思う。
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その後、天才くんは、官報合格後も、TACを相続税を通学で受講して、所得と同じように毎回答練を98点か100点を取り続け(天才くんは、官報後も、よくTACの税理士試験(答練)の成績掲示を見に来ていた)、暗記も二宮金次郎のように、相続税の理論マスターを開きながら道路を歩いていたので、天才くんは本当に勉強が好きなんだと思った。
天才くんの名前を税理士検索のシステムで検索しても、まだ税理士登録していないようなので、今頃どうしているんだろうか、と思う。