寅さん | SYP友の会

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ご想像通りというか、ご想像以上に更新は不定期です。                                 ちょっとした暇つぶしにお読みいただければ嬉しいです。

週末は本当に久しぶりにのんびりと過ごせました。


「男はつらいよ 47 拝啓寅次郎様」を見ていて
心に残るシーンがありましたので、その台詞を紹介します。


夕暮れの琵琶湖のほとりで小さな漁船を眺めながら
かたせ梨乃さん演じるサラリーマンの妻と寅さんとの会話です。


寅さん

船の上で一日中、二人して働いてるんだなー。
うちへ帰ると夫婦差し向かいで
モロコの煮付けで一杯やりながら
夜は布団ならべて寝物語だ。
嫁に行った娘のうわさ話。
あの子もそろそろ孫ができるんじゃないかな、なんて。
夫婦なんてそんなもんじゃねーかい。なー。


かたせ梨乃さん

うちの近くにね、小さなスーパーがあってね、
奥さんがいつもレジにいて、旦那さんは

店の中で品物運んだり、箱片付けたりしてるのね。
で、時々、旦那さんが奥さんに小さく声かけるの。
すると奥さんは簡単な言葉でこたえるの。
そんな二人を見てると
あー、二人一緒に人生歩いてるんだなーって思うの。
それに比べて私みたいな

勤め人の夫婦って、なぁんて寂しいんだろう。


寅さん

ふーん。そういうもんかね。


かたせ梨乃さん

うん。
だって夫が会社でどんなことしてんのか、何も分かんない。
夫も妻が一日なに考えてるのか、ほとんど関心もないのよ。
夜遅く帰ってきて、お茶漬け食べて、パタンと寝るだけ。


寅さん

でも、たまの日曜日なんか、

コーヒー飲みながら、いろいろお喋りなんかするんだろ。


かたせ梨乃さん

話すことなんかないのよ。
考えると二人で感動したり笑いあったり
そんなこと、もうなくなってるなー。
お互いに関心ないのね。
一緒に暮らしているだけで。


寅さん

それじゃ、まるで愛してねーみてーだ。


かたせ梨乃さん

そうよ……。 愛してないのよ。