昨年の5月、Webコンサルタントの小田順子さん
から
「西の魔女が死んだ」をオススメ本としてご紹介いただき、
その後、ずっと気になっていました。
横着者の私は邪道ではありますが、今年の1月に、
原作を読むことなく、実写映画をDVDで見ました。
記憶に残る良い映画でした。
余談ですが映画に影響を受けて
ワイルドストロベリージャムを作ろうと決心し
今年の春からワイルドストロベリーを育てています。
つい先日、収穫した実を使いジャムを作ってみました。
期待以上の美味でした。
先日の新聞に「西の魔女が死んだ」の原作が紹介されていました。
読んでくれますか? 「西の魔女が死んだ」
死生観とは何か 亡き祖母へ
幼いころから近くに居たため、互いに遠慮なくしかったり、
わがままを言ったり、私にとっては第二の母親でもあった祖母。
人一倍寂しがり屋で甘えん坊なのは、私が祖母から最も強く受け継いだ部分だろう。
中学時代、学習塾をサボって祖母の家に行くと、
普通ならばとがめられるはずなのに、「偉い!よく休んだね」と褒められた。
子供心に「それはおかしいぞ」と思った記憶がある。
また、わが家の愛犬が12歳で死んだ夜。家族が悲しみに沈み涙していたとき、
祖母も泣きながら「私が死んでも皆こうやって泣いてくれる?」と言ったのが忘れられない。
一瞬、事態を忘れて家族の目が点になった。
そんな祖母が他界したのは5年前。
今だから言えるが、私は祖母が荼毘に付されることに耐え切れず逃げた。
「仕事に行かなきゃ」と葬儀場を出た。取り乱さず見送る自信がなかったのだ。
確かに出社時刻が迫ってはいたが、少なくともあと30分は残れたはずだったのに。
梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を手にしたのはつい最近のこと。
人付き合いが苦手な少女が、魔女のおばあちゃんの元で
徐々に心を解放し成長していく話だ。
自分の弱さをあるがままに受け入れ、感情に忠実に行動してよいのだと、
シンプルで基本的な生き方を説くおばあちゃん。
それは祖母との別れの場所から逃げてしまった私をも慰めてくれる。
全編を通して、少女と読者に死生観とは何かを問う作品で、
二人の温かな信頼関係が、過去の祖母と私に重なり鼻の奥がツンと痛くなった。
祖母も読んだら、きっと少女が私に重なるだろう。
亡くしてから5年が経っても、私は時々寂しくて会いたくなって泣けてくるよ、
とメッセージを添えて、この本を渡したい。
出来ることなら、祖母も魔法を使って会いに来てくれないだろうか。
阿部哲子さん(フリーアナウンサー)
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