(8)車は山沿いに入り険しい道を登ると 「ほんとうに温泉あるの ?」
「あるよ、レストランも、ショッピングモールも」
「私・・モール街歩いてみたいわ」
涼子は制服姿で冒険したくなっていた。
「それなら、俺が引率を引き受けるぞ」そんな先生の言葉が、学生の涼子に戻してくれるようだった。
しばらくするとキャンプ場の管理事務所前の到着、先生は手続きを書き込むと「鍵と入浴のチケット渡しておくよ」 そう言うと、車をソロソロと走らせて予約したバンガロー前に横付け。
「俺はキャンピングカーで寝るから気にしなくていいよ」
素っ気無い言葉。ドアを開けると標高が違う涼しさを感じる「ちょっと肌寒くなっているよ。温泉入りたいけど涼子どうする ?」
「私はやっぱ、まだ明るいから・・モール街歩いてみたいわ」と、気持ちは変わらない。
「 温泉組みと、ショッピング組みと別行動だね、あとで合流しましょう」と、決めると気持ちは先生とデート気分。
「じゃ、鈴木の保護者として着いていくかぁ」 とルームミラーで髪を整える先生の姿は、保護者なんていう態度ではなかった。
キャンピングカーはバンガロー前で止まってからも話し込んでしまう。そこは自然がいっぱいの別世界、誰にも気遣うこともなく、過去の自分を懐かしがるように童心に戻ってしまうのだ。
それを聞いて思い出したことがある。さっき、管理事務所で手続きをしている時、先生は夫婦と娘2人書き込んでいた。涼子は娘と思われたい気持ちと、妻としても願う複雑な心境を感じたのだった。つづく
