(6) 過去に戻って軌道を修正してみたい願いが膨らんできた | 大人たちの過ぎゆく日々

大人たちの過ぎゆく日々

身近な家庭菜園/現代小説

 (6)旅行の予定日が決まると 「スカート穿けない」 と連絡が入って旅行は無理と弱音を吐いてきたのだ。先生と一泊する楽しみより、体型が気が付かないくらい徐々に変化していたことに大きなショックを受けたという。

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「涼子は体型変わらないから、いいわね」 

 

「なんとか穿けそうよ」 穿けてはいないが当日までは何とかなると意地で言ってしまう。

 

「そうだ ! 涼子が穿けるんだからさ」

 

「どういうこと ?」 ひとり穿ければ、なんとか誤魔化して出掛けようと言うのだ。全てを涼子に任せて先生のご機嫌をお願する。考えれば穿ければいいだけなので、皆と一緒に楽しい旅にすることにしたのだ。


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当日、車の往来の少ない待ち合わせ場所に行くと、キャンピングカーの中からジーンズ姿の先生が下りて来た時はびっくりした。

 

「やぁ、君たち、色気無いなぁ」 期待外れでがっかりしたような顔。私達はジーンズ姿なので先生も呆れたようで 「約束した制服じゃないのか ?」 

 

「家からは無理ですよ。持ってきたけど・・」

 

「そうか、じゃ車中で着替えるか、外で待ってるよ」

 

即刻 「無理です」 

 

「穿けるだろうに~。俺だって当時穿いていたジーンズだよ」先生は体育系なので、25年前の古びたジーンズをダメージを付けたように穿いて来ていたのだ。

 

それより先生が制服に拘るのは何だろうか。

 

「ねー涼子、青春に挑戦してみたら ?」


彼女たちが背中を押すのは、自分たちも青春を思い出したいと願っているらしかった。それなら・・もう一度現実を見つめて、過去に戻って軌道を修正してみたい願いが膨らんできた。

 

青春の夢、そして現実を見直す・・スカートを穿けていたのは努力の結果。ただ穿けることは出来ても、顔はどう見ても学生には程遠い。

 

それでも髪は当時と同じボブなので若々しく見える涼子。チェックのスカートも旅先なら大丈夫だろうと、キャンピングカーの中で穿き替え、先生や皆の希望に応えた。つづく