(35) 一生懸命、私たちを前向きにさせてくれる渡辺くんだけど、目撃してしまった女性が内緒ならば、全体の雰囲気は悪くなってしまう。弘美とすれば言うべき事ではないと感じている。
そんな考えの中で「滝口さん、お願いします」
「その前に、渡辺くんの現在は?」
渡辺くんを攻めた。
「え 俺? ・・分かりました」
「偶然にも私も43でして・・」
もう誰も反応しない。それでも「皆さんも知っているように、妻は同級生でもある旧姓矢川冬子です。そして息子が一人と、母と暮らしてます。
あと・・話したことのない事実が一つあります。実は・・歳の離れた妹が居ます。言ってみれば腹違いの子と言うのでしょうか・・」と、歯切れが悪いが笑顔も時たま見せて話してくる。
「会ったことあるの?」
「妹なので時々会ってますが、母は会ってくれません・・」
「・・」
「なので、兄である私のところに来てますね・・この間、立ち寄ってくれたので食事したけど元気そうでした」
そう言い終えると「はい、では滝口さん、お願いしますよ」
滝口弘美は「今、渡辺くんの事、初めて聞いてビックリです。勘違いしていたかも?」
「勘違い?・・」
「あ、・・こっちの話です。じゃ、少し私の事も話します。私は結婚しているけど、今は離れて生活しています」すると周りも新たな流れになってザワついた。それは涼子も知らないし初めて聞いた弘美の告白だった。
弘美は続けて「子供は居ません」
すると「おおお!」何がおおお!なんだか、男どもの心理はよく理解出来ない。
「一つ聞いても良いですか?この中で、ゲーム好きな人居ますか?」ゲームに夢中なのかを聞いていた。
「はい」何人かが手を上げる。
先生までも手を上げていたので「え ! 新井先生も?」
「監督が好きなので付き合いかな」
「監督と・・どこでゲームするんですか?」
「ゲーセンです」
監督までゲームすることで、弘美は大人もゲームに夢中になるのかと・・考えが変わった。つづく
