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デジカメ

つい先日、生まれたばかりの娘を撮るためにデジカメを買った。

なんの変哲もない、普通のデジカメだ。


さっそく家に帰り、綺麗に包装された箱を開け

意味のない分厚い説明書をほおり投げデジカメを出し

娘を撮ることにした。


「いつ見てもかわいいなぁ..」

「ハイ、チーズ」


まだ、幼い娘はカメラという存在を知らず、

ただ、笑っているだけだった。


撮れた娘の写真をデジカメの画面で確認すると

そこには笑っている娘が写っているのだが、何かが違う..


娘は娘なのだが、何かが違うのだ...


よく見ると今、目の前にいる娘より

画面に写っている娘の頬の方がほんのりふっくらとしている気がする。


これは、故障なのかそれともこういう機能なのかよく分からないが

かわいく写っているので、この時は気にしていなかった。



それから半年近くが経ち...



もちろん、デジカメで娘の成長を写真におさめているのだが

ここのところ、不思議な写真が多くなったきた。


ハイハイをしている娘を撮るとなぜか、1歳ぐらいの女の子が写るのだ。


「故障?..」


悩んだ挙句、何回も娘を撮ってみるが、やはり目の前の娘は写らず

1歳ぐらいの女の子が写るばかりだった...


私は怖くなり、そのデジカメを使わない事にした。


それから、さらに半年後...


娘も1歳となり、ますますかわいさが出てきた頃

ふと、不思議な感覚に包まれた....


この風景...いや...この娘の顔どこかで見たような...



「そうだ...!!あのデジカメで見た..」



押入れの隅から怖くて隠していたデジカメを取り出し

過去撮った写真と今の娘を見比べた..


「同じだ...ここに写っていたのは娘だったのか..」


写っていたのが娘だったのは良かったが

それ以外の事は謎だった。


ただ、不思議と怖さはなくなっていた。


そのデジカメを使い、今目の前にいる1歳の娘を撮ってみると

やはり、写っているのは3歳ぐらいの女の子だった。


「今よりもっとかわいくなっているね...」


正直、うれしかった。

未来の娘の写真を撮り続けた..


未来の楽しみがなくなるといえば、そうなのだが

やはり気になるし、撮ってみたくなるのだ。



その後、そのデジカメは1歳なら3歳..2歳なら4歳と

2年後の娘が写る事が分かった..


そして、娘が18歳になった時、デジカメに写る娘は20歳になっていた。

今より、もっと美しく綺麗になっている娘を見て私は心から喜んだ。


そんなデジカメの画面を見てニヤニヤしている私を見て

娘が私もデジカメでお父さんを撮ってあげるよ言ってくれた。


「かっこよく撮ってくれよ~」

「はいはいw、ハイ、チーズ」



そのデジカメの画面には私は写っていなかった...


故障じゃない?と娘は言いながら何回か撮ってくれたが

全て写真に私は写っていなかった....


「そうか....もういいんだよ..」

私は、なぜ写らないか なんとなくだが理由は分かっていた。。



不思議そうな顔をする娘を、私は、笑顔で抱き締めた....




ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます<(_ _)>

もし、宜しければ今後の為にもご感想等頂けますとうれしいです^-^




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