大切な人
いつも心の中で思う、本当に大切に思える人は現れるのだろうかと..
30歳を迎え、友達は次々結婚し、独身は私だけとなった。
今まで本当に愛し合えた人や思い出はたくさんある...
結婚しようと思えばできたかもしれない..
もっとしたたかにすれば、出会いはもっとあったかもしれない....
だけど....
本当に大切に思える人は一人もいなかった。
そんなある日、
私は家の近所の路地裏にある小さな行きつけのカフェに立ち寄った。
ここのコーヒーを飲みながら、小説を読むと話の主人公になれる気がした。
読むのはもっぱら悲しい恋の物語...
どんなに愛し合っていても最後には別れがあり、そして悲しみに包まれる話ばかりだ。
今日も、いつもどおり小説を読み気が付くと日が暮れかけていた。
読みかけの小説にしおりを挟み、テーブルの上にあるコーヒーを飲んだ。
「温かい...」
数時間、その席にいたにも関わらずコーヒーが温かかった。
「なぜだろう...」
次の日も次の日も...私はそのカフェのいつものテーブルで小説を読み
最後には温かいコーヒーが待っている。
と、ある日私はいつもどおり同じカフェで小説を読み
最後にコーヒーを飲んだ..
すると...
「冷たい......」
時間が経っていれば冷たいのは当たり前だけど、
寂しさが押し寄せてきた...
次の日、同じカフェでいつもどおり同じテーブルで小説を読んでいたが、
コーヒーの事が少し気になり、近づいてくる足音に耳を寄せた。
「コツ..コツ..コツ...」
いつもは小説に集中していて気付かない足音
それが、少しづつ近づいてくる。
「コツ..コツ.........」
足音が私の目の前で止まった。
見えている足から少しづつ上を見上げる..
かっこいいとは言えないけど、少し落ち着きのある20代前後の青年だった。
その青年は音を立てずにコーヒーを温かいものに置き換えてくれる。
置き換え終わった青年と目が合うと、青年は笑顔で私に言った...
「本当に大切なものは見つかりましたか?」
なぜ、青年は私の気持ちが分かるのだろう..
不思議な気持ちになったが、私は素直に答えられた。
「見つかったよ。ありがとう」 と....
本当に大切な人は近く....そして気付かないものかも知れない。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございます<(_ _)>
もし、宜しければ今後の為にもご感想等頂けますとうれしいです^-^
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