「発信する!尚禮舘空手を沖縄から」
こんにちは尚禮舘事務局 伊覇です。
今回の武人伝心は前回と引き続き宮城隼夫先生の著書より紹介していきます。
【第一回連載】
【身体を覆う皮膚の話】
〜解剖学的視点から〜
皆さんどうでしょう?
皮膚を意識した鍛錬をした事がありますでしょうか?
「皮膚」の話をする前に皮膚とはどの様なものかを知る事から考えていきたいと思います。
解剖学的な視点から
皮膚は身体で最大の器官であり重量は最大10kgにもなる。
体内の恒常性(ホメオタシス)を維持しながら外部環境からの保護作用がある。
これは解剖学的な視点から見た「皮膚」の解説です
身体の表層の大部分を占める皮膚。
しかし、普段、私達がそんなにも「皮膚」を意識する事はほとんどないと思います。
しかし、「神は細部に宿る」と言われる様に
卓越した技を発揮する武道家の先人の話を聞く限り皮膚を意識する事は術の精度をあげる上では欠かせないものだという事がわかってきました。
【相手の皮膚に触れる事とは】
〜皮膚感覚と技の指使い〜
この記事を書いているとふと思い出しました。
それは相手に触る時、技をかける時には武術的な触り方があるという事。
それによって相手の身体(皮膚)になるべく悟られない様に技をかける。
これが大切だ。
4〜5年前に宮城隼夫先生に初めてお会いした時。
武道家の大先輩が集まる宴席。
居酒屋の隣の席で技を掛ける時の指の使い方を丁寧に教えて下さいました。
その時の相手に技をかける指の使い方がとても印象的でした。
宮城先生「相手を掴む時はオジギソウの葉が閉じる様に」
(確かそうだったと思います)
宮城先生はそう話すと色々と実演してくださいました。
こうすると相手への接触した時に技がかけやすいと。
今まで皮膚や相手への接触についてそんなにも考えた事なかった私には目から鱗だったのです。
【皮膚感覚と武術の奥義】
〜皮膚の能力〜
今までは接触する時と皮膚との関係について書きました。
武術の技をかける時に皮膚についてどの様に考えていけばいいのか?
その答えのヒントを宮城先生はこの様に語っています。
ここからが宮城先生の著書からの引用です。
皮膚と武術の関係については、「一体どんな関係があるのか」、といぶかる方々も多いのではないだろうか。
単純に考えれば、「皮膚は単に、戦闘の結果として、打撲で黒くなったり、傷が入ったりするだけではないのか」、としか思わないであろう。
しかし、皮膚という触覚の驚くべき能力を知った時、われわれは、武術の奥義と深い関係にある事を知ることとなる。
武術の視点から見た場合、重要なのは、「皮膚自身がその高度な触覚能力によって、脳の情報処理を経由せず、自ら知覚、判断、処理を行なって
いる可能性がある」という事である。
さらにこのように書かれています。
相手と皮膚を触れ合うということは、そこに発生するエネルギーや情報に対する共通認識を持つ事になる。
もし、皮膚の状況処理と脳の処理が一致しない様に相手の刺激を与える事ができれば、
それこそ摩訶不思議な奥義技を形成できることになる。
非常に面白い考え方だと思います。
皮膚自体が個別に反応しているのではないか?
そして、皮膚と脳のタイムラグ、感覚的なズレが技の奥義に繋がっている。
この文章からでも分かり様にハッキリと言い切っている所がすごい説得力があります。
さすが何十年も科学の視点からも鍛錬されている先生であります。
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