柔らかい手~個人的将棋ブログ -2254ページ目

第73期名人戦7番勝負/第2局・一日目「百色眼鏡の相掛かり。。封じ手は羽生名人」

名人戦棋譜速報(有料。要登録。)



羽生善治名人に

行方尚史八段が挑戦する、第73期名人戦7番勝負。

開幕戦/第1局を羽生名人が制して迎えた注目の第2局が

本日、岐阜県高山市「高山陣屋」にて開幕。。



第73期名人戦/第2局



名人戦/第2局・柔らかいプレビュー



第2局の先手は羽生名人。

その初手は飛車先の歩を突く▲2六歩でした。。



2


2手目△8四歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


行方八段も同じく2手目に

飛車先を突く△8四歩と返して対局はスタート。



4


4手目△8五歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


両者はそのまま息を合わせて

飛車先の歩を決め合い、戦型は「相掛かり」に。。


羽生名人にとって「相掛かり」は

4年越しの名人奪還に成功した前期の名人戦で

連勝スタートを決めた 縁起の良い戦型。。


しかし、「相掛かり」は後手の同意がなければ

成立しない戦型でもあり、本局は行方八段が敢えて

羽生名人の注文を受けて立った形となります。。


対羽生名人戦では序盤から工夫を凝らし

何とは目先を変えて自分のペースに持ち込もうとする

姿勢が目立つ行方八段だけに、より目の離せない

立ち上がりとなりました。。




7


7手目▲3八銀。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


しかし、先に意表を突いたのは羽生名人でした。


互いに角頭を金で受けてから

まず先手から飛車先で歩の交換に行くのが定跡ですが

羽生名人は飛車先を保留したまま、右の銀を立てました。。


この手をみて

行方八段は早くも長考に入ります。。




8


8手目△7二銀。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


考えること1時間と24分。

行方八段も長考の末、同じく右の銀を立てて

手番を羽生名人に渡しました。。


しかし、羽生名人は上図から次に

9筋の端歩を突いてさらに一手パス(9手目▲9六歩)。。


どうしても飛車先の歩を

先に突き合わせたくないという羽生名人に対して。。




10


10手目△8六歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


行方八段は気合一発

お望みどおりに自ら飛車先の歩を突き合わせました。。

以下、▲同歩~△同飛~▲8七歩の一本道から

下図14手目△8二飛と進行。。



14


14手目△8二飛。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: 歩


通常の「相掛かり」では

後手は浮き飛車に構えるパターンが多いですが

まだ先手が飛車先を保留している本局で、行方八段は

飛車を元居た8二の地点まで引き戻します。。


この手をみて、羽生名人の手が止まり

55分考えたところで、お昼休憩突入となりました。


【 昼食のメニュー 】


羽生名人: 山菜そば

行方八段: とろろざるそば




16


16手目△8三銀。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: 歩


午後開始の一手で

羽生名人が角道を開くと(15手目▲7六歩)

行方八段は飛車の上に銀を乗せて「棒銀」を投入。。


現代「相掛かり」の先手の主流となっている

「引き飛車棒銀」を後手が採用した形となりました。


この手に対して、羽生名人は

33分の考慮の後、今度は1筋の端歩を一突き。。

(17手目▲1六歩)


行方八段が次に

40分の考慮の末、「棒銀」を4筋に繰り出すと。。。

(18手目△7四銀)




19


19手目▲2四歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: 歩


羽生名人は、ついに

このタイミングで飛車先の歩を突き合わせます。


上図から、以下

△同歩~▲同飛~△2三歩(22手目)ときて

さあ、羽生名人の飛車の引き場所は。。




23


23手目▲2六飛。


上図での持ち駒


▲羽生名人: 歩

△行方八段: 歩


通常の「相掛かり」では

元居た場所まで引き下げることが多い飛車を

羽生名人はふんわりと、六段目に浮かせました。。




26


26手目△3四歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: 歩

△行方八段: 歩


羽生名人の浮き飛車をみて

行方八段は1筋の歩を突いてさらに様子を見ると

羽生名人は居玉に手をかけ、二段目に立てました。。

(25手目▲5八玉)


次に行方八段が玉には手をかけず

おもむろに角道をオープンにすると、羽生名人は長考へ。


長考がおよそ1時間に及ぼうかというところで

終了時刻(午後6時半)を迎えると、羽生名人は

次の手を封じる意思を示し一日目が終了。。。



まだ序盤の駒組みといったところですが

羽生名人が意図する方向へと模様を誘導しているような

難解で意欲的な進行をみせた第2局・一日目。。


果たして羽生名人の思惑通りにことは運んでいるのか。
あるいは行方八段がその上を行く構想で先手を咎めるのか。。

決着をみる明日の二日目が実に、楽しみであります。





□□□



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【 序 章 】


「私と将棋界」

柔らかブログ誕生のきっかけとなった

第21期竜王戦以降の将棋界を熱く振り返ります。


【 第一章 】


「愛知女子将棋界の駒音」

山口真子さん/中澤沙耶さんインタビュー


【 第二章 】


「明日咲く花」

今泉健司さんへのエール&ミニインタビュー




第73期名人戦/第2局はスローペース。。本日は第26期女流王位戦も開幕

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4


4手目△8五歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


本日、岐阜県高山市にて行われています

第73期名人戦7番勝負/第2局・一日目は

羽生善治名人の先手で「相掛かり」へと進行。。



名人戦/第2局・柔らかいプレビュー

名人戦/第2局・開始直後



8


8手目△7二銀。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし



羽生名人が7手目▲3八銀とし

飛車先での歩の交換を保留すると

行方八段は長考へ。。


序盤も序盤の上図8手目に

異例の1時間24分の長考の末、行方八段も同じく

右の銀を立てました。



14


14手目△8二飛。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: 歩


持ち時間の長い名人戦らしく(各9時間)

序盤から双方、じっくり腰を落として慎重に

駒組みを進める展開となり、上図14手目の局面で

午前中の対局は終了。お昼休憩突入となりました。




さて、本日は女流将棋界でも

注目のタイトル戦が開幕の時を迎えました。。


第26期女流王位戦中継サイト


王位戦名物対局者カメラ

中継ブログ



3連覇を目指す甲斐智美女流王位に

里見香奈女流名人が挑戦する第26期女流王位戦5番勝負が

本日、兵庫県は姫路市「夢乃井」にて開幕。。




女流将棋界のゴールデンカード

女流王位戦/第1局の棋譜中継はこちら


現在、倉敷藤花とあわせて女流二冠を保持。

女流将棋界最高レベルの実力を誇る甲斐女流王位に

体調不良による休場から8ヶ月ぶりに復帰した年明けから

負け無しの8連勝中と突っ走る里見女流名人が挑戦。。


事実上の

女流将棋界頂上決戦が実現いたしました。。




14


14手目△4二飛。


上図での持ち駒


▲甲斐女流王位: 角

△里見女流名人: 角


甲斐女流王位の先手で戦型は

里見女流名人が意表の「角交換四間飛車」を投入。。




38


38手目△2二飛。


上図での持ち駒


▲甲斐女流王位: 角

△里見女流名人: 角、歩



女流王位戦は持ち時間各4時間で本日決着。

上図38手目の局面で午前中の対局は終了となり

お昼休憩突入となりました。。



【 お昼のメニュー  】


両者ともに「夢乃井御前」ですが


甲斐女流王位: すずきのペペロナータソース

里見女流名人: 牛ホホ肉のトマトソース煮込み


と一品だけ変更されています。



第73期名人戦7番勝負/第2局・一日目「戦型は相掛かり」

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羽生善治名人に

行方尚史八段が挑戦する、第73期名人戦7番勝負。

開幕戦を羽生名人が制して迎える注目の第2局が

本日、岐阜県高山市「高山陣屋」にて開幕。。



名人戦は第2局開幕へ。。



名人戦/第2局・柔らかいプレビュー



第2局の先手は羽生名人。

その初手は、飛車先を突く▲2六歩でした。。




2


2手目△8四歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


行方八段も2手目に同じく飛車先の歩を突き

「相掛かり」の出だしをみせます。。


次にどちらかが

角道を開ければ違った展開も考えられますが。。



4


4手目△8五歩。


上図での持ち駒


▲羽生名人: なし

△行方八段: なし


両者はそのまま飛車先を決め合い

第2局の戦型は「相掛かり」となりました。。