
第65期王位戦7番勝負/第1局・一日目「交錯する思惑、藤井王位が封じ手」
5連覇を目指す藤井聡太王位に
王者復権を狙う渡辺明九段が挑戦する
注目の第65期王位戦7番勝負。
将棋界の初夏の風物詩が、本日より
愛知県名古屋市「徳川園」にて運命の幕を開きました。。
振り駒で決まる開幕戦の手番で
幸先良く、先手を得たのは藤井王位でした。。
4手目△4四歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△渡辺九段: なし
藤井王位の初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
対します、渡辺九段は2手目△3四歩と角道を開き
戦型選択に含みを持たせて対局をスタート。。
続く3手目に、藤井王位が角道を開けたのをみて
渡辺九段はすかさず、開いたばかりの自らの角道を止め
振り飛車投入を示唆しました。。
8手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△渡辺九段: なし
後手の趣向にも、藤井王位は動じることなく
自然な指し手で駒組みを進めると、上図の局面で
渡辺九段は保留していた飛車先を突き、居飛車を明示。。
まずは相居飛車の力戦模様の出だしとなりました。。
23手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△渡辺九段: なし
この進行は想定の範囲内だったか
藤井王位は特に警戒した様子をみせることなく
早々と桂馬を跳ねてから銀を5筋の戦場へと繰り出し
淡々と、思い描く模様の完成を目指します。。
37手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲藤井王位: なし
△渡辺九段: なし
一方の渡辺九段は居玉のままで
重心低く寺院の駒組みを進め、先手から仕掛けを待ちます。。
駒組みの飽和点が近づく中
上図の局面で、藤井王位は流れの中で飛車を合わせた
4筋の歩を突き合わせ、争点からの仕掛けを開始しました。。
44手目△2二角。
上図での持ち駒
▲藤井王位: 歩
△渡辺九段: なし
そのまま歩交換が成立すると、局面は落ち着き
渡辺九段は4筋に歩を打ち傷を消してから、居玉を解除し
「右玉」に構えてると、スッと角を引き下げ手番を渡します。。
この局面で、終了時刻(午後6時)となり
藤井王位が次の手を封じて、一日目は終了。。
二日目へと指し掛けになりました。。
実に繊細で難解な組手争いとなった一日目。。
果たして両雄の見立てはいかに、明日は決着の二日目
開始直後から目が離せません。。