さすがの底力。。第9期叡王戦5番勝負/第4局「藤井叡王完勝、決着は最終戦へ」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

さすがの底力。。第9期叡王戦5番勝負/第4局「藤井叡王完勝、決着は最終戦へ」

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4連覇を目指す藤井聡太叡王に

「藤井世代」の一番星・伊藤匠七段が挑戦する

第9期叡王戦5番勝負。

 

ここまで3局を消化し、伊藤七段が2勝1敗とリード。

難攻不落の絶対王者・藤井叡王からのタイトル奪取へ

王手を掛けてむかえた注目の大一番/第4局が、本日

千葉県柏市「柏の葉カンファレンスセンター」にて開幕。。

 

 

叡王戦/第4局・開始直前&直後

 

第4局の先手は伊藤七段。

その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。

対します、カド番でもう後のない藤井叡王も2手目に同じく

飛車先を突く△8四歩と返し、対局はスタート。。

 

 

 

10手目△7七角成。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: なし

△藤井叡王: 角

 

互いに居飛車を明示する出だしから

いざ、「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり

迎えた上図の局面で、藤井叡王から角交換を敢行。。

手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。

 

 

 

36手目△5四銀。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 角

△藤井叡王: 角

 

角交換成立後も、両者は息を合わせて

猛スピードで指し進み、自陣の駒組みを整えると

先手に続いて後手も銀を中央5筋の戦場へと繰り出し

注目の戦型は「角換わり相腰掛銀」となりました。。

 

 

 

57手目▲9九玉。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 角

△藤井叡王: 角

 

戦型も決まり、駒組みの飽和点が近づくと

ナーバスなパスの応酬となり、双方相手からの仕掛けを待ちます。。

飛車を左右に振りながら間合いを図る叡王に対して、伊藤七段は

上図で手堅く「穴熊」の中へ玉を納めました。。

 

ここで手番の回った藤井叡王が、次に

左の銀を引き下げたのをみて(58手目△4二銀)

伊藤七段はすかさず飛車先2筋の歩を突き合わせ

先に仕掛けを開始しますが。。

 

 

 

62手目△6五歩。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 角、歩

△藤井叡王: 角、歩

 

2筋での歩交換成立直後

藤井叡王は突進してきた先手の飛車先はそのままに

6筋の歩を突き出し切り返し、強く反撃に転じました。。

 

すると。。

 

 

 

82手目△4六角。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 歩5

△藤井叡王: 歩

 

本局に必勝を期す藤井叡王の手が盤上で躍動。。

大駒・小駒を自在に駆使して先手陣を崩しに掛かります。。

 

 

 

108手目△8五桂。

 

上図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 歩4

△藤井叡王: 歩

 

伊藤七段も機をみて何とか反撃を試みますが

攻守にわたって急所に手が伸びる藤井叡王は盤石。。

付け入る隙を与えることなく上空から敵陣へと迫り

ガッチリと、形勢の針を引き寄せます。。

 

叡王戦/第4局の棋譜中継はこちら

 

 

【 投了図・132手目△9六歩 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲伊藤七段: 銀、香2、歩3

△藤井叡王: 角、金、歩2

 

そのまま厳しく寄せに入った藤井叡王の前に

伊藤七段は為す術なく、上図の局面で万策尽き果て

無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後6時2分。

カド番でさすがの底力をみせつけ、見事完勝を飾った

藤井叡王が今シリーズの対戦成績を2勝2敗の五分とし

決着は最終戦/第5局までもつれ込みました。。