第37期竜王戦1組・3位決定戦/決勝「若き精鋭を一蹴、久保九段が堂々の本戦入り」
【 投了図・104手目△7七銀不成 】
投了図での持ち駒
▲伊藤七段: 角2、歩
△久保九段: 金、香、歩4
昨日行われました注目の好カード
第37期竜王戦ランキング戦1組・3位決定戦/決勝
「久保利明九段-伊藤匠七段」の一戦は、上図104手までで
後手番の久保九段が見事勝利を飾りました。。
30手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲伊藤七段: なし
△久保九段: 角
本戦入りを懸けた大一番で
久保九段は振り飛車の王道「四間飛車」を投入。
伊藤七段はもちろん居飛車で迎え撃ち、戦型は
期待通りの「対抗形」となりました。。
振り飛車の天敵である「穴熊」をみせる伊藤七段に対し
久保九段は上図で角交換を敢行し、模様を動かします。。
43手目▲9六歩。
上図での持ち駒
▲伊藤七段: なし
△久保九段: なし
しかし、先に仕掛けたのは伊藤七段でした。。
玉を納めた「穴熊」のハッチを銀ではなく角で閉じ
攻守の拠点に据えてから、上図の局面で大胆に
玉頭9筋の歩を突き合わせ、開戦を迫ります。。
88手目△8六銀。
上図での持ち駒
▲伊藤七段: 金、香、歩
△久保九段: 歩2
攻め合いの終盤戦
先手は作戦通りに9筋の端を拠点に攻め立てますが
攻守に手が伸びる九段は見切りよく先手玉へと迫り
形勢の針は大きく後手へと傾きました。。
【 投了図・104手目△7七銀不成 】
投了図での持ち駒
▲伊藤七段: 角2、歩
△久保九段: 金、香、歩4
それでも、伊藤七段は攻め合いに活路を求めますが
久保九段が機をみて鋭く敵陣の急所へ角を飛び込ませ
一気の寄せに入った上図の局面でついに万策尽き果て
無念の投了を告げました。。
今、最も勢いのある若き精鋭から会心の勝利を飾った
久保九段が振り飛車の魅力と偉大なる存在感を堂々と示し
颯爽と本戦入りを決めました。。