第82期名人戦7番勝負/第3局「藤井名人、完全無欠の圧勝で防衛に王手」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第82期名人戦7番勝負/第3局「藤井名人、完全無欠の圧勝で防衛に王手」

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初防衛を目指す藤井聡太名人に

タイトル返り咲きを狙う豊島将之九段が挑戦する

将棋界の「春の本場所」第82期名人戦7番勝負。

 

ここまで2局を消化し、藤井名人が連勝スタート。

シリーズの流れが決まりそうな注目の第3局が、昨日より

東京都は大田区「羽田空港第1ターミナル」にて開幕。。

 

 

名人戦/第3局・柔らかいプレビュー

 

 

 

第3局の先手は藤井名人。

その初手は普段通りに飛車先を突く▲2六歩から。。

対します、豊島九段は2手目△3四歩と角道を開き

戦型選択に含みを持たせて対局をスタート。。

 

続く3手目に、藤井名人も角道を開けたのをみて

豊島九段は決めていた作戦と、すぐに自らの角道を止め

意表の振り飛車投入を示唆しました。。

 

 

 

10手目△8四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井名人: なし

△豊島九段: なし

 

しかし、後手の趣向にも藤井名人は全く動じず。。

飛車先を決めてから自然な手運びで駒組みを進めると

豊島九段は名人が居玉を解除したところで(9手目▲6八玉)

保留していた飛車先を突き、ここで居飛車を明示しました。。

 

 

 

25手目▲3四歩。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井名人: 歩

△豊島九段: なし

 

力戦模様の盤上で、先に仕掛けたのは藤井名人でした。

飛車先に銀を乗せてから起点の3筋の歩を取り込みます。。

この歩を銀で払った豊島九段は、次の▲3八飛(27手目)をみて

角交換を敢行し、模様を動かしますが(28手目△7七角成)。。

 

名人戦/第3局・一日目の流れ

 

 

 

【 封じ手局面・44手目△2二歩 】

 

 

上図での持ち駒

 

▲藤井名人: 角、歩

△豊島九段: 角、歩

 

藤井名人は局面を収める気はないと

強く駒を前に出し、「棒銀」での敵陣突破を狙います。。

 

名人の圧力の前に、豊島九段がたまらず自陣に歩を打ち

受けに回った上図の局面で、藤井名人が次の手を封じて

一日目は終了、二日目へと指し掛けになりました。。

 

一夜が明けて、迎えた本日決着の二日目。

注目の藤井名人の「封じ手」は本命の▲1六角。。

後手陣の急所である4筋の銀を大駒で鋭く射貫き

意気揚々と力を溜めて二日目をスタートします。。

 

手が伸びる名人に対して

早くも閉塞感の漂う豊島九段は、ここも逆らうことが出来ず

△5二金(45手目)と受けに回ると。。

 

 

 

47手目▲2三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井名人: なし

△豊島九段: 角、歩

 

藤井名人は間髪入れずに

駒音高く拠点の2筋に歩を打ち込み、問答無用で

爽やかに、いざ開戦を告げました。。

 

 

 

87手目▲7五銀。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井名人: 桂、歩2

△豊島九段: 角、歩2

 

いざ開戦後は藤井名人の一方的なペースに。。

思うがままに模様を動かしながら形勢の針を引き寄せる

名人の前に豊島九段は為す術なく、防戦一方を強いられます。。

 

上図から次に、豊島九段が飛車を諦め

歩を成り込み、飛車・金交換を成立させた後

7筋に力なく歩を立てた、92手目の局面で

夕食休憩突入となりました。。

 

【 夕食のメニュー 】

 

両者ともに「おにぎり」

豊島九段はアップルジュースも注文

 

 

【 投了図・95手目▲2四歩 】

 

 

投了図での持ち駒

 

▲藤井名人: 飛、桂、歩2

△豊島九段: 角、金、銀、歩2

 

夕食休憩明けの一手で

藤井名人があっさりと玉を6筋に寄せて王手をかわすと

所在をなくした豊島九段は8筋の銀を取り込み首を差し出し

次の2四歩をみて、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後5時43分。

叡王戦連敗のショックを微塵も感じさせないド圧勝で

藤井名人が今シリーズ無傷の開幕3連勝を飾り

悠々と、名人防衛に王手を掛けました。。