第9期叡王戦5番勝負/第3局「伊藤七段逞しく、叡王ねじ伏せ奪取へ王手」 | 柔らかい手~個人的将棋ブログ

第9期叡王戦5番勝負/第3局「伊藤七段逞しく、叡王ねじ伏せ奪取へ王手」

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4連覇を目指す藤井聡太叡王に

「藤井世代」の一番星・伊藤匠七段が挑戦する

第9期叡王戦5番勝負。

 

ここまで2局を消化し、ともに譲らず1勝1敗のイーブン。

勝者がタイトルに王手をかける、正念場の第3局が本日

名古屋市中区の「名古屋東急ホテル」にて開幕。。

 

叡王戦/第3局・開始直前&直後

 

 
第3局の先手は藤井叡王
初手から互いに息を合わせて飛車先の歩を突き越し
まずは「相掛かり」の出だしとなりますが。。
 
 
 
10手目△7七角成。
 
上図での持ち駒
 
▲藤井叡王: なし
△伊藤七段: なし
 
そこから「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
藤井叡王が銀を6筋に絞って構えて迎えた(9手目▲6八銀)
上図の局面で、伊藤七段から手損のない角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
 
 
 
40手目△6五歩。
 
上図での持ち駒
 
▲藤井叡王: 角
△伊藤七段: 角
 
角交換成立後も
両者は前例を踏襲しながら早いテンポで指し進み
注目の戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
 
駒組みの飽和点が迫る中
先に藤井叡王が4筋から仕掛けますが(39手目▲4五歩)
伊藤七段は同歩と応じず、6筋の歩を突き合わせすぐに反発。。
この手に、藤井叡王は同歩と応じてそのまま開戦となりました。。
 
 
 
56手目△4六歩。
 
上図での持ち駒
 
▲藤井叡王: 歩2
△伊藤七段: 角、歩2
 
午前の対局は上図56手目まで進行。。
飛車・角の大駒を拠点に攻めの態勢を整える先手に対し
手番の回った伊藤七段がグイっと4筋の歩を突き出した局面で
まずは一息、お昼休憩に突入します。。
 
 
藤井叡王: 名古屋コーチン入りスパイシー焼きカレー、ウーロン茶
伊藤七段: 天むすと稲庭うどん(冷)のセット、アイスティー
 
 
 

69手目▲2三歩。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井叡王: なし

△伊藤七段: 角、桂、歩2

 

午後の対局開始の一手で

じっと玉形を整備した藤井叡王は(57手目▲7九玉)

2筋の桂馬を捌いた後、飛車先に香車を配置すると

直線的な踏み込みで攻防の主導権を掴みに出ます。。

 

 

 

84手目△6六桂。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井叡王: 銀、桂、歩2

△伊藤七段: 角、銀、香、歩3

 

軽快に駒を捌きながら後手陣を切り崩す

藤井叡王を前にしても、伊藤七段は怯むことなく

機をみて拠点に据えた6筋から堂々と反撃を開始。。

ギリギリ均衡を保ちながら、終盤戦の幕を開きます。。

 

 

 

94手目△6八歩成。

 

上図での持ち駒

 

▲藤井叡王: 桂2、歩2

△伊藤七段: 銀、歩5

 

攻め合いの終盤戦

先に寄せに出たのは、伊藤七段でした。。

藤井叡王は敵陣へ反攻の飛車を打ち下ろしますが、構うことなく

手厚い攻め手で先手玉へと迫り、勝利へと突き進みます。。

 

叡王戦/第3局の棋譜中継はこちら

 

 

【 投了図・146手目△1五桂 】

 

 

 

投了図での持ち駒

 

▲藤井叡王: 金、銀2、歩6

△伊藤七段: 飛、歩3

 

苦しくなった藤井叡王は最善の粘りで食らいつき

勝利への執念を最後の最後まで燃やし続けますが、しかし

伊藤七段はそれを上回る正確無比な指し回しで付け入る隙を与えず。。

上図の局面で藤井叡王はついに力尽き、無念の投了を告げました。。

 

終局時刻は午後6時43分。

手に汗握る熱戦で神童をねじ伏せ、見事勝利を飾った

伊藤七段が番勝負連勝でタイトル奪取へ王手をかけました。。