第36期竜王戦7番勝負/第2局「伊藤七段、執念の捲りはならず。。藤井竜王が貫録の連勝」
3連覇を目指す藤井聡太竜王に
「藤井世代」の一番星・伊藤匠七段が挑戦する
第36期竜王戦7番勝負。
開幕戦を藤井竜王が制して迎えた注目の第2局が
昨日より、京都府は京都市の「総本山仁和寺」にて
運命の幕を開きました。。
第2局の先手は開幕連勝スタート狙う藤井竜王。
定跡手順の進行で後手から手損のない角交換が敢行されると
前例を踏襲しながらの駒組みが続き、注目の戦型はおなじみの
「角換わり相腰掛銀」に決定します。
駒組みで先行する藤井竜王は、玉の「入城」に目処を付けると
4筋を皮切りにトントン拍子で歩を突き出し、模様を動かして行き
桂馬を捕獲してから敵陣の歩の成込みに成功。後手に手番を渡さず
最初の仕掛けから一気に本格開戦へと持ち込みました。。
畳みかける藤井竜王が敵陣に手持ちの角を打ち込み
形を決めたところで、ようやく自陣に手を戻し陣形を引き締めつつ
手番を後手に渡した59手目の局面で、伊藤七段が次の手を封じて
一日目は終了、二日目へと指し掛けになりました。。
一夜が明けて、迎えた本日決着の二日目。
伊藤七段は「封じ手」で桂馬を取り返し、反撃の狼煙を上げますが
攻め手は続かず、再び受けに回る苦しい展開で二日目をスタート。。
強気の藤井竜王も本局の流れそのままに
妥協なく踏み込み、盤上はあっという間に終盤戦へと突入します。
攻め合いに活路を求める伊藤七段は猛攻に次ぐ猛攻。。
一気呵成に先手玉へと迫りますが、藤井竜王は機をみて逆襲へ。。
飛車・角交換を成立させて手番を握り、厳しく寄せに入ります。。
しかし、伊藤七段もただでは屈せず。。
玉を2筋に逃がしてから、反転速攻の寄せへ。。
藤井竜王が玉の上部脱出を試みると、若き挑戦者は
同世代の絶対王者に一歩も引かずに食い下がります。。
が、しかし
藤井玉の生命力は逞しく、仕留めるには至らず。。
後手の猛攻を振り切り、手番を握った藤井竜王が
後手玉の斜め後方に銀を振り下ろした、107手目の局面で
伊藤七段は万策尽き果て、無念の投了を告げました。。
伊藤七段の執念の寄せを完全に読み切った
藤井竜王が貫録開幕2連勝を飾りました。。