第5期叡王戦7番勝負/第6局「永瀬叡王しなやかに、形勢リードで終盤戦突入」
初防衛を目指す永瀬拓矢叡王に
豊島将之竜王・名人が挑戦する、第5期叡王戦。
7番勝負はここまで5局を消化し
永瀬叡王の2勝1敗2持将棋と異例の展開となる中
本日、急所の第6局が西の聖地・関西将棋会館にて
運命の幕を開きました。。
第6局の先手は豊島竜王・名人。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: なし
△永瀬叡王: なし
対します、永瀬叡王も
2手目に同じく飛車先を突く△8四歩と返し
互いに居飛車を明示して、対局はスタート。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: なし
△永瀬叡王: なし
次に両者は息を合わせて角道を開くと
飛車先を決め、「横歩取り」を目指す進行に。。
14手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩2
△永瀬叡王: 歩2
互いに角頭を金で受け、飛車先で歩を交換し
迎えた上図の局面で、豊島竜王・名人は次に。。
15手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩2
△永瀬叡王: 歩3
2筋の浮き飛車で、お隣り3筋の歩をかすめとり
おなじみの手順で戦型は「横歩取り」に決定しました。
18手目△6ニ玉。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩2
△永瀬叡王: 歩3
3筋に回った先手の飛車先を
永瀬叡王が角で受けると(16手目△3三角)
豊島竜王・名人は飛車を引かずに玉を立て
「中住まい」に構えました。。
この手をみて、永瀬叡王も
居玉を解除し、6筋に繰り上げます。。
24手目△2七歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩3
△永瀬叡王: 歩
永瀬叡王は8筋を自陣低くケアしてから(20手目△8二歩)
飛車で7筋の「横歩」を取ると、そつなく敵陣2筋へ歩を垂らし
早いテンポで迷いなく、形を決めて行きます。。
31手目▲3八金。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩3
△永瀬叡王: 歩
互いの飛車が戦場で待機する中、駒組みは進行し
豊島竜王・名人は後手が垂らした2筋の歩はそのままに
上図で堂々の「金開き」に構えました。。
36手目△7三桂。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩3
△永瀬叡王: 歩
一方、手損覚悟で玉を5筋に寄せた
永瀬叡王も金を開いて構えてから(32手目△7二金)
先手の角頭に圧力をかけながら右の桂馬を跳躍させ
来るべき開戦に向け、力を溜めます。。
42手目△4四角。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩2
△永瀬叡王: 歩
豊島竜王・名人は後手の飛車を追いながら
角頭をケアし、2筋の歩を払いますが(41手目▲2七金)
永瀬叡王は握った手番で、角を戦場に迫り出すと
次の▲5六歩(43手目)をみて。。
44手目△2五歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 歩2
△永瀬叡王: なし
飛車・角のラインが重なる2筋で、ガツンと
永瀬叡王は歩をぶつけ、仕掛けを開始しました。。
豊島竜王・名人は▲6八角(45手目)とし、以下
△2六歩~▲同銀に△同飛~▲同金~△同角をみて
▲2五飛~△4四角~▲2一飛成~△2ニ金~▲1一龍~
下図56手目△2ニ金打と進行。。
56手目△2一金打。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 桂、香、歩3
△永瀬叡王: 銀、歩
2筋で華々しく駒が捌かれ、いざ開戦となると
豊島竜王・名人は飛車を敵陣へと成り込みますが
永瀬叡王はこの飛車を二枚の金で手厚く詰まします。。
60手目△2八歩。
上図での持ち駒
▲豊島竜王・名人: 桂、香、歩3
△永瀬叡王: 飛、銀
桂・香の小駒を手土産に飛車を切った
豊島竜王・名人は交換で手にした金を
自陣最下段へ投入し、受けに回ります。。
(59手目▲3九金)
手番を握った永瀬叡王が、19分の考慮で
敵陣2筋で桂馬の頭上を歩で叩いた、上図の局面で
夜戦に備えて、夕食休憩突入となりました。。
【 夕食のメニュー 】
両者ともに「第5期叡王戦セット」
現局面では手が伸びる永瀬叡王が形勢をリード。
このところ不振が続く豊島竜王・名人の切り返しやいかに。。
夕食休憩明けからの終盤戦から目が離せません。。
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衝撃の棋聖戦の他、平行して行なわれている
名人戦、王位戦、叡王戦の番勝負の解説も付いた
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