第5期叡王戦挑戦者決定三番勝負/第2局「豊島竜王・名人が後手から先攻、渡辺三冠の切り返しは。。」
永瀬拓矢叡王への挑戦権を懸けた
注目の第5期叡王戦挑戦者決定三番勝負
「豊島将之竜王・名人-渡辺明三冠」
開幕戦を渡辺三冠が制して迎えた大一番/第2局が
本日、西の聖地・関西将棋会館にて行なわれています。。
本局の先手は、渡辺三冠。
その初手は飛車先を突く▲2六歩から。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: なし
△豊島竜王・名人: なし
対します、カド番に立たされもう後のない
豊島竜王・名人も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と飛車先を突き、対局はスタート。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: なし
△豊島竜王・名人: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
まずは「相掛かり」の出だしに。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: なし
△豊島竜王・名人: なし
そこから「角換わり」を目指す定跡手順の進行となり
迎えた上図の局面で、渡辺三冠が銀を6筋に繰り上げ
後手からの角交換、あるいは角交換拒否に備えると。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: なし
△豊島竜王・名人: 角
豊島竜王・名人はすかさず角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
20手目△6三銀。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
角交換成立後、同形模様の進行で
両者は銀を中央へと繰り出す動きをみせ
「ノーマル角換わり」の常套手段である
「腰掛銀」を目指しますが。。
32手目△6二金。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
銀の形を決める前に
自陣の駒を組み上げるのが現代流「角換わり」。
本局では後手番の豊島竜王・名人が先に、最新形の
「△4ニ玉+6ニ金+8一飛」型を完成させました。。
34手目△5四銀。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
一方の渡辺三冠が、右の金の態度を保留したまま
9筋の端歩を突き越したのをみて(33手目▲9五歩)
豊島竜王・名人はケレン味なく、銀を戦場に繰り出し
「腰掛銀」に形を決めました。。
この手に対し、渡辺三冠は
金を3筋に開いて構えると(35手目▲3八金)
次に、豊島竜王・名人の△4一玉をみて。。
37手目▲5六銀。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
サッと銀の形を決めて、駆け引きの末に
戦型は「角換わり相腰掛銀」に決定しました。。
41手目▲1八香。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
大一番らしく、慎重に間合いを計り合う両者。。
渡辺三冠は上図で1筋の香車を一段繰り上げ
将来的な角の当たりを避けつつ手番を後手へ
渡しました。。
すると、次の瞬間
42手目△6五桂。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 角
豊島竜王・名人は右の桂馬を跳ね上げ
このタイミングで、先に仕掛けを開始しました。。
渡辺三冠は▲6六銀(43手目)と当りをかわし
以下、△8六歩~▲同歩~△同飛~▲8七歩~△8一飛に
▲4七銀~△2ニ玉~▲8八金~△4三銀~▲7八玉をみて
△7ニ角~▲4五歩~△同歩~下図57手目▲2六飛と進行。。
57手目▲2六飛。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角
△豊島竜王・名人: 歩2
後手からの攻めを呼び込みたい渡辺三冠に対し
豊島竜王・名人は先手の桂頭を標的に手持ちの角を
自陣へと投入し、攻撃の拠点を築きました。。
この手をみて、渡辺三冠は
4筋の歩を突き捨てて、後手の角道を止めてると
飛車を浮かせて、桂頭を守ります。。
63手目▲5六飛。
上図での持ち駒
▲渡辺三冠: 角、歩
△豊島竜王・名人: 歩3
ならば、と豊島竜王・名人は
不安定な先手の浮き飛車を新たな標的として
銀を前方に繰り出し、圧力をかけます。。
渡辺三冠が狙われた飛車を5筋に移動させた
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩に突入。。
現局面では
攻勢強める豊島竜王・名人が形勢をリード。。
果たして、渡辺三冠はどのように切り返すのか。
大一番のクライマックスが迫ります。。
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衝撃の完敗で公式戦連勝もストップ。。