衝撃の一本道。。第13回朝日杯/準決勝「藤井七段-千田七段を振り返ろう」
今回は昨日行なわれました
注目の第13回朝日杯将棋オープンの中から
「藤井聡太七段-千田翔太七段」の準決勝の
模様を振り返らせていただきます。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△藤井七段: なし
本局の先手は、千田七段。
その初手は飛車先を突く▲7六歩から。。
対します、藤井七段も2手目に同じく飛車先を突く
△8四歩と返し、対局はスタートとなりました。。
4手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△藤井七段: なし
次に両者は息を合わせて飛車先を決め
まずは「相掛かり」の出だしとなると。。
9手目▲6八銀。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△藤井七段: なし
そこから「角換わり」を目指す定跡手順へと進行。。
迎えた上図の局面で、千田七段は銀を6筋に繰り上げ
後手から角交換、あるいは角交換拒否に備えます。。
この手に対し、藤井七段は。。
10手目△7七角成。
上図での持ち駒
▲千田七段: なし
△藤井七段: 角
すかさず角交換を敢行。。
手損のない「ノーマル角換わり」となりました。。
28手目△4二玉。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角
△藤井七段: 角
角交換成立後
両者は銀の中央進出を目指しつつ
息を合わせた同形模様で駒組みは進行。。
33手目▲4八金。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角
△藤井七段: 角
上図で千田七段は金を立て、自陣を最新形の
「▲6八玉+4八金+2九飛」型に組み上げると。。
34手目△4八金。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角
△藤井七段: 角
続けて藤井七段も金を立て、先手と対称を成す
「△4ニ玉+6ニ金+8一飛」型に構えました。。
41手目▲8八玉。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角
△藤井七段: 角
自陣の駒が組み上がったところで
両者は攻撃の銀を中央5筋の戦場へと繰り出し
戦型はおなじみの「角換わり相腰掛銀」に決定。。
例によって玉を左右に振りながら
パスを繰り返す後手に対して、千田七段は手堅く
上図で玉の「入城」を完了しました。。
すると、次の瞬間
42手目△6五歩。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角
△藤井七段: 角
藤井七段は待ってましたとばかりに
6筋の歩を突き出し、仕掛けを開始しました。。
この辺りはよく見る進行に感じられましたが。。
千田七段は飛車を争点の6筋に合わせ(43手目▲6九飛)
以下、△6六歩~▲同銀~△6五歩~▲同銀直~△同桂をみて
▲同銀~△同銀~▲同飛~△6四銀~▲6九飛~△7五歩に
下図55手目▲5五銀と進行。。
55手目▲5五銀。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角、桂、歩2
△藤井七段: 角、銀
6筋で躊躇なく駒を捌き合った後
手番を握った藤井七段は7筋から反撃に転じますが
千田七段は構うことなく、天王山・5筋の位に銀を投入。。
また続きがあるとばかりに、飛車先を絡め追撃します。。
素直に同銀と応じては、6二飛成と走られ
激痛の金取りの王手が丸見えの藤井七段は
手持ちの銀を投入し、受けに回りますが。。
(56手目▲7三銀打)
57手目▲7四桂。
上図での持ち駒
▲千田七段: 角、歩2
△藤井七段: 角
千田七段は返す刀で、7筋の好所に桂馬を投入。。
△同銀には▲6四銀、△6三金には▲7ニ角打ちが
いずれも厳しく、藤井七段は金を寄せ(58手目△5ニ金)
ジッと我慢し、先手に手番を渡しました。。
67手目▲7二角打。
上図での持ち駒
▲千田七段: 歩2
△藤井七段: 角、銀2
攻防の主導権を握った千田七段は
後手の反撃を凌いでから、上図で角を敵陣に投入し
待望の飛・金両取りを実現、次に飛車を捕獲すると。。
(68手目△7三金~▲8一角成~)
75手目▲6五同飛。
上図での持ち駒
▲千田七段: 飛、桂、香、歩3
△藤井七段: 角、銀2、歩
上図で桂馬との交換で、起点の飛車切りを決断。。
千田七段は自信を漲らせ、勝負を決めに出ました。。
98手目△6九銀。
上図での持ち駒
▲千田七段: 金、桂、香、歩3
△藤井七段: 金、銀2、桂、歩
大きく形勢を損ねた藤井七段は
攻め合いに活路を求め、朝日杯3連覇実現へ
勝利への執念を燃やしますが。。
しかし。。
【 投了図・115手目▲4三香 】
上図での持ち駒
▲千田七段: 金、銀、歩3
△藤井七段: 角、銀3、桂2、歩
さすがの神童も形勢を覆すには至らず。。
中盤の仕掛けから、ほぼ一方的に盤上を支配した
千田七段が見事な快勝で、藤井七段の3連覇を阻止。
堂々の決勝戦進出を決めました。。
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衝撃の完敗で公式戦連勝もストップ。。