第4期叡王戦挑戦者決定三番勝負/第3局「相穴熊、端から火の手は。。」
高見泰地叡王への挑戦権を懸けた
注目の第4期叡王戦挑戦者決定三番勝負
「菅井竜也七段-永瀬拓矢七段」
ここまで2局を戦い、ともに譲らず1勝1敗。。
勝者が挑戦権を獲得する、決着の大一番/第3局が
本日、東京・将棋会館にて行われています。。
振り駒で決まる最終戦の手番で
先手を得たのは、菅井七段でした。。
2手目△8四歩。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
菅井七段の初手は▲5六歩。
いきなり中央の歩を突き代名詞である振り飛車投入を示唆します。
すると、永瀬七段は2手目△8四歩と飛車先を突き居飛車を明示。。
まずは互いのポリシーを盤上に反映させて対局はスタート。。
7手目▲5八飛。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
続く3手目に角道を開いた
菅井七段は上図で位を取った5筋に飛車を振り
十八番の「ゴキゲン中飛車」を投入しました。。
19手目▲1八香。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
戦型が「対抗形」に決まると
両者は一直線に玉の囲いを目指します。。
上図で菅井七段が1筋の香車を一段繰り上げ
堅くて遠い「穴熊」を明示すると。。
20手目△1八香。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
菅井七段もすぐに呼応。。
同じく1筋の香車を上げて「穴熊」を明示しました。。
35手目▲1六歩。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
勝てば挑戦権獲得、負ければなにも残らない
大一番らしく、両者は一目散に玉を「穴熊」におさめると
銀のハッチを閉じてからも駒を集め、手厚い囲いを目指します。
しかし、その最中
互いに玉が眠る1筋の歩を突き合い、一マス空けて
囲いの硬直化を避け、空気を入れつつ間合いを取ります。。
43手目▲3六銀。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永井七段: なし
その後は再び「穴熊」に駒を引き寄せ
双方、ともに二枚の金を囲いに連結させると
銀を3筋の戦場に繰り上げた菅井七段は、次に
永瀬七段の△7三角(44手目)をみて。。
45手目▲4五歩。
上図での持ち駒
▲菅井七段: なし
△永瀬七段: なし
菅井七段は4筋の歩を突き合わせ
このタイミングで、先に仕掛けを開始しました。。
永瀬七段は同歩とは応じず
角を前に出して(46手目△6四角)、以下
▲4六飛~△3三金上~▲4四歩~△同金直に▲7五歩~
△同歩をみて、下図53手目▲3八金左と進行。。
53手目▲3八金左。
上図での持ち駒
▲菅井七段: 歩
△永瀬七段: 歩2
4筋で歩の交換を成立させると
菅井七段は続けて7筋の歩を突き捨ててから
自陣に手を戻し、金を縦に並べました。。
64手目△3三金寄。
上図での持ち駒
▲菅井七段: 歩
△永瀬七段: 歩2
先手が矛先をおさめると
両者は再び自陣の入念な整備に取り掛かります。。
飛車を左右に動かしながらパスを繰り返した
菅井七段は、後手が飛車を浮かせたのをみて(63手目▲8四飛)
ここまでジッと出番を待つ、角のラインを変えました。。
(63手目▲6八角)
この手をみて
永瀬七段は4筋に居た金を3筋に寄せて
銀の上に二枚の金を積み上げる堅い壁を築きます。。
すると、次の瞬間。。
65手目▲1五歩。
上図での持ち駒
▲菅井七段: 歩
△永瀬七段: 歩2
菅井七段は1筋の歩を突き合わせ
「穴熊」の頭上から、二度目の仕掛けを開始します。。
68手目△4四金。
上図での持ち駒
▲菅井七段: 歩
△永瀬七段: 歩3
永瀬七段が△同歩(66手目)で応じたのをみて
菅井七段は3筋に構えた銀をグイッと2筋に繰り上げます。。
(67手目▲2五銀)
この手に対し、永瀬七段も
囲いに連結したばかりの金を4筋の戦場に繰り出した
上図の局面で、夜戦に備えて夕食休憩突入となりました。。
互いに存分に駒を組み合ってからの開戦、そして
ここからのねじり合いは相当、深く激しいものとなりそう。。
大一番は、両者の意地と誇りに読みを交錯させながら
いよいよ、クライマックスへと向います。。
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