第30期竜王戦挑戦者決定三番勝負/第2局「羽生三冠優勢でクライマックスへ」
「冬の本場所」竜王戦挑戦権を懸けた
注目の決勝三番勝負「羽生善治三冠-松尾歩八段」
今月14日(月)に行なわれた
開幕戦を羽生三冠が制して迎えた大一番
第2局が本日、東京・将棋会館にて行われています。
第2局の先手は松尾八段。
カド番に立たされ、もう後のない本局の初手は
飛車先を突く▲2六歩から。。
2手目△3四歩。
▲松尾八段: なし
△羽生三冠: なし
対します、竜王挑戦に王手をかけた
羽生三冠は2手目に角道を開く△3四歩と返し
対局はスタート。。
6手目△8五歩。
上図での持ち駒
▲松尾八段: なし
△羽生三冠: なし
続く3手目に、松尾八段が角道を開いたのをみて
羽生三冠は飛車先を突き、互い違いの出だしから
相居飛車が確定すると、次に両者は息を合わせて
飛車先を決め、いざ「横歩取り」を目指す進行に。。
14手目△8六飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 歩2
△羽生三冠: 歩2
そのまま定跡手順の進行となり
互いに角頭を金で受け、飛車先で歩を交換し
迎えた上図から次に、松尾八段が2筋の浮き飛車で
お隣り3筋の歩を取れば「横歩取り」となりますが。。
15手目▲2八飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段: なし
△羽生三冠: なし
松尾八段は「横歩」を取らず
ノータイムで飛車を元居た地点に引き下げる
趣向の一手を披露しました。。
いかにも用意の作戦を感じさせる手に対し
羽生三冠は6分の考慮で気息を整えてから。。
16手目△7六飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 歩2
△羽生三冠: 歩3
8筋に浮いた飛車でお隣り7筋の歩をかすめとり
戦型は先後を入れ替えた「横歩取り」となりました。。
この手対し、松尾八段は次に
7筋に回った後手の飛車先を角で受けます。。
(17手目▲7七角)
25手目▲5九金。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 歩2
△羽生三冠: 歩2
飛車は引かずに玉を立て
金開きに構えた羽生三冠に対して
松尾八段は上図で「中原囲い」を完成。。
双方、まずは自陣を整備します。。
30手目△7四飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 歩2
△羽生三冠: 歩2
午前の対局は上図30手目まで進行。
羽生三冠が9筋の、松尾八段は1筋の
それぞれ端歩の位を取ってから、羽生三冠が
浮き飛車を引き下げた局面で昼食休憩に突入。。
【 昼食のオーダー 】
松尾八段: とろろせいろそば
羽生三冠: 玉子炒飯
32手目△8四飛。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 歩2
△羽生三冠: 歩2
午後の対局開始の一手で
松尾八段が飛車を戦場に浮上させると(31手目▲2六飛)
羽生三冠も飛車を元居た8筋に振り直しました。。
すると、次の瞬間。。
33手目▲2ニ角成。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 角、歩2
△羽生三冠: 歩2
松尾八段は3分の少考の後
このタイミングで角交換を敢行しました。。
羽生三冠はノータイムで△同銀と払い、以下
▲7七桂~△7四歩~▲8ニ飛~△8六飛~▲7三桂に
▲8七銀~△3三銀をみて下図43手目▲5八玉と進行。。
43手目▲5八玉。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 角、歩
△羽生三冠: 角、歩2
松尾八段は後手の飛車先を押さえてから
自らの飛車を8筋に合わせ基点を作りますが
受けに回った羽生三冠が堅陣を敷いたのをいて
手損覚悟で玉を5筋に戻しました。。
やや、消極的にも思える手をみて
手番を握った羽生三冠は、次に。。
44手目△6四角。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 角、歩
△羽生三冠: 歩2
先手の攻撃の基点である飛車を標的に
手持ちの角を投入し、形を決めました。。
47手目▲6五桂。
上図での持ち駒
▲松尾八段: 角、歩
△羽生三冠: 歩3
松尾八段が飛車を5筋に移動させると
羽生三冠に続けて(46手目△8五桂)
松尾八段も桂馬を跳躍。開戦へ向けて
ともに力を溜めます。。
この局面で、午後の対局は一休み
夜戦に備えて40分間の夕食休憩に突入。。
【 夕食のオーダー 】
松尾八段: 親子南蛮うどん
羽生三冠: ロースカツ定食ライト
上図から次に
△9七桂成~▲同香~△同角成の筋が強烈で
形勢は羽生三冠優勢。。
しかし、開幕戦では
同じく羽生三冠優勢から終盤でもつれにもつれており
最後まで予断は許しませんが。。
「真夏の祭典」竜王戦決勝トーナメントは
いよいよ、クライマックスへと向かいます。。
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開幕戦は辛勝も
悲願の竜王挑戦へ王手。。
「冬の本場所」竜王戦へ。。
決勝三番勝負がいよいよ開幕。
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