この記事ではヒーロークラスタのEXパック「Masterpiece “Pilgrim-Memories”」(以降、MP01)発売後の環境に対する個人的な分析内容について記載します。
とはいえ執筆時点から1週間後の5/17に新クラスタのスターターデッキ、その翌週5/24にはブースターパックが発売されるため、分析というより振り返りに近い内容となります。。。今後このぐらいの温度感で書きますよーという練習も兼ねて書こうと思いますので、よろしくお願いします。
1. 環境定義
2. 前環境からの変化
3. メタ一覧
4. 各デッキ一言解説
4-1. キルアバーン
4-2. 預言者クロックパーミッション
4-3. ゲートコントロール
4-4. ムーンアリステラ
4-5. グリムシャッフル
4-6. パンドラループ
4-7. リフリフコントロール
4-8. 人間ビートダウン
4-9. 妖精アグロ
4-10. オーダーニャル
4-11. ドラゴンミッドレンジ
4-12. DXMコンボ
4-13. バイオレット
4-14. クトゥルフコンボ
4-15. デモニックワールドコンボ
4-16. J単騎六賢者
4-17. ハーベストブリュン(orリッチ)
4-18. 魔界樹
5. 最後に
MP01環境としては大まかに、発売直後から3/25の緊急禁止改定までの前期と、禁止改定後からトリニティクラスタ発売までの後期が存在します。
この記事では後期環境について取り扱います。
MP01発売直後から危険視されていた「Magic Stone of the Wolf's Night」と「Lone Wolf of the Crimson Moon」のコンビネーション禁止、最速1ターン目からデッキ全てを掘り切ってワンショットキルを決める墓地モグラクトゥルフコンボのキーパーツ「Zombie Returning From the Paramita of the Dead」の禁止、H6環境後半ごろからジワジワと活躍し始めたコントロール「Solaria, Ruler of Desire」に関するいくつかのコンビネーション禁止、これらが主な影響でしょうか。
緩和については、禁止発表時に お前のためにデザインされたカードじゃないのかよ! と総ツッコミを受けた「Aristella, Ascendant Prince of the Crimson Moon」「Crimson Moon」のコンビが解除されることになりました。
これらによりアグロ、コンボ、コントロールすべてが程よく弱体化され、ゲームを健全な速度へと落としつつ特定のアーキタイプだけが強くなりすぎることもない、最近のFoWにしては珍しくとてもバランスの良い環境となりました。
ここからは個人的な見解を多分に含む内容となります。
Tier1:
キルアバーン
預言者クロックパーミッション
ゲートコントロール
ムーンアリステラ
Tier 1.5:
グリムシャッフル
パンドラループ
リフリフコントロール
Tier 2:
人間ビートダウン
妖精アグロ
オーダーニャル
ドラゴンミッドレンジ
DXMコンボ
バイオレット
クトゥルフコンボ
デモニックワールドコンボ
J単騎六賢者
ハーベストブリュン(orリッチ)
魔界樹
大まかにこのようなイメージ。バーン、クロパ、コントロール、アグロ(コンボ)というタイプの違う4種類のデッキがメタ筆頭であり、その下にも様々なデッキが群雄割拠する環境です。
各デッキについての簡単な解説を記載します。
詳細については各デッキごとの解説ページを作成予定ですのでそちらをご参照ください。とはいえ環境更新直前なのでどこまで書ききれるかは不明です。。。
ルーラー効果により手札を増やしやすい「Ki Lua, Fossil Girl of Melted Ice」と、その専用カードであり条件能力により火力を飛ばす「Grandleon, Strongest Ancient」により盤面に頼らずライフを責め立てるデッキ。相手のライフ、盤面、手札いずれかを自分のそれと同数まで減らす「Inferno」により常に逆転のチャンスを伺える点も魅力。
2023年の世界大会にて準優勝の栄誉を獲得したデッキタイプであり、規制やエラッタを受けてなお高いポテンシャルを発揮するデッキです。
条件能力を軸にするためカウンターが効きづらい、盤面に依存しづらいため除去や殴り合いを避けて戦える、それでいて豊富なドロー効果によりリソースも切れづらい、何よりキルアデッキの方が豊富なため読み違えも発生しやすい。
改めて書くとインチキ感強いですね…
「Seer of the Blue Moon(蒼月の預言者)」用のサブルーラー「Trials from Kaguya」の効果と、「Christie, the Wind Tracker(疾風の追跡者 クリスティ)」のドロー効果により高い安定感を誇るデッキ。相手の出方に応じたコントロール的な要素と、自分の強い動きを押し付ける要素を併せ持つためプレイ難度は高め。
環境に存在する多くのデッキに対して五分以上に戦えるものの、各デッキ毎に全く異なる立ち回りをしていかないとなかなか思うように成果を上げることは難しいですが、綺麗に回し切った時の達成感はひとしお。日本人こういうの好きそう
MP01屈指の壊れカード「Gate of Refarth」「Heavenly Magic」を強く使うためのデッキ。魔石の出方に大きく依存するためルーラーの片方は「Liberator of Wind(風の解放者)」でほぼ確定、もう片方はいくつかバリエーションがありますね。
・「Sacred Princess of Guidance(導きの聖王女)」ルミア。除外領域が実質手札となる能力と、発動後に除外され発動するたびに効果が増えていく「The Sword of Progression」の相性は抜群。新カード「Lumia's Rage」による極大バーンでのフィニッシュブローも魅力的です。表面の300点回復も地味ですが重要で、バーンやアグロと戦うときは忘れずに使用していきたいですね。僕はよく忘れます()
・「Ebony Prophet(漆黒の預言者)」アブドゥル。通れば即ち死となるような参戦持ちも多いため、それらをまとめて無力化する性能はやはり魅力的。表面の[-300/-300]能力も重要で相手の小粒なリゾネイターを除去するのに利用できます。僕はよく忘れます(2回目)
・「Crimson Girl in the Sky(天空の紅き少女)」新ずきん。J面の+修正倍加、-修正無効化がJにも適用されるようになったため、相手のゲートによる修正を無効化できる点は魅力。-修正ができなくなるため自身のゲートの条件能力も不発になる点は注意が必要ですね…
・「Christie, the Wind Tracker(疾風の追跡者 クリスティ)」クリスティ。手札がちょうど5枚の時に使用できるドロー能力により序盤から終盤まで安定してリソース確保できる点が魅力。最近では強い吸血鬼も増えているので、0コスジャッジメントも忘れずに意識したいところですね。
どれが一番良いかは環境やプレイヤーの好みによるところが大きいですが、どのタイプも引いて・止めて・捲るというコントロールらしさと、そのコントロールですらコンボみたいなガチャガチャした動きを搭載できる現代FoWの奥深さを味わえると思います。
MP01前期のアグロ弱体化、アリステラのコンビ禁止解除により台頭したデッキ。使用感はアグロというよりコンボに近いと思います。
「Crimson Moon」により実質8枚体制のコントラクトと偽ずきんによる特攻で2ターン目にゲームが終わることも多く、コインを利用した後攻ワンキルなども狙えます。
ライフの詰め方も多角的ですべてを止めることは難しいため、前のめりに攻めていきたい人にはおススメのデッキですね。
童話のリゾネイターを交換する「Grimm, the Fairy Tale Prince(童話王子 グリム)」と、自身のデッキをシャッフルするたびに貯まるカウンターで多彩な能力を発揮する「Alice in Wonderland(不思議の国のアリス)」用サブルーラー「Alice's Friend in Wonderland」のシナジーを生かした万能型ミッドレンジ。サブルーラーの指定のためルーラーはほぼ固定ですね。
「Crimson Moon's Fairy Tale」により手札を捨てるたびにライフが回復するため長期戦に持ち込みやすく、すべてのカードを童話化する「Neverend, Fairy Tale Dragon」と「Tell a Fairy Tale(童話語り)」によりいつでもフィニッシャーにアクセスできる点が強み。大量の童話リゾネイターが必要となる構築上の都合やメインで使用する属性の関係上コンボ系のデッキには少し弱い点が難点ですが、反対に自分の強みを押し付けていけるような対戦
では高いパフォーマンスを発揮できます。あと主人公が活躍するのいいよね
自分が聖遺物のアディションを破棄するたび、それと異なる属性の聖遺物をデッキから場に出す「Resonance Guardian of Pandora」を利用してループを形成するコンボデッキ。専用のエクステンションルールを使用するためルーラーは光/闇のパンドラタッグで固定。
最速2ターン目に相手だけ一方的にチェイスできない状態で決まる無限ドロー無限マナ無限ダメージ特殊勝利のフルコースに加え、聖遺物の数だけジャッジメントコストが軽減されるエクステンションルール効果により2コスで撃たれる全ハンデスや全除去と、とにかく理不尽感の強いデッキ。
新旧様々なカードが必要ゆえの構築難易度の高さや、綺麗に決まっても10分以上かかるループの長さにより海外でも使用率は少ないようですが、いざ当たった時が怖い相手ですね。。。
光と影のアリスで登場した、、、ではなくH2で登場した「Refrain, Resident of Wanderers' Castle」「Reflect, Resident of Wanderers' Castle」のタッグデッキ。魔法力カウンターを利用するコンセプトは同じ。
昨今ではコントロールデッキですら理不尽な押し付けを搭載することが珍しくない中、最後までコントロールし切って勝つという教科書的な動きのデッキ。まぁ理不尽なことしないわけではないですが()
他のデッキのように明確な強い動きがあるわけではないものの、序盤の凌ぎやすさと盤面が完成した終盤以降の盤石さはトップクラス。封入率改善前のコントラクト2種8枚必要なためデッキ構築難易度もトップクラスですが。。。
種族人間に関する協力なサポートカードを手に入れた「Nameless Girl(名も無き少女)」と、血族のリゾネイターはすべて人間であるため「Apostle of Creation(創生の使徒)」を組み合わせたアグロ。1ターン目からリゾネイターを3体展開したり、相手の手札をランダムで3枚ハンデスしたりとコンボじみた動きも見せる器用なデッキ。
サブルーラーにより自身のライフを大きく削るため、アグロやバーンの同系対決が厳しいことが難点ですが、普通のアグロとはまた違った挙動が楽しめます。
H5で再登場した妖精のリゾネイターたちを並べて迅速つけて打点あげて殴る、王道的なウィニーデッキ。エクステンションルールにより「Tina, Virtuous Stella」と「Alice, Girl of the Lake(湖の少女 アリス)」のタッグで組むことが主流。もちろん昇華ルーラーの使用も可能です。
デッキの構造上並べて殴る以外の選択肢がとりづらく、対コンボデッキでは眺めることしかできないことが多かったり、一度盤面を流されてしまった後の復帰が難しいですが、最速の動きでは環境最速に迫る勢いで、何より[飛翔]能力によりブロックされづらい点はやはり優秀。ほとんどのカードがH5で集まるので最近のデッキの中では比較的組みやすく、動きもわかりやすいのでおススメしやすいデッキですね。そもそもパックどこにも置いてないがって言われたらそうですね…運営さん頑張ってください()
D1で登場した「Nyarlathotep, Game Master」によるオーダー軸のアグロ。特定タイプの魔石が出たときに誘発する[共鳴]能力と一時的な魔石ブースト、コストの代わりに魔石を破棄することでプレイできる呪文による超攻撃的なデッキで、手札次第では後攻1キルも狙えます。
オーダーの特性上無効呪文を構えるコントロール系に対して一定のやりやすさがありますが、反対に除去多めの相手には厳しい戦いを強いられます。
ドロー以外で手札に加わると場に出すことができ、コスト3以上のドラゴンのコストを軽減する「Parrot Dragon」を、「Falltgold, the Dragoon(竜騎将 フェルトゴルト)」のサーチ能力で並べて大量のドラゴンで制圧するデッキ。
サーチゆえの安定した展開力と、大量展開された「Ultra Dragon, Shooting Star(超竜 シューティングスター)」による相手の展開封じは圧巻。
MP01にて必要なカードのほとんどが揃うため、こちらもおススメデッキの1つ。
D2の「Deus Ex Machina, God from Future Dimension」を使用し、[+100/+100]カウンターを無限にばらまくコンボデッキ。こちらのターン中の相手の呪文や条件能力のプレイに追加コストを要求する「Guinevere, Space-Time Watcher」、オーダー中は破格の3コスト要求となるためほぼ妨害されずにコンボの遂行が可能となります。
肝心のコンボパーツをかき集める能力にやや乏しく安定性に欠けますが、決まれば強いタイプのデッキですね。また、割り切ってある程度増やしたカウンターで普通にビートする柔軟なプレイも時には必要となります。
S3で登場してからほとんどデッキの軸が変わることなく環境に存在し続けるデッキ。ルーティング能力による安定した動きと、ルーラー効果により捨てられた際にプレイと同等の効果を発揮する各種Atom呪文、墓地のAtomを除外することでコスト軽減でき迅速持ちで襲い掛かる4000点の「Atomic Bahamut」はパッケージとしての完成度が高すぎる。
できること自体はリリース当初からほとんど変わらないものの、汎用カードの強化により通しやすさも上がっているため今でも時折使われるルーラーですね。
禁止改定により先攻1キルの成功率は落ちたものの、未だに爆発力は健在。「Fiend of Dark Pyre(暗き紅蓮の魔物)」とタッグ先の効果を利用した安定軸と、S2のルーラー「Wolfgang, Exiled Demon Prince」によりデッキに闇属性またはクトゥルフのカードしか入れられない代わりに動きの幅を広げたコンボ特化軸に分かれます。
動きの幅が広く止めどころが非常に難解なため、初見での対処のしづらさが魅力的。キメサイはいいぞぉ ワンショットは捨てて普通に盤面固めて殴り続けるビートプランも強いですが、サーチや墓地利用を咎められるとかなり脆い。
S3の「Wolfgang, Guide of the Demonic World」を利用した、Demonic Worldという種族のアディションを並べて戦うコンボデッキ。J/ルーラー、リゾの条件能力や誘発能力のみで完結できるため、1枚も呪文のプレイを行わずに勝利することも可能な異色のコンボ。
サーチ、アディション、ダメージ誘発と、現環境上位クラスのデッキへの対策がそのまま刺さってしまう点は痛手ですが、最速2ターン目に決まる点も含めポテンシャルは高め。
4/14-15に開催されたミネソタGPにて突如現れトップ8まで上り詰めたデッキ。S2の「Almerius」と「Zero, Apprentice Sage」によるJ単騎ビートダウン。
ゲーム開始時にルーラーに[+100/+100]カウンターをばらまき、Jルーラーに[障壁]を与えるゼロの効果と、ジャッジメントコストを軽減するアルメリアスにより2ターン目にはジャッジメントができ、そのまま3ターン目には倒し切れるほどのダメージを与えることができます。アルメリアスにより初期ライフ7000点というのも大きく、アグロ、バーン系のデッキに対して強いのは魅力。
良くも悪くもJで4000点削り切ることのみに特化したデッキであるため、自分より早いデッキやJルーラーの攻撃をうまく捌けるデッキには不利がつきやすいですが、得意な相手にはコール、J、パンチだけで勝てる手軽さと、障壁付与と初期ライフによるタフさで意外と押し切れてしまいますね。ビルダーすげえ
ミネソタGPで活躍したデッキその2。ルーンエリアからなら1コストでプレイでき自分のデッキを10枚墓地へ送る「Harvesting Season」と、墓地誘発や蘇生カードを利用して好き勝手暴れるデッキ。
白をベースに光属性の封印を解除する「Pandora, Queen of Miracles(奇跡の王妃 パンドラ)」と、封印解除されれば0コストで撃てるカウンター呪文「Number Thirteen, Anti-Magic」によるパーミッション、「Artillerist of Faith」による直接ダメージを軸にしたブリュンヒルデ軸と、「Roar of Dark Blessing」による1ターン目5枚ハンデスを狙え、2枚の「Laura, Vampire Girl」と「Ethereal of Solarisire」による無限ライフルーズコンボで勝利するリッチ軸が登場しました。
どちらのデッキにも多彩なギミックがちりばめられており、環境に合わせたチューニングをすることで旧ルーラーでも活躍できる可能性を示したデッキですね。ビルダーまじすげえ
H5で登場した「Sieben, Malefic $t@r」とタッグを組めるようになったことで頭角を現し始めた懐かしのルーラー。「Alisaris, the Invader to the God's City」によりハンデスや瞬動タイミングでの火力等が無い相手にはその時点で勝利が確定するほか、H6で登場した[Solarisation]との相性も抜群に高い。
ルーラー自体の癖が非常に強く、対策されてなければほぼ勝てる代わりに、しっかり対策されている相手にはほぼ勝ち目のない0-100なデッキという印象。逆説的に言えば対策さえされなければ楽に勝ち抜けるデッキではあるので、環境次第ではチャンスがあるかも
非常に長くなってしまいましたがMP01環境の分析(振り返り)については以上となります。
様々なタイプのデッキがバランスよく存在するため、デッキ選択が非常に難しく、面白い環境という印象でしたね。正直まだまだ遊び足りない。。。
トリニティクラスタ発売後も、同様に分析を進めていこうと思っていますので、参考になったと思った方はそちらの記事にもご期待ください。
現フォーマットはワンダラーであり、10年分のカードが使用可能なため、記載していないルーラーの中にも上位層に食い込めるものがあるかもしれません。
かつてのお気に入りのルーラーを手に、環境に一石を投じてみるのも良いかもしれませんね。日本にはその一石を投じる場所が無いですが()GPも予定されていることですし、今後取扱店舗やコミュニティが増えていくと嬉しいですね…運営さん本当に頑張ってください()
以上となります。ここまで読んでいただきありがとうございました。