武夫さんは両方の耳がほとんど聞こえません。
しかし、会社の積極的な
障害者雇用への取り組みもあって、
周囲の社員のサポートにより、
他の社員と同じように勤務しています。
そんな武夫さんが障害年金のことを知り、
申請しようと社会保険に詳しい
総務部長に相談しました。
「年金は働けない人がもらうものだから、
あなたは難しいんじゃないかな」
総務部長の話も一理ありますが、
武夫さんはダメ元で
申請してみることにしました。
総務部長の言葉にもあるとおり、
年金は働けない人に支給するのが、
制度の始まりです。
老齢年金は、
65歳になり定年で会社を退職した人に、
障害年金は障害があり働けない人に、
遺族年金は働き手を失った遺族に、
というのが年金のはじまりです。
障害年金の審査基準は、
あくまで障害の程度がポイントになります。
事例のような聴覚障害の場合、
「両耳の聴力レベルが100デシベル
以上のもの」が1級、
「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」
が2級というように審査基準が定められています。
審査基準が明確な数値ではなく、
「日常生活に著しい制限を受ける」
という基準で審査される場合は、
仕事を周囲の人と同じようにできる状況は、
「障害1級、2級」に該当しないと
判断されることもあります。
詳しくは、「障害認定基準」について
お話しする回でご説明します。
障害年金を受給する際には
所得制限はありません。
従って、仕事をしている、
所得があることと、
障害年金は関係ないのです。
ただし、20歳未満での障害により
障害年金を受給している場合は、
保険料を払わないで
年金を受給することになりますので、
一定の所得制限があります。
筆者個人の意見ですが、
公平性から考えると
仕方のないことなのかもしれません。
しかし同じ障害を持つ人が、
その発症の時期によりここまで大きな差が
できる制度には疑問が残ります。
